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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!! 42

その後もジャイアントスパイダーとの戦闘が続いたが、初戦で得た情報を基に魔法を使った事で、不意を突かれない限り問題なく倒せるようになっていた。


不意を突かれるのは上空からイキナリ蜘蛛の糸を飛ばしてくるのだ!

普通の蜘蛛の糸であっても小石程度を持ち上げてしまうのだ!

40倍の太さともなると比率で1600倍もの強度となっていた。


弱点は、頭で、俺以外の皆が胴体にファイアランスを放っても殆どダメージがない様に見えた。

但し、レイナのサンダーとナツのブリザードは、強力で容易に倒せたようだ。

三度目の時は、3匹ものジャイアントスパイダーとの戦闘となったのだが、問題なく討ち取る事が出来た。


アキに教えたファイアソードはハルも興味津々で、接近戦になると使うようになっていた。

そもそもハルとアキは騎士職らしいので、本来は魔法より剣を使っての戦闘が基本だった。

しかし、小型の魔虫や同じ小人であれば剣も役に立つのだが、大型の魔虫や魔獣となると剣だけでは戦えなかった。


しかし、魔力には限界があるので、本来であれば魔法は援護射撃の様な役割だったそうだ。

ところが、俺と出会った事で以前の数千倍もの魔力量となった事で、契約した精霊も進化し強力な魔法が使えるようになった。


だが、やはり強力な魔虫や魔獣相手との戦闘となれば一度に込める魔力量を相当消費する事になるので、魔法剣による接近戦が、一番効率が良いとの事だった。


通常の剣による切れ味と比べると百倍位にはなっている。

しかも、攻撃の瞬間刀身に纏っているオーラと炎が伸びる事によって間合いが数倍程伸びるのも使い勝手が良い理由だったらしい。

弱く振ると間合いが伸びないが、全力で振れば振る程、間合いが伸びるようだ。



周囲の安全が確保された事で、ナツとハルが結界を張り、アキの収納魔法にしまってあったテントを出すと一瞬で野営が完了した。


俺も念の為、新たに開発したトラップ魔法をいくつか仕掛けておいた

まぁ~・・・開発したと言っても発想の元は龍聖君なんだけどね♪


海中移動の時の異常な速度の出し方を知りたかったので、龍聖君に聞いた時・・・

「龍聖君?昨日の水中追いかけっこの時なんだけど、パパが龍聖君にタッチしようとしたらいきなり急加速したけど・・・どうやったのかパパに教えてくれない?」


どうしても不思議だったので、普通に聞いてみた。・・・すると

「美味しいものを食べさせてくれたら教えてあげる~♪」

と満面な笑顔で答えてくれたので、


「じゃ~ケーキを買ってあげる♪」

と言ったら

「わ~い♪」

と大喜びで教えてくれた。


ケーキで済んで良かった・・・。別に食い物で釣った訳じゃないからね?

して!その方法というのが、通常の移動方法とは別に自分の前方にも魔法陣を展開しておいて、そこを通る事で、急加速できるようにしてあったとの事だった。


発想の転換と言うか逆転の発想と言うか・・・

この話を教えて貰った時は、心底我が子の才能に驚いた。


ナツ達に教えて貰った事で、魔法とは放った瞬間に自然界に影響を与ええるものと自分で考えてしまっていた。

よくよく考えれば精霊魔法は通常の魔法とは原理そのものが違うのだ。


グノムに魔石を探させた事もそうだし、帰り道の船を操っていた方法もそうだ。

従来の詠唱による魔法とは言わばプログラムされているようなものなのだから龍聖君の言うように魔法を発動させえる事だって出来るに決まっていた。


様は、プログラムとはイメージの事だ!

シッカリと魔法による現象をイメージし言霊化する事で、容易に発動させる事が出来る。

難しい無属性魔法もこれによって随分と扱いやすくなった。


なので、結果以内に入り込んだら瞬時に発動するフレイムウォールを仕掛けておいた。

ジャイアントスパイダーの事も考え3000度を超えるフレイムを使う。

魔法の便利なところは、俺が味方だと認識しているものには作動しない様にも出来る事である。



食事の時も前回の二の舞は踏まない!

