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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!64


「お前・・・魔力が使えるのか?」

「はぁはぁはぁ・・・吾は魔力が好かんと言っただけだ・・・誰も使えないとは言っていない・・・だが!」

その瞬間2人を中心に爆発が起こる。


「クッ!」

それを回避すべく一瞬で龍徳が間合いを開ける。


「よもや吾が力で負けるとは・・・・グルル・・・面白い・・・この吾が魔力を解き放つ事があろうとはな・・・」

その瞬間、またしてもソーマの姿が変化し始めていく。


「おいおい・・・まだ強くなるって事か?」

「ガァァァ~!!」

魔力が集中し輝きを放つと爆発的なオーラが吹き荒れ変身が完了する。


「・・・随分小さくなったな・・・それに・・・その姿・・・」

「ふむ・・・この姿になったのは随分と久しいな・・・」

その姿は例えるのであれば異世界転生物で言うところの龍人族である。


「おいおい・・・人間やめてるんじゃないのか?」

「ふむ・・・この姿を最後に見せたのは・・・400年以上昔だ・・・誇って良いぞ・・・吾の真の姿を見れた事を!」

そう言って右手を軽く振るう。


「クッ! 素振りでこの威力とは・・・」

「先に言っておく・・・この状態の吾は当たり前の様に魔法を使う・・・手加減しようものなら一瞬で消し炭だと思え!」


「フッ♪ それは困ったな・・・」

これは龍徳の本音でもある。


何故なら通常一定の距離があれば魔法を使う事も可能なのだが、この相手に間合いなどないも同然なのだ。

巨大な魔法を使用するには一瞬ではあるが魔力を溜めるタイムラグがどうしても発生してしまう。

その隙をこの敵が見逃すはずが無い。


「では・・・行くぞ! 第六ラウンドの開始だ!!」

「クッ!力も上がっていやがる!」


「良いぞ!1000年前でもここまで吾と戦える者などそうはいなかった! カァ~!!」

凄まじい速度で戦闘を繰り広げる中、突如口から巨大な炎を吐き出す。


「アクアバリア!」

ジュッっとバリアを蒸発させるもののギリギリ直撃を防ぐ。


「良いぞ!良くぞ躱した!」

「はぁはぁはぁ・・・何て奴だ・・・真理魔法は使えそうもないな・・・」


「グオッ! なろう!」

「クッ! やるな! これならどうだ!」

「グハッ!・・・まだまだ~!!」

「グッ!・・・」


両者とも想像を絶する速度とパワーでの乱打戦。

大半を躱しているもののどちらかが当てれば当て返す。

しかし、徐々にその均衡が崩れ始めて来た。



「ゼェ~ゼェ~ゼェ~化け物め・・・」

「はぁはぁはぁ・・・想像以上の強さだ・・・殺してしまうには惜しい男だ・・・」


「はぁはぁはぁ・・・そりゃどうも!」

「はぁはぁ・・・貴殿の名を聞いておこうか・・・」


「・・・龍徳・・・神谷 龍徳だ!」

「龍・・・フッ♪ これは面白い・・・本物の龍を前に龍を名乗るか♪」

「なにっ?」


「何を驚いておる?」

「いや・・・今お前が龍だと・・・」


「ん? 言っておらんかったか?」

「聞いてないな・・・」


「そうであったか・・・我が名はソーマ・グロリアス! 齢3000年を超す龍族だ!」

「龍ってドラゴンの事だよな・・・本当にそんな生き物がいたとは・・・」


「ふむ・・・異な事を申すな・・・巨人族の世界に行けば我を祭った像が至る所に置いてあるのだが・・・」

「空想上の生き物じゃなかったのか!?」


「ほぅ~・・・世界ではその様な話になっておったのか・・・まぁ~我もこの姿になったのは数百年ぶり・・・寿命の短い人間には仕方がないと言うものか・・・」


「って事は・・・そう簡単に死ななそうだな・・・」

「グ・グロロロロ♪ 我を殺そうと思っておったのか? これは愉快だ♪」


「何がそんなにおかしい?」

「ふむ・・・寿命がある人間には理解が難しかろうな・・・簡単に言えば吾は不老不死・・・そう言えば分かるか?」

「不老不死・・・そんな生き物が本当にいるのか?」


「目の前におるだろうが!」

「今不老不死と言ったな! だったら何故今案で姿を見せなかった!」


「ん~・・・それは言えんな・・・まぁ~万が一吾に勝つ事があれば教えてやらんでもないな。」

「そうかよ・・・最後にもう一つ・・・」


「冥途の土産だ・・・応えられるの物なら教えてやらんでもないな」

「何・・・簡単な事だ・・・何故ソンメルと呼ばれる小人に使われている!」


「ん?ソンメル?・・・誰だそれは?」

「なっ!? 何を言っている・・・お前の仲間か主人なのではないのか?」


「知らんな・・・吾は、ここにいればやがて来る強い者と戦えると聞いてここにいただけだ。」

「なんだと・・・そう言えば最初も似たような事を言っていたな・・・」


「ふむ・・・まぁ~それも勝てたら教えてやる・・・」

「クッ! 『どうなっている・・・話が全然違うじゃないか・・・』」


「さて・・・さっきの戦いで、この身体にも慣れてきたな・・・気を抜くなよ・・・」

その瞬間またしても背後にソーマの姿があった。

「なっ! クッ!」


「良いぞ・・・手加減している訳ではないが・・・この状態が久しぶり過ぎてな・・・全力にはもう暫くかかりそうだ・・・それまでは死ぬんじゃないぞ!」


「化け物め・・・」

その後も高速バトルが続く中、龍徳も手離れが良いファイアバレットやストーンバレットを使いながら近距離、中距離、遠距離戦闘を繰り返すが、


「はぁはぁはぁ・・・反則だろう・・・あの身体・・・」

炎の耐性が強く、硬いボディーは傷一つない。


「ふむ・・・もう少し付いてこれると思ったのだがな・・・どうやら自分以外を守った方が力が出るタイプのようだな・・・そうなると・・・仲間の死が近ければ本気を出せる・・・ふむ・・・そうであれば・・・一人二人殺した方が良さそうだな・・・」


