小さな小さな 大冒険!! 6
筆者の神龍です♪
一つの小説を書いている間に他の小説を書きたくなってしまったので、新しくアップさせて頂きました。
もし面白かったら読んでくださいね♪
毎週月曜日と木曜日の朝7時に更新します。
「本当に?それは、嬉しいかも!」
「次は、どうするの? 龍徳さん・・・多分、もう魔法が使えちゃうよ?」
「ウム・・・ワシもまさか今日中に使えるとは思わんかったからな・・・。」
「でしたら・・・・龍徳様にも小さくなって頂けば宜しいのではないですか?」
ナツが意味不明の事を突然言い出した。
「はい? 俺が小さくなるって・・・どう言う事?」
「なるほど~流石~おき・・・お母さま!」
「そうですな!その手がありましたな!」
何やら俺以上に興奮しているようだ・・・。
「いやいや・・・その前に小さくなるってどう言う事?」
非現実的な話を当たり前の様に話している小人達を見て俺の頭はエンスト寸前だった。
「ですが、龍徳殿の身体に取り付ける魔道具となると・・・。」
「だったら指輪にすれば大丈夫じゃない?」
「フム・・・その手があったか! では、龍徳殿暫く待っていてくだされ!」
俺の質問には一切答えずにイソイソとテントの中に戻って行った。
「フフフ♪龍徳さん!意味が解らないって顔してるよ♪」
「それは、当然でしょう? 小さくなる? 魔道具? なんなの?」
「ウフフ♪ 仕方ない! このハル様が教えてあげるね♪ 昨日も話したけど私達にとっては、この世界に存在する生き物の大半が恐ろしい怪物ばかりだって言ったよね?」
「あぁ・・・言ってたね・・・。」
「だから私達にとっては、大半の生物は悪魔の様な生き物に見えるから“魔物”って呼んでいるの。
いくら私達が魔法を使えるからと言っても倒せると思う?」
ハルの問いかけに暫し考え込む。
「確か・・・猫で15m以上だったな・・・否、勝てないだろう?」
「クスクスクス♪だよね♪ だったら逃げるしかないんだけど逃げれると思う?逃がしてくれると思う?」
逃げる位は・・・無理だな・・・。
「ザックリ計算しても速度は、数十倍は違うだろうし・・・嗅覚も優れているんだから・・・無理だな。」
「正解!だけど~何で私達は生きているんでしょうか?」
(そう言われてみれば当然だ・・・猫なんてどこにでもいるし昆虫に至ってはそれこそうじゃうじゃいる。
もし空を飛べたとしても鳥がいるし・・・考えれば考える程・・・良く生きていたな・・・。)
「良く無事で、ここまで来れたな~・・・。」
「ウフフ♪ 分かる分けないよね~♪ その答えが、“魔道具”だよ♪」
「さっきも言っていたけど・・・魔道具って?」
「クスクスクス♪ 魔石と呼ばれる魔力を内在する石を使ったり、魔力を込めて使用する事で、不思議な効果を発揮させる事の出来る道具!それが、“魔道具”だよ♪」
「あぁ~昔、RPGのゲームで出て来た様な武器とか道具の事だな! そんなものが・・・本当に存在するのか? マジで?」
「RPG?良く分からないけど多分そんな感じじゃないのかな? それで、さっきの答えは、そのまま戦ったら勝てないのであれば、相手の魔物に魔道具を使う事で小さくするって事ね♪」
「本気で言っているんだよね?」
「当然でしょ? クスクスクス♪ 試しにその魔道具を使うと最大で魔物の大きさを40分の1まで小さくする事が出来るのよ?」
「40分の1~?」
「そう♪ 40分の1♪ だけど、それ程迄小さくするためには、莫大な魔力が必要だから私達では、何十人もいないと無理なんだよね♪ だから私達が使う時は、せいぜい6分の1ってところかしら?」
「6分の1・・・なるほど・・・15m以上の猫が3m弱って事か・・・まるで、ベンガルトラってイメージだな・・・。」
「ベンガルトラ?良く分からないけど多分そんな感じな気がする♪ それでも、メチャクチャ強いんだけどね♪ それ位迄小さくなると私達の攻撃も効くから逃げてくれるし・・・。」
「マジか・・・でも、確かに・・・逃げれる訳がないんだ・・・しかし・・・小さくなるって言われても・・・」
動物と敵対して勝利する事は愚か逃げる事も不可能な状況を考えると納得できる事なのだが、どう考えても現実的な話とは思えなかった。
「クスクスクス♪ 百聞は一見に如かずって言うから自分で実感した方が良いんじゃない?ほら!お父さんが戻って来たよ♪」
テントからアキが出て来ると肩に何かを担いでいる。
「龍徳殿!お待たせしました。 これを指に嵌めて魔力を注いでみて下さらんか」
「それは、良いんだけど・・・アキって大怪我してたんじゃなかったっけ?」
「それでしたら、ナツが魔法で治してくれましたので、ご安心くだされ!」
そう言えば・・・さっきの回復呪文ってやつがあったな・・・。
「この指輪を付ければいいんだよな・・・ゴクリ・・・」
疑う心もあるが・・・何故か小さくなる自信がある。
正直・・・ちょっとビビっている。
「えぇ~い!やってやる!」
指輪を中指に嵌めるとさっき教えて貰ったようにマナを身体中に張り巡らせた。
身体中に流れるマナの感覚がさっきよりも格段に強く感じる。
「失敗か?」
と思った瞬間!