匂いで、近づいてくる魔物の対策として、結界とは別に俺達の周囲を風のドームで包み込み上空高くまで、煙突の様な管を伸ばした。


念の為、監視役をローテーションで組むと夜間に2度ほど俺の仕掛けてたレイムウォールが作動したようだ。

翌朝、朝食を済ませると7時には移動を開始したのだった。



今日の移動時間を10時間取る事が出来れば、上手くいけば今日の夕方には魔の森を抜けられるかもしれない。

残り約2.6㎞!



何度目かのジャイアントスパイダーとの戦闘が終わるとうじゃうじゃいた蜘蛛の魔物が一匹も現れなくなった。

不思議に思ってアキに聞くと・・・

「それは、この魔の森の魔獣は、勢力圏が決まっておるからですな・・・。」


アキが言うには、この魔の森と呼ばれる場所に生息する魔虫や魔獣が18種類確認されているらしく、俺達が入ってきた方角から凡そ1㎞毎に勢力圏が別れているとの事だった。


「そうなると・・・次に出て来る魔獣や魔虫が分かるのか?」

次に出て来る魔物の種類が分かれば対策が取り易かったので率直な疑問をしたのだが・・・


「いやはや・・・誠に申し訳ない事ですが、以前の我々の実力では、まともに戦える相手ではありませんでしたので、認識を阻害する魔道具を使って隠れて通り抜けておりましたから詳細は分からんのです・・・。」