そう言ってパドロネに目を向ける。

「ほぅ~・・・我が配下を片付けておるな・・・」

「おい!・・・俺の仲間に手を出すな・・・」


「ん? だったらもう少し俺を楽しませろ・・・吾の真の姿を見た貴殿にはその義務がある」

「クッ! だったらこれでも喰らえ!」

話し合いの最中に魔力を溜めて放つ事に成功した。


「ダウンバースト!!」

魔力の反応を感じソーマがピクっと空を見ると既に凄まじい高さまで積みあがった積乱雲の姿があった。

「いつの間に! だが回避すれば・・・何!?」


その足にグノムの能力によるゴーレムが掴みかかる。

「クソ!放せ!」

そこから龍徳が回避した瞬間。


凄まじい威力の凍てつく風が地面へと叩き付けられた。

「グッ!・・・凄まじい威力だ・・・グハッ! グオッ!」

それだけではなく数十センチの氷の塊までも高速で降り注ぐ。



「グオォォォォ~!!!」

そして、地面に叩き付けられたソーマの身体がピキピキピキっと音を立てて凍り付いた。

「どうだ!?」


そして、ダウンバーストが止むと巨大な氷柱が聳え立っていた。

「確か変な言葉を言うと良くないんだったな・・・」

レイナに教わったテンプレを回避すべく余計な事は考えずにいると


ビキン!ビキビキ・・・バリ~ンっと音を立ててソーマが現れた。

「テンプレ関係ないじゃないか・・・」

「ゼェ~ゼェ~ゼェ~・・・今のは良い攻撃だった・・・かなり効いた・・・だが!まだまだ足りん!!」


その言葉を置き去りにしてソーマの姿が消えたと同時に龍徳の目の前に現れた。

「グエッ・・・」

背中まで突き抜けるかのような拳が龍徳に減り込む。

「もっと吾を楽しませろ!」


「グァッ!」

動きが止まった龍徳の側頭部に凶悪な一撃が襲う

痛みを堪え仰け反る様に躱すが、左腕を砕かれ吹き飛ばされていく。


「ふざけるな・・・これでは足らん・・・足らんぞ~!!」

徐々に本性を現してきたソーマの目が凶悪な肉食獣の目に変わっていく。


「カハッ! ゲホッゲホッゲホッ・・・『ギガアクアヒール』」

「中々傷が塞がらない・・・」

ディーナの魔法でも簡単に治癒できない程のダメージ


「全然ダメだ・・・やはり一人二人は犠牲になって貰った方が良さそうだ・・・」

「ゲホッゲホッ・・・や・やめろ・・・」

グググっとふら付く足に力を込めて立ち上がりながら声を振り絞るが、その声は届かない。


「先ずは・・・一人・・・バーニングメテオ!!」

ソーマの唱えた魔法と共に巨大な火球がレイナのいた辺りに直撃する。

その瞬間パドロネの町に巨大な爆炎が立ち昇る。


「ゼェ~ゼェ~・・・やめろ・・・」

「ん?僅かに魔力が膨れ上がったか? グルルルル・・・良い傾向ではないか・・・だったら・・・次は此奴だ!バーニングメテオ!!」


そして今度はナツのいた辺りに爆炎が吹き荒れた。

「はぁはぁ・・・やめろ! やめろ~!!!」


「おお♪ 殺気を帯びたオーラ・・・良いではないか・・・サァ~来い!!」

「貴様ぁ~!!許さん!許さんぞ!! ハァァァ~!」


「グフッ!」

龍徳の一撃がソーマの右頬を貫くが

「ゴハッ!」

それと同時にソーマの一撃も龍徳の右頬を捉えていた。


「良いぞ! 慣れて来たこの身体にこれだけのダメージを与えるとは・・・やはり予言の通りだ・・・待っていた甲斐があった・・・もっとだ!もっと吾を喜ばせてみろ!!」

「ウォォォ~!!」


「ガハッ!」

「グフッ!」

「グエッ!」

「グハッ!」

凄まじい乱打戦で殴り合うが防御力の差が徐々に表れていく。


「良いぞ! 吾の50%の強さを引き出すとは・・・もっとだ!もっと見せてみろ!!」

「ゴベッ!」

凶悪な拳が龍徳の胸を穿つ。


「ゴハッ!」

積込むと共に大量の血が吹きこぼれる。

「『ギガアクアヒール』」


「酷い傷・・・」

またしても深手を受け治療に時間が掛かってしまう。


「チッ! どうやら」

『ゴフッ・ガハッ・・・ま・待て・・・や・やめろ・・・』


「もう一人も殺さんとダメらしいな・・・」

『やめろ・・・やめろ・・・』


「ふむ・・・子供に手を上げるのは気がひけるのだが・・・」

「ゲホッゲホッゲホッ・・・や・・・め・・・ろ・・・」

咽返る声を絞り出すように懇願するが・・・


「仕方がない・・・吾を満足させられない貴殿が悪いな・・・」

『やめろ・・・龍聖だけは・・・やめてくれ・・・』


「では、さらばだ・・・」

「や・やめろ~!!」


「バーニングメテオ!!」

龍徳の言葉もむなしく龍聖が戦っていた辺りに巨大な火柱が立ち昇る。


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