小さな小さな 大冒険!! 4
筆者の神龍です♪
一つの小説を書いている間に他の小説を書きたくなってしまったので、新しくアップさせて頂きました。
もし面白かったら読んでくださいね♪
毎週月曜日と木曜日の朝7時に更新します。
「はぁ~ つ・疲れたな~・・・」
休憩時間になり外にある喫煙スペースでまったりしていると。
「部長~♪ やっぱり疲れていますよね♪ 少しは自分の事も考えた方が宜しいんじゃないですか~?」
俺に声を掛けてきたのは我が社のマドンナである鈴木レイナだ。
「何がだ? 全然疲れてなんかないぞ?」
「嘘だ~たって今!“はぁ~疲れたな~”って言っていましたモン!」
「あちゃ~・・・聞かれていたか?」
「聞こえちゃいました♪ それに!遊びに行きたいなぁ~♪って言っていた事も聞こえちゃいました♪」
どこから俺の独り言を聞いていたんだ?
「レイナ君? タバコを吸わないのに・・・何でここにいるんだ?」
「決まっているじゃないですか~♪ 部長が心配だからですよ~♪」
ちょっと照れた風に自分の髪を弄りながら応えてきた。
「部下に心配されるようじゃ俺もダメだな! おっし!レイナ君のおかげで元気になった♪ 心配してくれてありがとうな♪」
部下に弱音を目撃されるとは・・・以後気を付けよう!
「そんな事ありませんよ! それに! 部長は働き過ぎです! この会社は、部長が来てから業績が伸びたのは、間違いないんですよ? 今や部長なしではこの会社は成り立たないんですからね♪ もっと自分を大事にして欲しいです・・・。」
「クスクスクス♪ 俺だけ頑張った訳じゃないだろう? 山崎次長や清水課長も頑張っているし、営業部の佐々木係長を中心に本田君や田口君も頑張っているし以前とは見違える程、新人育成にも力を入れているんだ。事務だって総務の田中さんや原口さん。営業事務の田中さんや佐藤さんも今ではミスが減って楽しそうに働いてくれているし・・・」
自分の名前が出てこない事で、不安そうな表情を浮かべるレイナ。
「それとレイナ君は、俺の直属の部下として全部の業務に携わっているから大変だっただろうに本当に頑張ってくれているよ♪ ご来社されるお客様に本当に受けが良い♪ 爽やかな微笑みも素晴らしいし♪ 声も綺麗な通る声で、見た目よりも性格の方が優れているし♪ 何にしても、この会社の社員は本当に船員頑張ってくれているよ♪」
「そ・・・そうですか~♪ 私の事もシッカリと見てくれていたんですね♪ って!そういう話じゃないです!」
頬を赤く染めながら恥ずかしそうに両手を頬に当てていたが、何かに気が付いたのか両手を握りしめて力説してきた。
「だから~!私が言いたいのは~それが、部長が来てからの話だって事なんです! 4年前までこの会社は本当にダメダメだったんですよ! 今、部長が仰った人達だって以前は、だらしなかったし!売上だって今の20分の1だったし・・・当時18歳で入社した私じゃ力不足で何も変えられなかったんですけど・・・。」
「レイナ君は偉いな♪」
俺の言葉の意味が分からないのかキョトンとした目で俺を見つめていた。
「な・何がですか?」
「クスクスクス♪ だって、この会社のダメだったところが見えていたんだろう? だから少しでも変えたいと思っていたんだよね? 何とかしようと思わなかったら、そんなに熱く語る事は出来ないからな♪」
俺の言葉が耳に届いた瞬間。レイナは自分の胸に手を当てて深呼吸をし始めた。
「もう~! 私の事じゃなくって神谷部長の事を話しているんですよ!」
「クスクスクス♪ 本当にレイナ君がいるから俺は安心して働けるんだね♪ ありがとう♪ 本当に君を抜擢して良かったと心から思うよ♪」
そう言うと龍徳ハーレルナに向かって爽やかな微笑みを向けていた。
「はぅっ!」
顔を真っ赤にして俺に背を向けて深呼吸を始めた。
(はぁぁぁ~ こんな完璧な人っているのかしら? も~う本当にカッコいいんだから~♪)
「何にしても!神谷部長が凄いのは私が一番知っています! それに!今では、全社員が神谷部長を尊敬してます。 最初の頃は全員、神谷部長を敵視していましたけど、そんな社員の事など歯牙にもかけずに全ての部署で圧倒的な結果を叩き出したのは本当に凄かったなぁ~♪」