「オッと! おぉ! おわぁ~!!」
見る見るうちに天井が高くなっていく。
目に映る景色がどんどん高くなり目の前にいた三人が離れていく。
「マジか・・・マジか・・・マジか~!!」
やがて身長が縮む速度が徐々に遅くなり始めそれ以上は小さくならなくなった。
「それにしても・・・これが、小人達の視野か・・・凄い景色だ・・・。」
周りを見渡した後、天井を見上げた。
「天井・・・高っ!」
天井の高さのイメージは100mって感じだ。
「ハハハ♪ まるで野球ドームだ・・・。」
違和感が半端ない。超巨大な箱状の建物。
ハッキリと見える襖もテーブルもイスも何もかもがデカ過ぎる。
近くにある目に映る大半の物が、大き過ぎて何なのかが分からない。
「それにしても・・・殆どの物が高過ぎて周りに何があるか分からないんだな・・・。」
まるで、お店やビルが乱立している様な景色にただただ驚いている。
「絨毯がこんなに歩きにくいとは思いもしなかったな・・・。」
イメージは、凸凹した湾曲した反発力を感じる柔らかい地面だ。
「ハハハハハ♪ 小さくなっちゃった・・・。」
俺が呆然としていると三人がやってきた。
「うわぁ~♪ 龍徳さんってイケメン何だね~♪ さっきまで大き過ぎて分からなかったよ♪」
「クスクスクス♪ ハルは面食いですもんね♪ でも、素敵な殿方ですわ♪」
「おぉ!龍徳殿が同じ位の大きさと言うのも面白い物ですな♪」
さっきまでは、小さ過ぎて良く分からなかったが、三人の顔や服装、スタイルまでもがハッキリと見えた。
ハルは、身長150㎝位の15歳から16歳の女の子だ。
青み掛かった髪を編み上げている。気が付かなかったがスタイルが良い。目のやり場に困る程胸が大きい。正確通り活発そうな美少女だった。
アキは、筋骨隆々で無精髭を生やした武将ってイメージだな。川の鎧で身を包んでいる。身長は170㎝ってところかな? 黒髪が逆立っていて小さかった時は可愛いイメージだったんだけど・・・ハッキリ言って怖いな。
年は・・・?若いような老いている様な・・・良く分からん。
ナツは、薄絹で作ったドレスのような服に身を包んでいる。お母さんの割には、随分と若い。年齢にして22~23歳って感じだ。ハルよりも鮮やかな蒼髪が綺麗に整えられている。身長は160㎝ない位かな? 流石は、ハルのお母さんなだけの事はある。まるでスーパーモデルの様な美しさだった。
「へぇ~俺もビックリしたよ♪ さっきまでは分からなかったけどアキってカッコいいし、ハルは可愛いし、ナツは綺麗だったんだね~♪」
俺は一人一人見ながら声を掛けたので
「えへへ♪ ハルって可愛いの? 言われた事が無かったから嬉しい♪」
「ワシが、カッコいいですか? ハッハッハ♪ そう言われれば嬉しい物ですな♪」
「あら♪ 私は綺麗ですの? お世辞でも嬉しいですわ♪」
「いや~それにしても・・・ビックリしたよ♪ 小人の世界ってこんな感じなんだね! 凄い景色だ・・・正直・・・ちょっと感動している・・・。」
横たわっている段ボールの厚みが8㎝位に見えるし、ノートの厚さも10㎝いじょうある。
床に落ちていたシャーペンは丸太だし、シャーペンの芯も2㎝位の太さだ。
見る物全てが新鮮に見える。
「眠気なんて吹っ飛んだよ・・・。」
「クスクスクス♪ 龍徳様ったら♪ 本当に嬉しそうですわね♪」
「そりゃ~そうだよ・・・。 んん?この黒い糸は何だ? それに良く見ると色々な物が落ちているな?」
足元には2~3㎜程度の太さで4m位の長さの黒い糸が何本も落ちている。
拾い上げてみるとかなり堅い糸だった。
「ウフフフ♪ それはねぇ~龍徳さん達の髪の毛だと思うよ♪」
「あぁ。髪の毛か・・・って! 髪の毛なの? これが?」
小人の世界だと髪の毛でもこんな感じなのか・・・?
