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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!57



残すは、商人都市パドロネと武器の町アルマの攻略だったので、どちらを先に落とすかを話し合っていたら領主補佐であるミッシェルより

「既にアルマはソンメルに不満を持った多くの貴族や商人が集まって水面下でレジスタンスが築かれている」との事だったので、2つの都市を同時に攻め落とす事となった。


今はソンメルに対して範囲を翻そうとしているアルマだが、元を正せば3年前に裏切った都市だ。

経緯はどうであれ納得のいかなかったアキが問い詰めるとアルマの領主ゼグリッド・アルマも被害者であった事が分かった。


アルマの領主であったゼグリッドだが、ミッシェルの話によると家族を人質に取られていたそうだ。

その為、ソンメルに付き従っていたが、ある時ゼグリッドの家族が既にこの世を去った事を知り、事の真相を確かめる為にゼグリッドがレインベールを訪れた後、謎の死を遂げたとの話だった。


そのミッシェルにより商人都市パドロネの情報を得た事で、龍徳達も二手に分かれて動く事となった。

武器の町アルマには、ハルとアキの2人が参戦し、商人都市パドロネには、龍徳、レイナ、ナターシャ、龍聖の4人が向かう事となった。


この割り振りには理由がある。

武器の町アルマの領主であったゼグリッド・アルマが謎の死を遂げてから替わりの党首がいないのだ。

その為、今までの話を振り返ると領主に呪術を使っている可能性が高いと結論付けた。


要するに先の戦いの様な化け物が潜んでいる可能性が低いという事だ。

その代り、2つ名を持った戦士が4人いるらしい。


「“炎神”イグニ、“地神”アズ、“鉄壁”ベギー、“暴食”クルトの4人さえ倒せばアルマはどうとでもなります。」

「炎神・・・?」

ピクピクっとハルが反応し


「地神・・・?」

とアキが同じ様に反応し

「「ホホゥ~♪ それは楽しみだじゃ(ね)」」


どうやら自分達の得意分野で2つ名を持った敵に興味が出たらしい。

「ハーレル殿とアナーキン殿が力を貸してくれるのであれば心強い!!」


「頼みますね2人とも!」

「「お任せくださいナターシャ様!」」


「パドロネの方はどうなんだ?」

「はい。当然ソンメルの地盤共言える都市ですから、こちらの方が危険でしょうな」


「パドロネの情報はアルバン侯爵の方が詳しいでしょうな」

「アルバン! 教えて貰えますか?」


「ハッ! パドロネには“神速”シュン、“雷帝”ガガン、“水帝”ジーンの3人が強敵ですな。」

「現領主はどうなんですか?」


「現領主ソーマ・グロリアス・・・こ奴の情報を2年かけて調べていたのだが・・・・」

「良く分からない・・・そう言う事か?」


「そ・そうです・・・」

「ソンメルの右腕だったっけ?」


「そうです。」

「どんな感じの人物なんですか?」


「そうですな・・・パッと見には好青年・・・ですが、話していると偶に足を闇に引きずり落とされるかの様な感覚がありますな・・・。深い闇と申しますか・・・」


「どうやらそいつもただものでは無いと考えた方が良さそうだな・・・。」

「その人は部長にお任せしますね♪」


「ん? どうしたレイナ君?」

「私は雷帝ガガンって人が気になるので♪」


「んん?」

「龍徳様♪ 氷帝ジーンはわたくしにお任せくださいませ♪」


「んん?」

「龍聖君はねぇ~しんそく~♪」

『何だこの戦闘民族は・・・まぁ~話し合いは無理だって分かってるけど・・・』


「龍聖君はパパと一緒だからねぇ~♪」

「うん♪ パパと一緒ぉ~♪」


「これで決まりですな♪」

「そうだね♪」


「では、予定通り3日後決行とで?」

「そうですわね・・・この戦いで4大都市全てを取り戻します!」

「「「「「ハッ!」」」」」


「敵を全て拘束及び殲滅した場合は、一度作戦会議を開きます!」

「「「「「ハッ!」」」」」


「一人でも逃がした場合は?」

「その時は、そのまま一気にレインベールへと攻め込む事になるでしょう。」


その言葉に全員が唾を飲んだ。

空気が静けさに包まれる中、龍徳の声が聞こえた。

「そうだな♪」


「龍徳様♪」

「ナツの判断は間違いじゃない。」


「だが・・・連戦となれば・・・」

「何を逃げ腰になっているんですか?

