小さな小さな 大冒険!359
こちらも良ければ読んでくださいね♪
■「そこにいる君に逢いたくて。」を新しくアップ致しましたので、宜しければご一読ください。
毎週水曜日と土曜日の朝7時に更新いたします
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■「小さな小さな 大冒険!!」続編を開始しましたので、宜しければご一読下さい。
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文字数は少ないですが、出来る限り毎日アップしていこうと思いますので宜しくお願い致します。
「ガハッ・・・・・グッ・・・グヌヌヌヌゥゥゥゥI~~!! 貴様の邪魔さえなければ・・・貴様さえいなければ~!!!」
修復が追い付かず上半身だけとなったアスタロトが両腕を掲げると空間が裂け、亜空間が顔をのぞかせた。
「来たれ!我が眷属よ! 人間の魂を喰らい顕現せよ!!」
すると天の割れ目からゾロゾロと悪魔達が姿を現していく。
「フッ・・・今さらアークデーモンとは・・・」
レッサーデーモンも含めると数百体はいるだろうか・・・
龍徳が総攻撃すると予想していたらアスタロトが信じられない事をし始めていく。
「お前達の力を吾に寄こすが良い!!」
すると、出現した悪魔達が次々にアスタロトに吸収されていったのだった。
「グハハハハ!! 許さん・・・許さんぞメシア!!」
その光景をただ黙って見つめる龍徳は・・・
『愚かな・・・怒りで何も考えられなくなったようだな・・・』
実際、今のアスタロトが全力で魔法を使えば、龍徳が張った結界を壊し外の世界に逃げられる可能性があったのだ。
だが、激高したアスタロトには目の前の龍徳しか映らない。
「ハァァァ~~・・・・・殺してやる・・・・殺してやるぞメシア~!!」
「馬鹿が・・・」
ブチ切れたアスタロトが、巨大な光線を龍徳に向けて発射する。
「アブソリュート・・・リフレクション!!」
だが、それを絶対反射魔法ではじき返す。
「グハハハハ! 馬鹿め!転移!!」
転移ゲートが龍徳の足元に現れ光が立ち昇るが・・・
「奴はどこに行った!?」
近くなら消えた様に見えるのも分かるが、数百メートル程も離れているのにも拘わらず龍徳の姿を見失ってしまったのだ。
転移ゲートによってアスタロトの光線が天空へと昇る中、アスタトロがキョロキョロと周囲を警戒していると頭上から龍徳の声が響き渡った。
「ソロソロ終わりにしよう・・・」
「なっ!・・・ガハッ・・・」
頭上を見上げた瞬間に龍徳の膝が叩き込まれ凄まじい勢いで地面に吹き飛ぶアスタロトを見つめ龍徳が更なる魔法を唱える。
「アブソリュート・・・フィジカルストレングスニング・・・」
そう唱え終わると同時に消えていた・・・正に一瞬の出来事。
アスタトロが地面に叩き付けられる瞬間、地上へと降り立った龍徳がアスタロトの背中に強烈な蹴りを叩き込み
再び大空へと舞い上がっていった。
「ガハッ・・・」
「消えろアスタロト・・・貴様の顔は2度と見たくない・・・アブソリュート・・・ディストラクション!!!」
不可視の一撃。
輝く閃光がアスタロトを包み込んだ瞬間、周囲の空間ごと全てが消え去ったのだった。
それは、神の力に匹敵する結界さえ突き破り雲を貫き宇宙空間へと消えていった。
「終わったよナツミ・・・指輪・・・壊れちまったよ・・・あの世に行ったらいっぱい怒って良いから・・・」
天を仰ぎ見る龍徳の目に涙が零れ落ちる。
その時、龍徳の後方に天から光が降り注ぎ一人の女性の形を成していく・・・
龍徳さん・・・
もう十分愛して貰ったよ・・・
背後から突然聞こえた女性の声にバッと振り返ると幻の様に浮かび上がるナツミの姿があった。
「な・・・なつみ・・・」
その姿に今まで見せた事がない優しい顔になっていく。
龍徳さん・・・
私の事は気にしないで・・・
龍徳さん・・・お嫁さんにしてくれてありがとう・・・
「クッ・・・俺は・・・君を守るって約束したのに・・・・」
フフ・・・相変わらず泣き虫さんだね・・・
「ハハ・・・そんなの・・・ナツミ以外は知らないよ・・・」
フフ・・・そっか・・・ねぇ・・・
「どうした・・・」
あのね・・・来世でも・・・私をお嫁さんにしてくれる?
「ああ・・・もちろん・・・」
フフ・・・そっか・・・だったら・・・再婚して良いからね・・・
「なっ・・・」
突然のナツミのセリフに声を失ってしまう。
クスクス・・・龍徳さん・・・モテるからなぁ~・・・
「あぅ・・・ス・スマン・・・」
クスクス・・・レイナさんにナターシャさんかぁ~・・・2人共、本当に綺麗・・・あの2人なら龍徳さんの事を安心して任せられるよ・・・
「・・・」
フフ・・・そんな顔しないの!
龍徳さん・・・龍聖には母親が必要よ・・・
私が出来なかった・・・母親の愛情が・・・
だから・・・私の事は気にしないで・・・お願い・・・
「だが・・・クッ・・・分かってる・・・分かってるんだ・・・でも・・・俺は・・・クッ・・・今でもナツミを愛しているんだ!!」
うん・・・私もだよ・・・でもね・・・死んでしまった私は・・・龍徳さんを抱きしめる事も出来ない・・・自分の命より大事な龍聖の事も・・・抱きしめられないのよ・・・
「グッ・・・ナツミ・・・」
もう良いから・・・そんなに自分を責めないで・・・お願い・・・私の龍徳・・・
そこへ、ベリアルを倒した龍聖とソーマが転移ゲートで龍徳の前に現れたのだった。
「パパただいまぁ~」
「龍聖・・・」
涙が溢れ出す顔を龍聖に向け近寄って行くと
「パパ・・・何で泣いているの? ウェ~ン!パパが泣いてるよ~」
初めて見た最愛の父の涙を見て龍聖が泣き始める中、優しい声で囁くナツミの声が響き渡った。
ウッ・・・龍聖・・・私の・・・命・・・私の子・・・こんなに大きくなって・・・
「へっ?・・・パパ・・・これって・・・」
優しく抱きしめる龍徳にしがみ付いていた龍聖が、その声が聞こえる方へと顔を向けると綺麗な女性の幻が映る。
「ああ・・・龍聖のお母さんだよ・・・」
「ママ?・・・ママなの?・・・」
ああ龍聖・・・貴方の顔を見る事が出来るなんて・・・
「ママ・・・ママぁ~~~~!!!!」
ナツミの姿を見て近づくものの触る事が出来ない・・・それでも必死に触れようと光にそっと手を差し伸べた。
龍聖・・・私の龍聖・・・愛しの龍聖・・・
「ウェ~ン・・・ママぁ~・・・逢いたかった・・・逢いたかったよぉ~~~~!!!!」
「グス・・・ナツミ・・・俺達の子は・・・こんなに大きくなったよ・・・」
ええ・・・ええ・・・グス・・・抱きしめたいのに・・・ごめんなさい・・・ゴメンね龍聖・・・
「グスン・・・ううん・・・ママが見れただけでも嬉しい・・・」
「その分、パパが抱きしめてやるから・・・」
まるで、本当に抱きしめあっているかの様な親子の姿に遠目から見つめていたソーマの目にも涙が浮かぶ。
そこへ、突然結界が崩壊した事で、レイナとナツが駆け寄って来たのだった。




