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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!51


ピキピキピキっと一瞬で凍り付いたと思ったら

「なっ!?」

内側から壊されてしまう。


「小癪な奴らめ!!」

「何故じゃ!?」

「氷系に弱い魔物なのに・・・」


「クッ!ストーンウオール!!」

ジャイアントスパイダーの周囲を覆うように石の壁が構築されていく。


「流石ナターシャ様!!」

「今焼き切るわね!フレアナイフ!!」

ハルの得意技の縮小版の様な魔法だ。


そして、蜘蛛の糸に切り付けるが中々焼き切る事が出来ない。

「なんて硬いの・・・」

「片手だけでも動けば・・・」


するとゴン!ガン!とストーンウオールの中から音が鳴り響きだした。

「まさか・・・」

「急いでナターシャ様!!」


「分かっています・・・後少し・・・後もう少しで・・・」

その瞬間ドゴ~ンっと音と共にジャイアントスパイダーがストーンウオールを粉々に砕いたのだった。


「パワーアップしたナターシャ様のストーンウオールを砕いたじゃと!?」

「もうお逃げ下さいナターシャ様!!」

「後少しで・・・」


その瞬間やっとハルの右腕の糸の切断に成功した。

「油断し過ぎだ!死ね!」

「やった・・・グゥッ!」


それと同時にジャイアントスパイダーの前足がナツを天井へと叩き付けたのだった。

「「ナターシャ様!!」」


いくら強くなったからと言っても魔物の一撃に耐える程の耐久力が身に付いている訳ではない

強烈な一撃を喰らった事でナツが意識を手放してしまった。


「良くも・・・良くもナターシャ様に!!」

怒りを露わにしたハルの右腕には巨大な炎の剣が出現した。

その剣で自分の身体を縛っている糸を切ろうとするが


「馬鹿め! 私の糸が簡単に切れると思うな!」

「なっ!? 私の炎でもこれしか切れないの!?」

「バカな・・・ナターシャ様は炎が苦手だったからじゃないのか?」


「この糸・・・炎耐性があるんだ・・・クッ! 切れろ!切れろ!切れろ!」

自分の方より先にアキの方が切り易いと判断したのかメチャクチャに剣を振り回す。


「キシャァァァ~!!」

そして、ジャイアントスパイダーが失神しているナツに向け再び凶悪な前足を振り下ろそうとした。


「させるかぁ!! バーニングフレア!!」

ドカァ~ンっと盛大にジャイアントスパイダーを吹き飛ばしながら爆発を引き起こした。


「グハッ・・・」

「ゴメンお父さん・・・」


「構わん・・・それよりも早くナターシャ様を・・・」

「うん。 早く・・・早く切れて!」

何とかアキの右腕に絡みついていた糸を切断し今度は自分の身体に纏わりついた糸を再び切断し始める。


「これは・・・おかしい・・・いくら何でも硬すぎる・・・」

「切れろ・・・切れろ、切れろぉ~!!」


その時瓦礫の一部がカタンっと崩れ落ちた。

「まさか・・・」

そのまさかであった。


畳まれていた足を広げる様に動き出すと次々に瓦礫をどけ始めるジャイアントスパイダーの姿があった。

「バカな・・・何故死んでおらんのだ!?」

「クッ! 龍徳さん・・・早く・・・早く来て~!!」


その声にピクリとナツが反応した。

「カハッ!ゲホッゲホッゲホッ・・・痛っ!・・・こ・ここは・・・」


「ナターシャ様!良かった・・・死んでしまわれたかと・・・」

「逃げて下され!ナターシャ様!!」


ところがジャイアントスパイダーが再びナツを襲う。

「ど・どうしたら・・・もう一度炎を使ったらみんなが・・・」

「任せておけ!・・・この化け物め!ストーンバレット!!」


ドドドドドドドドドっと凄まじい数の石の弾丸がジャイアントスパイダーに直撃するも

「バカな・・・」

今の攻撃で傷ついたのは前足の爪が折れただけだった。


「か・体が・・・龍徳様・・・せめてもう一度・・・」

ヨタヨタしながらも辛うじて立ち上がったナツが崩れ落ちようとした時


「オッと・・・大丈夫・・・じゃ~なさそうだな・・・それにしてもまさかこんな化け物がいたとはな」

「龍徳さん♪」

「龍徳殿!そ奴今までのジャイアントスパイダーではありませんぞ!」


「ああ♪ この状況を見れば分かっているよ♪」

「あっ!」

その瞬間ジャイアントスパイダーの前足が龍徳を襲う。


「オッと♪ なるほど・・・確かに重いな・・・アマテラスブレード!!・・・ハッ!・・・」

襲い掛かった前足を左腕一本で受け止めるとハルも真っ青な炎の剣で一瞬にして前足を断ち落とす。

ギシャァァァ~!!


