小さな小さな 大冒険!! 7
筆者の神龍です♪
一つの小説を書いている間に他の小説を書きたくなってしまったので、新しくアップさせて頂きました。
もし面白かったら読んでくださいね♪
毎週月曜日と木曜日の朝7時に更新します。
「龍徳殿の魔力が強すぎたようで、2人共“魔力酔い”と呼ばれる症状が出た訳ですな♪」
「魔力酔い?ってなんなの?」
アキが説明を続けようとした瞬間!ハルとナツが慌ててアキの口を手で塞ぐと教えてくれた。
「ま・魔力酔いとは~あれですわ・・・その~強力な魔力が身体中を~流れると~その~・・・」
ナツが恥ずかしそうに説明するが意味が全く分からない。
「魔力酔いはね~う~んっとね~例えるならね~マッサージ見たいなものかな~?」
「マッサージ?」
「そ・そうですわ♪ マッサージですわね♪ 普通にマッサージすると何ともないですが、強過ぎると痛いと申しますか・・・場所によっては気持ちいと申しますか・・・。」
ナツの補足を聞いて納得した。
「なるほど~! 確かに強すぎると気持ち良いどころか痛いもんね! そっか~2人共痛かったんだね! ごめんね無理させちゃって・・・頑張って迷惑かけない様にするからね♪」
さっきの2人が痛みを堪えていた事が分かった俺は、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「そんなに謝らないでよ・・・それに・・・痛くはなかったから・・・」
「そうですわ♪ むしろ気持ちが良かった位でしたし・・・はっ! いやぁぁ~!」
痛かったんじゃないの? 気持ちが良かったって事は、身体が凝っていたのかな?
それと・・・何故にナツは発狂しているんだ?
「ガッハッハッハッハ~♪ さぁ~2人は放っておいて魔法の説明をしますぞ!」
「おぉ・・・お願いします。」
アキから教えて貰った魔法の内容は以下の通りだ。
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魔法には火、水、風、土の属性があり四大精霊と呼ばれる。
精霊を召喚する“召喚の儀”を行い契約する事で、自然界に影響を与える魔法を行使する事が出来るようになる。
全ての属性の精霊と契約する事が可能だが、その人の素質によって得意不得意が分かれる。
魔法には、熟練度によってレベルがあり初級、中級、上級と上がっていく。
極めるとそれ以上の威力の魔法もあるらしい。
四大精霊の魔法を上級まで使えるようになると四大精霊の真の能力を使う事が出来るようになる。
火が光、水が氷、風が雷、土が闇へと進化する事で超級、極滅級魔法が使える。
しかし、魔法にはさらに上位が存在するとの事だった。
精霊との契約は簡単で、四大精霊の元となる素材にオーラを最大限に発現させながら触れ、“〇の精霊よ”我が声に耳を傾け給え”と語り掛ける事で、姿を見せてくれる。
精霊との相性があるので、姿を見せる精霊もレベルが異なるとの事だった。
大別すると
小精霊級
中精霊級
大精霊級
精霊王級
そして、全ての精霊の王である“エレメンタルロード”が存在するとの事だった。
当然、上位の精霊になればなる程、凄まじい能力が身に付くが、莫大な魔力とセンスが必要で、上位精霊になればなる程、レベルを上げる事が難しいとの事だ。
大精霊であれば最初から上級魔法が使えるし、それ以上の精霊であれば当然超級以上の魔法が最初から使える。
お互いに気に入ると契約が完了。
ただし、小精霊は名前が無いので、名付けが必要で、初級魔法しか使えない。なので、精霊をレベルアップさせる事で契約した精霊が進化していくのだそうだ。
精霊のレベルアップは契約者の魔力が増大すればするだけ進化の速度が速まる。
なので、小精霊であったとしても成長次第ではロードクラスの精霊へと進化させる事も可能らしい。
傾向としては、魔力の多い者ほど上位精霊が現れやすいとの事だった。
魔力が少ない時に契約すると小精霊になる事が多いが、何度でも契約をし直す事が出来る。
“真言”と呼ばれる精霊の言語を自分の言葉に置き換えて魔法を使う方法が一般的だが精霊との相性が良いと契約者のイメージを精霊が読み取ってくれる事で、発動する事が出来るらしい。
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「へぇ~ だったら魔力の放出量が多ければ多い程、強い精霊と契約する事が出来るって事だよね♪ まぁ~何回でも契約出来るみたいだし最初は、小精霊でも良さそうだな♪」