逃がさなければ良いだけでしょう♪」


「そうは言いますが・・・」

「たとえ逃がしてしまっても追いかけて捕まえれば済む話ですよ♪」

「カッコいい♪ 神谷部長が言うなら絶対ですね♪」


「じゃが・・・万が一レインベールに逃げ込まれたりでもしたら・・・」

「フム・・・あんた達は根本的に間違っているようだな。」

「我々が間違えておるじゃと?」


「そうだ。そもそも今回の戦いは何の為にするんだ?」

「それは民を守る為に・・・」


「そうだろうな・・・だが、俺達はナツを助ける為に来た。」

「はぁ~♪・・・龍徳様・・・」

「良いなぁ~私もそんなセリフ言われたいです・・・」


「それと・・・残り2つの都市を奪還したとしても王都を奪還できなければ全ての国民を救う事は出来ないんじゃないのか?」

「「そ・それは・・・」」


「敵はハッキリしている。2つの都市を先に落とすのは、レインベールを攻めている時に背後を取られないようにするためだ。違うのか?」

「「グッ・・・それは勿論・・・」


「逆に言えば背中を巨大な崖に守られているレインベールは背後に逃げ道がない。」

「うむ・・・」


「と言う事は万が一敵兵に逃げられたとしても4つの都市が同時に攻め込む事が出来れば、万が一にもソンメルを逃がす事がないと思うが?」

「確かに・・・連戦による疲労など考えている場合ではないな・・・」


「うむ・・・我々も・・・兵達も覚悟を決めねばならんな・・・」

「そもそも・・・ナツは可能性を話しただけだ・・・」


「それは?」

「2つの都市を同時に落とす・・・話はそれからって事だ♪」

「目の前の戦いに集中しなさいって事よ♪」


「クスクスクス♪ 私の話したい内容は全て話して貰っちゃいましたね♪」

「悪かったな♪」


「フフ♪ 助かりましたわ♪ アルバン!ミッシェル! この一戦にレインベールの未来が掛かっています。」

「「ハッ!」」

「貴方達にも、貴方達の兵にも期待しておりますよ♪」

「「ハッ!」」

そして、3日後、決戦の日がやって来た。





■SIDE:ハル&アキ


「うぅ・・・緊張してきたぁ~」

「そうじゃな・・・この戦にレインベールの未来が掛かっておるからのう」


「ハッハッハ♪ 私も緊張しております♪」

この爽やかな壮年は、革命軍の新たな団長だ。


「シュナイダーさんは、変わらない様に見えますけど・・・」

「いえ・・・流石に体の震えが止まりませんよ♪」


「それは武者震いと言うヤツじゃ♪」

「確かに・・・今日のこの日の為に生きて来た・・・そう言っても過言ではありませんな♪

そうでしたか・・・これが武者震いでしたか・・・ハッハッハ♪」


「フフ♪」

「敵の数3000・・・対してこちらは1000・・・」

「戦力では話にならんでしょうな・・・」


「だから一刻も早く4人を倒すんでしょ!」

「じゃな!」


「これだけの人数でアルマに乗り込めば直ぐにでも戦となるでしょう。」

「あちらの体制が整うまでが勝負じゃな・・・」

「敵は中心・・・そこまで一気に!」


「さて・・・時間です・・・」

「じゃな・・・」

「うん!」


意識の戻ったヒューらから紹介されたこのシュナイダーという男は、40年前に商業都市パドロネと今は滅亡した町と起こった戦の被害者だそうだ。


両親と兄弟を殺され領地を転々としながら魔物を狩って、生計を立てていた。

いくら結界があるからとは言え小さな昆虫系の魔物は領土内に姿を顕す事は珍しくない。

その為、戦闘力を評価されるようになっていった。


話によると魔の森にも詳しく比較的な安全なルートを発見し下界に降りた事がある強者だと教えてくれた。

そして、今から6年程前に下界から戻って来た功績をフューラーが讃えそれからフューラーの傭兵として雇われる事になったそうだ。


今回の妥当ソンメルに水面下で組織をまとめ上げた立役者の一人で、ソンメルの息がかかっていない戦力を即日準備できたのも彼の功績による。




そして、予定していた時刻になりバッ!とシュナイダーが翻ると

「全軍出撃!!」

こうして戦いの火蓋が落とされた。



その時、アルマの正門では・・・

「なんだあの軍隊は!!」

見張りの兵が騒ぎ出した瞬間。


「グェッ!」

離れた場所から弓矢によって胸が貫かれていた。

「もう少し大人しくしていろ!」


だが、その声に見張り台の兵たちが徐々に動き出していく。

「貴様! 味方に何をする!!」

「味方?! 馬鹿がソンメル派は敵だ!!」



そこから突如として乱戦に入って行く。

アルマは人口8万人とアルケミーに比べれば小さいが、それでも中央へ向かうとなれば市街化を抜けなければならない為、20分程時間が掛かってしまう。


ハルとアキは先行したかったのだが、万が一伏兵がいた場合を考えシュナイダーに止められていたのだった。

そして、中央の城が見えて来た時、開けた場所に敵の姿が見えたのだった。


「行くぞ~!!」

「「「「「オォォォォ~!!!」」」」」


流石に敵の部隊が勢ぞろいしている訳ではないので勢いも数もハル達の方が上回っている。

均衡が崩れるとさらに中央へと進んで行く。

そして・・・・



「カッカッカッカッカ♪ 良いねぇ~♪ この頃暇だったからちょっとしたイベントだ♪」

「ゴッゴッゴッゴッゴ♪ オデも楽しませて貰うど♪」


「本当に革命軍がいたとはね♪・・・でも、ここは通しませんよ!」

「お前達のせいで朝飯食えなかったじゃないかぁ~!!」



「アイツらが?」

「間違いありません・・・」


「だったら・・・挨拶しなくっちゃね!」

そう言って精霊を呼び出すと


「アクアジャベリン!!」

何と苦手な水魔法で攻撃差たのだった。

にも拘わらず巨大な水の槍が次々に放たれた。


「私に任せて! ソリッドウオール!!」

次々に4人の前に巨大な壁が作られていくとガンガンガン!っとハルの放ったアクアジャベリンを完全に防ぎ切ったのだった。


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