「ディーナ!ナツを治癒して貰えるか?」

「任せてよ龍徳♪ アクアメガヒール!!」


「イフリート・・・2人の糸を焼き切れ!」

「ハッ!・・・我が主よお任せください! 炎帝剣!!」

「キシャァァァ~・・・炎の大精霊・・・だと?」


「さて・・・なるほど・・・大体の事情は分かった・・・この人がベンジャミンさんって事だな?」

その言葉に壁から解放されたハルが答えた。


「うん。どうしたらいいか手を出せずにいたら・・・あっ!」

「心配するな♪ だろうシルフィー?」

「当然ですご主人様♪」


ジャイアントスパイダーの糸が龍徳に襲い掛かった瞬間、天井へと叩き付けられたのだった。

「風障壁!・・・私が顕現している間はご主人様には傷一つ付けませんわ♪」


「キシャァァァ~・・・風の大精霊も・・・だと?」

「凄い・・・」

ポォ~っとハルが見つめていると


「龍徳~♪ ナツ治ったよ~♪」

「ナターシャ様!! 大丈夫ですか?」

今度はイフリートによって体の自由が戻ったアキが慌てて駆けつけて来た。


「龍徳様・・・ご迷惑を掛けました。」

「違うだろうナツ? 仲間なんだから当たり前だぞ?」

「は・はい♪」


その間もジャイアントスパイダーの攻撃が続いているが悉くシルフィーの結界で防がれていた。

「さて・・・取り敢えず動けない様にしてからだな・・・出来るかグノム?」


「任せてよ♪ アームゴーレム!!」

すると一瞬で床から現れた8本の腕がジャイアントスパイダーを抑え込む。

「キシャァァァ~・・・放せ!」


「「ハ・ハハハ・・・あれだけ苦労したのに・・・」」

「ついでに糸も出せない様にしておいたよ♪」


「グッジョブ♪グノム♪」

「へへ♪ 龍徳に褒められた♪」


「さて・・・話は出来るかベンジャミン?」

「キシャァァァ!! 殺す!殺す!殺す!」


「出来る訳がないか・・・イーフリート!何か分かるか?」

「ハッ!・・・これは恐らく禁忌の邪法ですな。」


「禁忌の邪法? 何だそれは?」

「はい。今から500年程前には存在していた呪術で、人間界で言うところの戦国時代に敵国を殲滅する為に用いた邪法ですな。」


「500年前・・・あぁ~なる程・・・要するに妖怪とかの類か・・・」

「はい。その通りです。」


「なる程・・・妖怪なんて眉唾物だと思っていたが・・・・こんなのが実在した訳だ・・・治す方法はあるのか?」

「あるにはありますが・・・」


「どうした?」

「非常に難しい方法と簡単な方法がございまして・・・」


「それで何で言い淀んだ? 簡単な方法があるなら教えろ。」

「ハッ! それは、術者を倒せば呪いが消えるのですが・・・」


「なるほど・・・その術者を見つける事が出来ないと・・・難しい方法と言うのはどう言ったものだ?」

「はい。 その者の体内にある陰邪石と呼ばれる魔物の心臓に当たる部分の中に2㎝程度の小さなコアがありますので、その部分だけを的確に壊せば元に戻るかと・・・」


「やれやれ・・・その部分がどこにあるか分からない・・・そう言いたい訳だな?」

「はい。申し訳ございません我が主よ。」


「さて・・・こんな事で役に立つとは・・・」

そう言ってジャイアントスパイダーに向けて何かの力を放出し始めた。


「龍徳様・・・それは何をされているのですか?」

「あぁ~この力って・・・無属性じゃないの?」


「まさか・・・あれを習得されたのですか?」

「あれ? だってナツが最初に教えてくれたんだぞ? ブースト状態の魔力を目に集中する事で本来見る事の出来ないものを見る事が出来るって?」


「い・言いましたが・・・いつのまに・・・」

「いつの間にって・・・結構前だな・・・まぁ~試させて貰うよ♪ “魔眼”!!」


「まさか本当に出来る方がいるなんて・・・」

「アハハハハ♪ もう~笑うしかないや♪」


『出来るって言われたから身に付けたのに・・・納得がいかん! それよりも・・・以前は気の流れやマナの流れが分かるだけだったが・・・なるほど・・・アレが陰邪石・・・その中央にある赤い部分がコアか!!』

そこである事に気が付いた。


「なるほど・・・」

「どうされたのですか?」


「いや・・・ベンジャミンさんの肉体がハッキリ見えると思って・・・」

「「見えるのですか?」」


「あ~うん・・・だからこの位置から陰邪石を狙うと身体を傷付けちゃうと思ってね♪」

そう言ってジャイアントスパイダーの横へ移動すると


「一瞬でコアを破壊か・・・念のためにイフリート!お前の力を貸せ!」

「ハッ!我が主!」

そう言って龍徳の中に入り込む


「な・なるほど・・・これは凄まじい魔力だな・・・」

そう言って人差し指で陰邪石のコアに狙いを定めると


「アマテラスショット!!!」

「キシャァァァ~・・・・・」

カッ!っと指先から光を放った瞬間ジャイアントスパイダーの身体が崩れ落ちていく。


「どうやら無事貫いたようだな♪」

ドロドロに溶けたジャイアントスパイダーの中からベンジャミンの姿が現れた。

それをディーナのアクアメガヒールで完全回復するとベンジャミンが意識を回復させたのだった。



「こ・ここは・・・」

「あまり無理はしない方が良い。怪我は治ったが随分衰弱しているだろうからな・・・」


「貴方は・・・」

「ベンジャミン!良かった・・・無事で本当に良かった」


「そ・その声は・・・まさか・・・」

「ええ♪ わたくしです・・・ナターシャですわ♪」

「ナ・ナターシャ様!! 行きておられたのですか!! よ・良かった・・・ご無事で本当に良かった・・・」


「積もる話は後だ。先ずは体力の回復が先だな。」

「そうじゃな。 ナターシャ様はベンジャミン様をお願いします。」

「分かったわ♪」


「ハルは、最低限の情報を集めてからこの屋敷の使用人を集めて指示を出すんじゃ!」

「了解!」


「龍徳殿はレイナ殿と龍聖殿を!」

「そうだな♪」

「ワシは敵がいないか周囲を見回ってくる。」



そして、屋敷の使用人の中に2人敵がいた事を突き止め拘束すると残りの使用人は全て以前からベンジャミンに忠誠を尽くしていた者達だけとなった。


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