何かを思い出しているのか・・・ウットリとした目をして上を見つめている。
「ん~・・・それは、当然だろうな。どこの馬の骨とも知れない外部の人間がいきなり上司として入社したら不安に思うし納得いかないだろうね♪ だから逆を返せば圧倒的な実力を見せつける事が出来れば、考え方を簡単に変えてくれるとも言えるだろう?」
「そんな事を簡単に言える事が凄いんですけど・・・。」
「そうでもないと思うけどな・・・? 総務は穴だらけだったし、人事もシッカリとした方針が打ち出されていなかったから惰性で求人を出したら採用を続けていたし、事務も効率の悪い業務ばかりで連携不足だったし、営業は育成と研修がなかったせいで業績が伸び悩んでいたし、企画室が情報を集めないで思い付きだけで打ち出すから尚更結果が出ないし、経営戦略室も情報収集のやり方が間違えていたから意味がなかったし、開発に至っては、無駄な開発費ばかりで実用性や時代のニーズを無視していたし・・・欠点だらけだったから簡単だったんだが・・・。」
「毒舌ですね・・・まぁ~当たってますが・・・神谷部長は、ご自分の凄さをちょっとで良いから自覚した方が良いと思いますよ? はぁ~っ・・・私も・・・もっと頑張らないとなぁ~♪」
(もっと頑張らないと・・・私なんかじゃ・・・まだまだ、釣り合いが取れないもんな~・・・。)
「フフフ♪ レイナ君は、粋な女性になりそうだね♪ 今でも魅力的なのにもっと頑張るのかい? 男共も頑張らないと振り向いて貰えそうもないな♪」
「エェ~ この会社には、神谷部長より魅力的な男性なんていませんよ~!」
「クスクスクス♪ 社交辞令ありがとう~♪ それじゃ~俺も!頑張らないとなっ!」
「社交辞令じゃ・・・あっ! だから~神谷部長は、それ以上頑張ったらダメですってば~!」
「おっと!休憩時間がおわるぞ! さぁ~仕事だ仕事!」
「もう~!」
(今日こそデートに誘うつもりだったのに~!)
傍から見たらイチャイチャしている様に見えるのだろうか?
事ある毎に俺に近づこうとするレイナを躱し続けるのも段々と大変になってきたな・・・。
今の俺には龍聖の事で頭が一杯だ!自分の事は、愛する我が子が大きくなってからで良い・・・。
俺の会社は、製造業で、この4年間は業績が鰻登りだ。
2年前に営業で叩き出した1ヶ月間の売り上げは、未だに破られていない・・・っと言うより現在のトップ営業マンの売り上げの20倍以上なので、今や伝説と化しているようだ。
人間は愚かな者が多い・・・。
自分の存在意義を否定されかねない状況が起こると全力で妨害しようとする者が多い。
中途採用で部長として採用された俺は、本当に最初の頃は周り全てが敵だった。
暴言の数々、責任の擦り付け、非協力的な態度、根拠のない噂の数々・・・どこに行っても同じだ・・・。
昔から同じ様な経験をしたからなのか今では、それが当たり前だと思えるようになっていた。
そう言う輩は、圧倒的な結果を見せつけなければ絶対に納得しない。
社会人になってからは、その傾向が、さらに顕著だ。
相手の実力を見下す奴ほど誰しもがハッキリと分かる程の圧倒的な結果を叩き付ける事で、意識を改革する切っ掛けとなる。
一つの企業を改善するのは簡単な事ではない。
様々な経験をした事で、辿り着いた俺なりの結論だった。
そして、俺の仕事は、業務全般務に携わり多岐にわたる為、3年前に鈴木レイナの素質に惚れこんでからは、俺の直属の部下として動いてもらっている。
彼女は努力家で、当初は毎日泣いていたが、持ち前の根性で全てを乗り越えてきた。
今では、いないと困る俺の右腕的な存在となっている。
新商品の開発も大成功し、暫くはさらに忙しくなりそうだ。
流石にもう1人か2人くらい直属の部下を作る必要があるかな・・・。
帰り道、交通違反も何のその!急いで俺はあるところに向かっていた。
「遅くなりました~申し訳ありません! 神谷です!」
「あら~神谷さん♪ 大丈夫ですよ♪ 龍聖君~♪ パパがお迎えに来たわよ~♪」
ドタドタドタ! この足音は・・・