驚いてしみじみと拾った髪を見つめていると
「クスクスクス♪ 巨人族の髪って丈夫だから私達の生活には欠かせない物の一つになっているんだよ♪」
「そ・そうなんだ・・・。」
って事は、さっきから見えている様々な物は、糸くずなどのゴミって事だな・・・。
ショック! 結構マメに掃除機掛けてたんだけどな~?
けど・・・仕方がないかな?0.1㎜位のゴミなんて気が付かないもんな・・・小人になると4㎜位の小石に見えるとは思わなかった。
「さて! これでやっと本格的な魔法の修行を始められますな!」
「じゃ~魔道具の準備するね~♪」
未だフワフワと浮ついた状態の俺をよそに2人がいそいそと準備を始めていく。
40㎝位の金属の塊らしき物を25m間隔と50m間隔で囲う様に四方に置くとその中心に集まった。
「準備OK! 龍徳さんの魔力も使うから魔力ブーストの状態になって貰えるかな?」
俺の右にはナツ。左にはハル。正面にアキがいて、それぞれが手を握っている状態だ。
言われた通り魔力ブーストと言われる状態を発動させた。
先程よりも凄まじいオーラが俺の周囲を覆っている。
「うっく・・・す・すごい・・・。あぅ・・・こんな・・・アン♪ こんな・・・こんな・・・」
ハルを見ると顔を赤く染め苦しそうに声を漏らしていた。
「ハァン♪ さっきよりも凄いですわ♪・・・くぅ~た・龍徳様・・・もう少し・・・アン♪・・・くっ! もう少し魔力を抑えて下さいませんか? ンッ!」
ナツを見たらハルと同じ様に顔を朱に染めて妖艶な瞳で囁かれた。
「ご・ごめん! 俺の魔力が強すぎたのか!?」
2人共凄く辛そうだった。
「これで、どうかな?」
オーラが見える様になったので、意外とコントロール出来るようになっていた。
「はぁはぁ・・・ン! こ・これならギリギリ耐えられそう・・・アン・・・っく! 本当に凄い・・・」
「アキ!急いで下さいな! 私もハルも限界です!」
「はっ! では!」
アキが2人の手を握った瞬間!光の塊が上空に向けて放たれた。
天井近くまで舞い上がると花火の様に四方八方に光のカーテンが現れ周囲を囲い始めた。
「こ・これは・・・?」
「龍徳様・・・アン・・・魔力を・・・はぁん・・・」
「魔力を・・・ああぁん・・・魔力を止めて~!」
二人を見ると身をクネクネと見悶えて苦しそうだった。
「ご・ごめん!」
魔力を閉じると同時に2人の手を離した途端。2人共行き絶え絶えにその場にへたり込んでしまった。
「本当にゴメンね。良く分からなかったから・・・大丈夫か2人共?アキは・・・大丈夫・・・そうだな・・・。」
2人とは対照的にアキはケロッとしていた。
多分、俺と直接触れていたからダメージがあったという事だな。
「はぁはぁ・・・こんな恥ずかしい姿をお見せして申し訳ござません。もう少しお時間を頂ければ大丈夫ですので・・・。」
「はぁはぁ・・・ちょっとだけ待ってて貰えるかな? こんなの初めてで・・・腰が抜けちゃった。」
10分程した後、2人が落ち着いた事で、アキが説明を始めてくれた。
「これは、龍徳殿の魔力も使った結界ですな!これだけの結界となると魔導士100人は必要でしょうな・・・。ハッハッハ♪ 流石は巨人族の魔力ですな!小さくなっても凄まじい魔力ですな♪」
「結界? 結界って何かしらを守るようなものって事だよね?」
「その解釈であっておりますぞ! 今から魔法の練習をしますからな!通常の結界では龍徳殿の威力を抑え込めそうもありませんでしたので、強力な魔道具を使用する事にしたのですが・・・」
アキが、チラッと2人に目を向けると恥ずかしそうに2人共目を逸らしていた。
こちらも良ければ呼んでくださいね♪
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