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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!70


「そこで、結界に何かしらのヒントがあるのではないかと俺は考えた訳だ♪」

「何故・・・」

そこまで言って以前の会話を思い出す


「そう言えば・・・3年前の戦いの時に第一結界を解除したって・・・」

「フフ♪ ナツ・・・それで良い♪ 情報とは一つだけでは意味をなさない・・・一見意味がなさそうな情報に答えが隠されているものだ♪」


「はい!」

「偶然かも知れない・・・だが、偶然ではなかったかもしれない・・・少なくともソンメルは武器の町アルマからレインベールに攻め入ったと聞いたからには・・・結界を解いた別の人間がいる訳だ♪」


「まさか・・・謎の男!?」

「正解♪ ソンメルの手の者ではない何者かが行った・・・魔物を引き入れる為だけかも知れない・・・だが、それ以外にも理由があるかも知れない・・・何故なら本来結界の中では巨大化する事が不可能だからだ。」


「た・確かに・・・」

ポォ~っと熱い目で龍徳を見つめていると

「フッ♪ どうしたナツ? 手伝ってくれるんじゃなかったのか?」


そう諭され我に返る

「あっ・・・手伝います・・・手伝わせて下さいませ!」

「ああ♪ 期待しているよ♪」


その後も仮説を立てては魔の森まで戻りいくつかの実験を繰り返す。

「はぁはぁはぁ・・・」

「大丈夫かナツ? だから俺が担いでやるって言ったのに」


「これも修行だと思えば苦にもなりませんわ♪」

巨大化状態で常に身体強化の魔法を全力で掛け続けている事で、何度も魔力切れを起こすナツにその都度魔力を注ぐ。


最初こそ恥ずかしそうにしていたナツであったが、周りに誰もいないと安心したのか最後には龍徳を襲うように身体を擦り付けながら魔力の譲渡をし続けていた。


『自分の身体じゃないみたい・・・もういっそうの事・・・って!私ったら何を考えているの!?』

イヤンイヤンっとクネクネして反省しているが、傍から見れば嬉しそうにしか見えない。


「さて・・・そろそろミステーロに戻る時間だな」

そう言って龍徳は左腕の時計に目を向ける。


「申し訳ございません。」

「何で謝るんだ?」


「だって・・・私がいなければ・・・」

「ああ♪ 魔力回復の事か? なに♪ 見悶えるナツが見れて眼福だったよ♪」

「ヒャァァァ~」


「冗談冗談♪・・・」

「もぅ~揶揄わないで下さいませ!」


「半分本当だけど♪」

「ヒャァァァ~」


「さて・・・冗談はこれ位にして・・・」

「もう~!」


「フフ♪ ナツはそうしている方が可愛いよ♪」

そう言われて自分が王女ではなく一人の女性として龍徳に接していた事に気が付いた。

それと同時に龍徳から言われた言葉がナツの心を揺さぶる。


「私ったら・・・それに・・・か・可愛い・・・ですか・・・」

「ああ♪ いつもの綺麗なナツも素敵だけど、そうしていると年相応の可愛らしさがある♪

王女として大変なのは分かるが・・・俺達もいるんだからあまり無理はするな♪」


「あ・・・は・・・はい♪」

『胸が苦しい・・・やっぱり病気なのかも・・・でも・・・でも・・・凄い幸せ・・・』


「それと・・・ナツが来てくれた事で大きなヒントが手に入った♪」

「そうなんですか?」

「ああ♪ だから今日は一旦町に戻るぞ♪」


「お役に立てたのですか?」

「ああ♪ ナツは自分が思っている以上に凄いんだ♪ もっと自分に自信を持ちなさい♪ オッと会社の時の癖で部下に話すような口ぶりになったな・・・」


だが、ナツにはそんな事はどうでも良かったようだ。

常に自分が足手纏いの存在なのではないか・・・ハルもアキも私のせいであれ程苦労をしたのではないか・・・自分がシッカリしていればソンメルのクーデターを阻止できたのではないか・・・


そんな事を考えだしたらキリがなかった。

自分の力が足りないせいで多くの人を巻き込んでしまう。

それこそ龍徳やレイナ、龍聖に対しても同じ様に申し訳ない気持ちでいたのだ。


言葉にすれば簡単な言葉・・・

だが、それを言ってくれる人など生まれた時から誰もいない。


「私が凄い? 自信を持つ?」

「ああ♪ 俺はナツのお陰で今ここにいる♪ ずっと世界の謎について興味があったからな♪ まさか当事者として経験出来るとは思わなかった♪ 本当に感謝しているんだぞ?」


「感謝?」

「ああ♪ 俺を信じてくれてありがとうなナツ♪」


「えっ? 信じて貰えて感謝するのは私の方で・・・」

「いや・・・俺の方だ♪ 実は・・・」


「実は?」

「ん~・・・俺ってガキの頃から普通の人が見えないものを見る事が良くあったんだよ♪ だけどそれを離すと人間・・・巨人族の世界では馬鹿にされるんだ・・・だから子供の頃からの夢だったんだよ・・・いつか世界の謎を知りたい・・・俺が今まで見た生物は夢ではなかったってね♪」


「そう言えば・・・巨人族の世界は大昔の出来事を空想上の物とする傾向がありましたもんね」

「そう言う事♪ 小人がいて妖怪がいて・・・龍までいる・・・凄いや♪ 子供みたいだろうけど・・・実はナツ達と出会ってから無茶苦茶興奮している♪」


「そうなのですか?」

「ああ♪ ハッキリ言って楽しくて仕方がない♪ 今まで気になっていた事を調べる事が出来る・・・そんな力を与えてくれた俺の恩人・・・それがナターシャ・・・君だ♪」


ニッコリと爽やかな笑顔を向けると

「あぅ・・・」

ボッっと顔が一瞬で朱に染まる。


「ハルもアキもナツが頑張る姿を見て触発されるって言っていたぞ♪」

「そうなのですか?」


「ああ♪ まぁ~俺もそうだな♪ レイナもナツには負けん!って勝手にライバル視してるしな♪ なんだかんだ言ってナツが周りを引っ張っている事は間違いないよ♪ だから自信を持て♪」