との事だった。


「そうか・・・そうだよな・・・。その為に特訓したんだもんね・・・。だったら!どんな種類の魔物が潜んでいるのかは分かるのかい?」

その問い掛けには、出来る限り応えてくれたのだが、何種類かの魔物は分からないらしい。


この魔の森に生息する魔物は・・・・・

ジャイアントスパイダー 体長約4m

巨大羽蟻  体長約1.5m

キングモスキート 体長約4m

キングビー 体長約2m

巨大ムカデ 体長約5m


ジャイアントバード 体長約9~14m

デビルクロー 体長約20~25m

デビルバット 体長約4~10m


ギガントマウス 体長約11m

デビルハウンド 体長約20~30m

ジャイアントボア 体長約40~60m

ギガントスネーク  体長約70~90m


アキ達の知っている情報では、この11種類の魔物が生息するとの事だった。

森の中には沼地もあるので、そこに生息する魔物は分からないらしい。


アキ達の情報の中で一番戦いたくない魔物・・・

それは、デビルバット・・・蝙蝠か・・・。


11時となり少し早めの昼食の準備に取り掛かる。

昨日の晩と同じ要領で結界を重ねていくが、時間が掛かり面倒くさかったので、俺はこれを“セーフティーエリア “と言うイメージで魔法が発動出来るようにしておいた。


魔の森を抜けるまで残り約1.9㎞。

悪い予感は良く当たるとは良く言ったものだ・・・。


暫くして再び戦闘となった。

そして、俺達の前には、情報にはなかった蝙蝠の群れが現れたのだった。

ハル達に目を向けると驚愕の表情を浮かべ始めていた。


「くそ!こんな面倒な魔物と遭遇するとはな・・・。」

「龍徳様!この魔物は危険すぎます・・・。」

そう言ったナツに振り向くと顔を青褪め頬に一筋の汗が伝っていた。


「何て事だ!寄りによってデビルバットだと! ・・・龍徳殿!こいつ等とは出来る限り戦わないで逃げに徹しましょう!」

ナツ同様に顔を青褪めているアキが俺に提案してきた。


「そんなに強いの? でも、神谷部長~? どの道相手を倒さない事には、前に勧めませんもんね?」

「そうだな・・・。出来る限り球数の多い魔法で対応するしかなさそうだな・・・。」

「じゃ~取り敢えず威嚇の・・・」


レイナが隣にいたハルの方に相槌を打つとハルがコクンと頷き同時に魔法を放つ。

「「ファイアボール~!」」

魔力を最大限に込めたであろう5mもの大きさの火球が2羽の蝙蝠に向かって放たれた。


「キキキキキ~!」

直撃するかと思われた瞬間! 二羽の蝙蝠が火球を回避したのだ。

「「なっ!」」


「分かっただろう!ワシが逃げようと言った意味が・・・奴らには攻撃が当たらんのだ!もし倒すのであれば、目視出来ぬほどの速さの魔法か奴らの回避が追い付かぬ程の広範囲魔法で戦うしかないのだ! この先の事も考えるのであれば、魔力を温存したいところだが・・・」


そうなのだ・・・。蝙蝠は常に超音波を発しているので、攻撃が当たり難いのである。

元の大きさであれば蝙蝠の回避速度を上回る力で倒す事も可能なのだが、如何せん小人の状態では、その速さが制限されてしまう。


例えば、小人の状態で時速1200㎞の体感だったとしても実際の速度は時速30㎞!40分の1になってしまう。

今までの特訓により力や速さと言った全ての能力を小人状態でもどうにか近づける事が出来ないかと行っていたのだ。


なので、実際には威力も上がった。

巨大化状態での魔法の速度は、俺以外の四人が、魔力を集中した状態で、全力で使用すると時速500~600㎞にはなっているとは思う。


さらに特訓により40分の1になってしまう小人状態でも8分の1程度にはなっているのだが、それでも実際の速度に換算すると時速60~75㎞程度の威力なのだ。

通常の魔法の速度であれば、この速度の半分程度と言ったところだろう・・・。


今までの戦闘でも分かる通り俺と小人達の魔法の威力の違いの一つが、このスピードと言っても良い。

実際に俺が、魔力を集中した状態で放つ全力の魔法であれば、時速1200㎞はあるだろう。

さらに小人状態でのパワーダウンも4分の1程度となっているので、本気であれば何とか対応が可能だ。


なので、単発の魔法であれば、普通の威力であっても半分の時速150㎞程の威力があるので、倒す事も可能だろうが、連発式のバレット等だと威力はさらに半分程度に下がってしまう。


試しに俺もアイスバレットを乱射してみたが一発もかすりもしなかった。

「予想はしていたけど・・・毎回全力・・・と言うかこの蝙蝠の住処を抜けるまで、全力は流石にきつそうだな・・。」

そう・・・これが問題なのだった。


単独戦闘であれば、何とでもなるとは思うが、3~4時間もの間、全力戦闘となると魔力が持つ自信が全く無いのだ。

本来であれば魔法を使う時だけ全力のオーラを纏えば良いだけなのだが、龍聖を抱えながらの戦闘だと分が悪い。


さらにデビルバットの数が多過ぎた。

小人状態ではかなり魔力を消費するので、使いたくないのだが、前方に向けて魔力を薄く張り巡らせると数百匹もの魔物の反応があった。



数匹程度であれば、圧倒的な火力で制圧する事も可能だろうが、連戦を考えると厳しいと言わざるを得ない。

横に目を向けるとファイアーソードを発動させて切りかかるハルとアキが目に映った。

敵は、馬鹿にするかの様に紙一重で躱し続けている。


羽を広げれば10mにもなろうかという吸血蝙蝠の攻撃は、小人状態の俺達にとっては脅威となったのであった。

凶悪で醜悪な顔。デビルバットとは良く言ったものだ・・・。


「長期戦になれば相手の思う壺だ! 俺が、火力を集中して放つから四人はデビルバットの注意を引いてくれ!準備が整ったら合図するから急いでその場を離れてくれ!」


「「「「了解!」」」」


こうしている間にも超音波で仲間を呼び集めているのか・・・どんどんとその数を増やしていく。

そして、俺は魔力を最大限に貯めると皆に合図を送る。

「いいぞ!離れてくれ!」


四人が、それぞれに特異な魔法をデビルバットに向けて放つとレイナの魔法により一匹のデビルバットが地面に落ちた。

四人は、魔法を放つと同時に一瞬でその場を離れる。


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