「とも・・・言い切れないんだけどね・・・。」
「正直、龍徳殿の魔力であれば、大精霊以上である可能性が高いと思いますが・・・」
アキが歯切れの悪そうに話をしてきた。
「火山の近くとか大河の近くだったら強い精霊の可能性が高いけど・・・ここだと・・・難しいかな~?」
「クスクスクス♪2人共心配性ですね♪ それは、龍徳様がお決めになる事ですよ♪」
「そうなんだけど・・・ねぇ~」
「クスクスクス♪ 先ずは練習ですわ♪ 龍徳様! 四大精霊の媒介はこれをお使いくださいませ♪」
そう言ってナツが火の灯ったランプと水の入ったコップ、それと土の入った鉢を俺に渡してくれた。
風の精霊である空気はそのままで良いとの事だった。
「よし!じゃ~火の精霊から試してみるかな! えぇ~っと・・・何て言えば良かったんだっけ?」
「クスクスクス♪火の精霊よ”我が声に耳を傾け給え”ですわ♪」
「そうだった!では・・・」
そして、意識を集中して俺は、精霊に語り掛け始めた。
「炎の精霊よ”我が声に耳を傾け給え」
10秒は過ぎたか・・・何も起こらない。
失敗か?と思ったその時。
目の前の空間が歪み炎が浮かび上がると何かの形を成していった。
「吾を呼んだのはお主か・・・」
炎が人の形を成して眼前に現れると突然話しかけてきた。
「あれは・・・」
「嘘っ・・・」
「炎の精霊王!」
三人が離れた場所からでも分かる位驚く声が耳に届いた。
「ゴクリ・・・すげぇ・・・本当に出た・・・。 コホン! そうです!俺が呼びかけました。」
「ふむ・・・この吾を呼びだせるのであれば最低限の魔力は持っているという事か・・・それにしても・・・小人で吾を召喚した事など何百年ぶりだ? クハハハハ♪ 少しだけ興味が湧いたぞ! 我を従えるつもりなのであれば、お主の実力を見せよ!」
その言葉を投げ付けるかの様に炎の精霊が、姿を変え始め俺の周囲を覆い始めた。
「熱っ! 熱つつつつ! 何だいきなり・・・話し合うだけじゃないのか?」
「龍徳殿! その精霊様は、炎の大精霊の中の大精霊!炎の精霊王“イフリート”ですぞ!」
アキが驚きの表情を浮かべながら大声で伝えてきた。
「熱っ! そんな事よりどうすれば良いのか教えてくれ!」
「流石に話し合いだけじゃ無理!龍徳さんの力を見せるんだよ!」
「力を見せるって・・・どうすれば良いんだよ!」
「龍徳様!魔力を全力で開放して下さいませ! 魔力を爆発させるイメージで炎にぶつけるのです!」
ナツがいつもとは違う慌てた口調で教えてくれた。
「話し合いに応じない精霊の場合は、精霊にこちらの強さを認めて貰わなければなりませんぞ! しかし・・・相手は、フレイムロード“イフリート”!そう簡単にはいきますまいが・・・兎に角!戦うしかありません!」
「クハハハハ♪ そんな事で吾を従えると思っているのか! 愚か者め! 精霊王である吾を召喚した事を恥じるが良い!」
イフリートの言葉が終わると俺の周囲を囲っている炎の壁が一段と近づき始めた。
「ぐっ! 話が違う・・・熱っ!・・・なんて熱量だ・・・? くっ! こ・呼吸が・・・。」
灼熱の炎で空気が熱せられ取れもじゃないが吸い込めない。
「脆弱な生き物が吾を従えようとは・・・愚かにもほどがある! この程度の炎に抗えぬ者が吾を使役しようとは・・・万死に値する!」
イフリートの目が怪しく光ると同時に炎の勢いがさらに増した。
「ぐっ! 何て炎だ!・・・」
「クハハハハ♪ 我の下僕となるのであれば、許してやらん事もないぞ! 許しを請え!さもなくば消し炭となると知れ!」
俺の皮膚が炎に焼かれ始める。
「く・・・くそったれ! 龍聖を残して死ねるものか!」
不味い・・・相手は、炎そのものだ・・・。
「許しを請わんのか? では、そろそろその身に刻み込むとするか?」
「ふざけるなよ・・・お前は絶対に屈服させてやる・・・」
「クックック♪ 吾を屈服させるだと? カ~ハッハッハ♪ ・・・。」
馬鹿笑いがピタリと止まると炎の勢いがさらに増した。
「笑えぬ冗談だ・・・痴れ者めが!ならば、自分の愚かさを嘆いて燃え尽きよ!」
高圧的な態度・・・自尊心の塊・・・他人の声に耳を傾けない・・・こういうタイプは・・・
「さっきから・・・ふざけるなよ・・・流石に・・・我慢の限界だ!」
そして、俺の中で何かが切れた音が聞こえた気がした。
プツン!