「ぱぱ~! お帰りなさ~い♪ 遅い~!」
頬をプックリと膨らませて怒る我が子も・・・可愛いなぁ~♪
「ゴメンな~もう少し早く帰れると思っていたんだけど・・・お詫びにお家に帰ったらパパの秘密を教えてあげるから~怒らないの♪」
「秘密~ぅ? 分かった! 許してあげる♪」
「ありがとう♪ さぁ~帰るぞ~ 忘れ物はないか?」
「ない!」
何の確認もしていないのに自信たっぷりに言い切る我が子に俺は微笑む。
「先生いつも遅くまで申し訳ありません。今日は変わった事はなかったでしょうか?」
「はい。お熱もないし、いつも通り元気で皆を纏めていましたよ♪ 今日はお絵かき頑張ったのねぇ~♪」
「うん♪ 頑張った~♪」
「おぉ~!何の絵を描いたんだ?」
「エヘヘヘヘ~♪ 内緒!」
満面の笑みでいたずらっ子の顔だ♪
「そうなの~ 出来れば後で教えて欲しいな~♪」
「知りたい~?」
これも、いつものお決まりのパターンだ
「知りた~い♪」
「良いよ~♪ お家に帰って龍聖君と遊んでくれるんだったら教えてあげる~♪」
「やった~♪ じゃ~明日はパパお休みだから一緒に遊ぼうね♪」
可愛い目をキラキラさせながら
「わ~い♪ いっぱいだよ~♪ 約束だからね~♪」
「はいはい♪ じゃ~先生!お世話になりました~♪」
「龍聖君また来週ね~♪」
「は~い♪ 先生さよなら~♪」
“さようなら”だよ!っと腕に抱き抱えた我が子に囁きながら車に戻った。
そして、家に到着してからは、いつも通りの段取りで物事が進み、いつもより少しだけ長く子供と遊んだ事で興奮した龍聖を寝かしつける為に子守唄を歌ってあげる。
「寝~むれ~♪ 寝~むれ~♪ パ~パ~の~ぉ~手~ぇ~で~・・・・・」
大事な宝物を慈しむかのように大事に両手で抱きしめながら徐々に重くなる目に抵抗するかのように頑張っていた龍聖もやがて幸せそうな顔しながらスヤスヤと寝息を立て始めた。
大事な宝物をゆっくりとベッドに寝かせ布団を掛けると間接照明のライトのスイッチを入れ天井の照明のスイッチを切った。
そして、一階の部屋に行くと小人達に声を掛けたのだった。
「アキ? ハル? ナツ? いるのかい?」
俺が声を掛けると小さな段ボールの大きさのテントが微かに動いた。
「龍徳さん♪ お帰りなさ~い♪」
「ゴメンね!こんなに遅くなっちゃって・・・」
「ハハハ♪ 問題ないですよ! もとから私達は夜間に動く事が多いんですから♪」
考えれば当然の事だった。巨人族である人間が寝静まってから動き出すのだから・・・。
「それと・・・さっき俺の子供に皆の話をしたからもう少ししたら紹介するかも・・・。」
「それは、楽しみですわ♪」
ナツが目を細めて微笑んだ。
「ハルも楽しみだよ♪ そうだ!龍徳さん! 魔法の練習はどうするの?」
「おっと! 教えて貰いたいけど・・・場所がな~」
「別に場所はここでも大丈夫だよ~♪」
俺のイメージでは、草原や荒野の様な誰もいない場所でやるイメージだったんだが・・・
「ここで、出来るの? だったら・・・(ゴクリ)今から教えて貰おうかな~」
チラッとハル達を見ると嬉しそうに喜んでいた。
それから2時間後
「うそ・・・?信じられない・・・。」
「まさか・・・今まで無属性だったとは・・・。」
「それも・・・全ての属性が使えるなんて・・・凄いですわ♪」
「俺って・・・才能があるんだ~♪」
「ハッキリ言って凄い才能だよ!」
「そうなんだ・・・。」
この2時間の間に教えて貰っていたのは・・・
先ず、“命”を感じるところからだった。
目に見えないが間違いなく存在する“命”を意識的に感じ取る事で本来誰でも持っている“マナ”と呼ばれる力を使えるようになるとの事だった。
「命か・・・それなら・・・何となく分かる気がする・・・。」
目を閉じていると今までも“何か”の力の存在を感じる事が度々あった。
「多分・・・これの事・・・かな~?」
「何だ~龍徳さんマナが分かっていたんじゃないですか~!」
俺の状態を見てハルが何かを呟いている
こちらも良ければ呼んでくださいね♪
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