「あっ・・・『まただ・・・胸が苦しい・・・でも・・・嫌じゃない・・・』」

自分の胸に手を当てて龍徳に熱い視線を送る。


「ナツは凄い女性だ♪ だが、俺達位には泣き言を言っても良いんだからな?」

「はい♪」


「俺は王女としてではなく一人の女性としてナターシャを尊敬しているんだ♪

だから自信を持て♪ 俺に自慢させてくれ・・・なぁ ナツ♪」


「はい♪ 私も龍徳様の事をお慕いしておりますわ♪」

「フフ♪ お慕いって・・・まぁ~尊敬して貰えるのは素直に嬉しいかな♪」

「フフ♪ 尊敬も当然しておりますわ♪」


「そっか♪ だったらもう一頑張りしないとな♪」

「フフ♪ 龍徳様の凄さを私に見せて下さいませ♪」

「ああ♪ 期待には応えて見せるさ♪」


そして、来た道をナツを抱えて戻る姿をレイナに目撃されたのだった






■SIDE:レイナ

「龍聖君♪ もうソロソロ町に戻るわよぉ~♪」

「はぁ~い♪」


昨日と今日、龍徳がどうしてもやりたい事があるが一人で動きたいから龍聖の面倒をお願い出来ないか?っと頼まれ龍徳の役に立てるならと喜んで龍聖の面倒を見ていた。


初日は問題なかったが、2日目になると龍聖が精霊達と遊びたいと言い出したのだった。

今まで何度も見た光景。


その為、街の中では無理だとの結論に至った。

そして、昼食を済ませると2人で門の外へ出て町に被害がないであろう場所へと移動して精霊を使った遊びを行っていたのだった。


その時、離れた場所に一筋に伸びる砂煙を見つけ目を凝らして眺めていると


「部長ったら・・・私に龍聖君を押し付けてどこに行っているのかと思ったら・・・まぁ~龍聖君と一緒にいるのは正直嬉しいんだけど・・・でも!ナツさんをお姫様抱っこは違う気がする・・・」


見られたら一番厄介なレイナに目撃されてしまったのだった。

その後、帰りたがらない龍聖をパパが帰って来たと説得し町の中へと戻ると預かっていた龍聖を引き渡しに龍徳の部屋へと赴いた。


そして、龍徳の部屋をノックして中に入ると驚く事にナツの姿があったのだ。

『ナツさんの雰囲気が何か違う気がする・・・』

ここでレイナの女の感が発動する。


龍徳に話しかけようとするが、何やら忙しそうに何かを制作していたので、邪魔してはいけないと大人しく自分の部屋へと戻って行った。


「ムムムムッ!」

と眉間に皺を寄せながら暫し考え込むとテーブルの椅子に座り目を閉じた。

「全員集合!!」


「どうしたのぉ~?」

「随分久しぶりね♪」

「何か用ですか?」

「私は分かっていますわよ・・・ナターシャさんの事ですね!」


「フッ♪ さすがは天才レイナ。話が速いわ。」

「何の話ぃ~? ボクにも教えてよぉ~」


「お馬鹿レイナも今回は頭を使って考えて頂戴ね!」

「了~解~♪」


「私だって分かってたわよ! あれでしょう・・・私達も神谷部長に抱っこして貰いたいって話よね!」

胸を張って言い切るが


「貴方はちょっと黙ってましょうかポンコツレイナ。」

「酷っ!」


「みんな落ち着いて! 今回の議題は、何故私ではなくナツさんを誘ったのか!否、ナツさんと何をしていたのか? これをどうやって調べるか!

さらに! それを利用して今度は私もお姫様抱っこをして貰うという崇高な打ち合わせなの・・・」


「「「「おお~♪」」」」

「だからどんどん意見を頂戴!」


「だったらぁ~直接、ナツさんに聞けばいいんじゃないの?」

「お馬鹿! そんな事をしたら私が嫉妬している事がバレちゃうでしょうが!」


「えっとねぇ~だったらぁ~神谷部長に直接聞いちゃおうよぉ~♪」

「却下! お馬鹿レイナを上回るポンコツっぷり・・・流石は、ポンコツレイナ・・・」

「酷っ!」


「でしたら敢えて神谷部長が怒る様に仕向けてみては?」

「どう言う事かしら?」


「フフフ♪ そんなもの強引に後を付けるのよ! そして、勘の良い神谷部長に気が付かれ叱られ・・・はぁはぁ・・・あの冷たい目を向けて貰うのよ・・・はぁ~ん♪ ゾクゾクするわ♪」

「部長の冷たい目せんかぁ~♪ あれは良いものね♪」


「メインレイナは毎回Mレイナの意見に振り回されないで!」

「反省します。」


「簡単ですわ!」

「「「「簡単!?」」」」


「ええ♪ 私達は昨日と今日2日間も龍聖君の面倒を見たのですから龍徳様にご褒美を頂けばいいのよ♪」

「「「「おぉ~!!」」」」


「勘ぐる様に効かないで、サラッと聞けば問題ないはずよ!」

「サラッと聞く?」


「そう。 だから“先程、ナツさんと外からお帰りになりましたが、私にもお手伝い出来ることはありませんか? それとも私では役立たずでしょうか?”って聞くだけで大丈夫ですわ♪

名付けて“ご褒美&部長の優しさに付け入る作戦”よ!!」



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