「おぉぉぉぉぉぉ~~!!」
出来る出来ないじゃない・・・絶対に出来る!
俺は、今まで偉そうにしている奴や俺を見下す奴らを圧倒的な力で従えてきた。
それは、仕事だけの事ではない! 若い頃ならスポーツ!やんちゃな頃なら喧嘩! 納得がいかなかったら納得が行くまで徹底的にやるのが俺の性格だ!
教えて貰ったフローが異常な速度で身体中を駆け巡っているのがハッキリと分かる。
徐々に俺の身体の周りにオーラが溢れ出す。
「フン!それポッチの魔力では、 何の意味もないな!」
この見下した態度が大嫌いだ! これだけのはずがないだろうが!
(はぁぁぁぁぁぁ~~! はぁぁっっ!!)
フローにより充満している魔力を今度はブーストに一瞬で変える。
教わってはいないが、こうする事で威力が上がりそうなイメージがハッキリとある。
ズズズっと俺の身体から溢れていたオーラが凄まじい速度で回り始めると一気に弾け飛んだ。
荒れ狂うオーラが爆発した様に膨れ上がると龍徳を覆っていた炎が消し飛んだ。
「うぉっ!」
烈風の如きオーラの勢いを受けイフリートの表情が初めて曇った。
「ふぅ~成功だ! あぁ~熱かった~ それにしても・・・良くもやってくれたな・・・愛しの我が子がいるのに殺そうとしやがって・・・温厚な俺にも限度ってものがあるぞ・・・お前にはお仕置きが必要そうだな・・・。」
龍徳の怒りに反応するかの如く未だに6~7m位の大きさでオーラが噴き荒れている。
「クハハハハ♪ 少しはやるようだが、調子に乗るなよ小僧! この炎に飲み込まれてはタダではすまんぞ!」
イフリートが炎の化身となり俺目掛けて襲い掛かってきた。
「お前の性格は・・・俺の嫌いな奴らと同じだ! こっちの事も知りもしない内に見下しやがる・・・。」
「フッ! 知る必要などないな! 吾は炎の精霊王!イフリートなるぞ!」
激昂したイフリートに呼応するかの如く強大な炎が荒れ狂う。
火傷・・・?関係ないな!
「久しぶりに・・・本気で相手してやるよ!どっちが上かハッキリさせてやる! おらっ!」
ブーストは身体強化だとアキ達から教えて貰っていたので、全力で飛び掛かった。
そうしたら・・・思っていた以上だった。
「ぐぇぇぇっ!」
「嘘っ・・・精霊を・・・蹴ったの?」
「しかも・・・相手は精霊王だぞ!」
三人が何かを話しているが俺の耳には届かない・・・。
俺の飛び膝蹴りが龍へと変身したイフリートの喉を抉り上空へと吹き飛ばされていく
一瞬だった・・・
「早っ! 何て速度だ・・・」
火傷を負っても仕方がないと覚悟を決めたが、結果的に熱さは然程感じなかったのは僥倖だった。
自分の身体に染み込んでいる強さのイメージがハッキリあるせいで違和感がある。
間違いなく、通常の5倍・・・否、10倍位の速度は出ている。
しかも・・・小人の速度ではなく・・・通常の状態で・・・だ!
小人の状態だと・・・さらに・・・数十倍の速さに感じる。
イメージが伝わりにくいと思うけど例えるなら蠅などかな?
あれだけ煩わしい蠅の速度って、僅か数キロ程度、一説によると最高速度10㎞なんて記録もあるらしいけど奴らが40倍の速度で飛んだら・・・そりゃ~目にも留まらないだろうな・・・。
こちらも良ければ呼んでくださいね♪
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