小さな小さな 大冒険!358
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するとベリアルの直前で飛翔を止め両手で何かを握りしめるかのように天に向けて魔法を唱えた。
「勇者としての真の力を見せてやる!! ハァァァ~~・・・・グランドクロス!!」
その瞬間、天を割きながら光り輝く巨大な十字架が振り下ろされたのだった。
「なっ!・・・時間跳躍!」
タダならぬ気配に慌てて時間を止めたベリアルの世界。
「なんだ・・・あの光の帳は・・・だが!今の俺様ならどうとでも・・・」
魔神へと進化したベリアルが、龍聖に止めを刺そうとした時だった。
「ば・・・ばかな・・・」
「タイムマジック!!」
驚く事に時間が止まった世界の中で、龍聖が動き始めたのだった。
それだけでもベリアルとしては驚愕ものだったのに、停止した世界で、発動させていたグランドクロスがベリアルを襲う。
「何なのだ貴様は・・・・」
「勇者・・・龍聖君!」
もっとカッコいい決め台詞があるだろうが、流石は7歳の子供と言った返し言葉。
「小癪なぁ~!!こ・こんなもの!・・・・こんなものぉ~!!グッ・・・グァァァァ~~!!!」
何十もの多重結界が紙切れの様に砕け散り両腕をクロスして受け止めたベリアルを光の世界へと消し去ったのだった。
大気を吹き飛ばし、大地に巨大な十字のクレーターを眼下に龍聖が目を細めて呟いた。
「ママ・・・ボク・・・強くなれたよね・・・」
力尽きて地上へと落ちていく龍聖を、変身を解いて人型に戻ったソーマが飛翔してそっと受け止める。
「グルル・・・流石は龍聖師匠だ・・・見事だった!」
「へへ・・・ボク疲れたから・・・ちょっと寝るね・・・」
そう言って気絶する様に眠りにつく龍聖を優しく抱きしめながら遠く離れた龍徳へと身体を向ける。
「後は、お主が倒して終わりだ・・・」
△
龍聖を覚醒させアスタロトの前に再び姿を現した龍徳を見てアスタロトが驚愕の顔を浮かべていた。
「貴様・・・」
「よお・・・」
そう言ってわざとらしく左手の指輪が無くなっているところをアスタロトに見せつける。
「フッ・・・どうやら記憶の封印を解いたようだな・・・。」
「ああ・・・お前には礼を言わねばならんかもな・・・この俺の唯一の想いでのリングに・・・よくも・・・よくも呪いなどとフザケタ真似をしてくれたな!!」
激高した龍徳の威圧がアスタロトを襲う。
「クッ・・・凄まじいオーラだ・・・それと・・・その輝くオーラは何だ・・・」
「・・・ふぅ~・・・」
怒りの感情を抑える様に息を吐くと言葉を続ける
「そうだったな・・・貴様は初めて魔神になったから知らないのも当然か・・・この姿は・・・大昔の聖戦でサタンを滅ぼした時に得た力だ・・・そして・・・この姿こそメシアの真の姿でもある・・・。」
「ハッハハハ・・・なるほど・・・記憶が戻った事で思い出したと・・・だが!今の余の力は彼のお方の力に勝るとも劣らん!」
「そう思うなら試してみるんだな・・・先に行っておくが・・・貴様は俺には勝てん」
「クックック・・・ならば余の本気を見せてくれるわ~!!」
ギッ!っとアスタロトが力み始めると身の毛もよだつ様な魔力の影響を受け大気が振動し大地が鳴動を始める。
「なるほど・・・さっきよりも大分、強化されたようだな・・・ざっと人類の魂・・・600万人分以上ってところか・・・よくも、それだけの人類を殺してくれたものだ・・・」
「クックック・・・後悔しても遅い! 余の本気で一瞬のうちに消し去ってくれる!」
冷酷な表情を浮かべ龍徳を見下すアスタロトだが、龍徳の答えはアッサリとしたものであった。
「フッ・・・確かに強くなったようだが・・・その程度では話にならんな。」
そして、アスタロトの魔力によって揺れ動いていた世界が動きを止めた。
「終わりだ!死ねぇ~!!」
目に負えない速度・・・一瞬で龍徳の懐に入ると同時に龍徳のボディーに拳を叩き付けた。
ゴン!っと分厚い金属を叩いたかのような不思議な音が響き渡る・・・
「グアッ!!」
だが、呻いたのはアスタロトの方であった。
「ば・ばかな・・・」
魔力を極限まで溜め込んだ魔神の一撃は、それだけで大規模な核撃魔法に匹敵する・・・
その魔神の一撃を受け弾け飛ぶどころか微動だにしない・・・否、それどころではない。
攻撃を仕掛けたアスタロトの拳が砕けたのだからアスタロトが驚愕し動きが止まるのも無理はない。
「どうした・・・まだ力を温存しているなら早くした方が良い・・・」
「グッ・・・き・貴様~!! この至近距離で躱せるものなら躱してみろ!!ニュークリアバースト!!」
龍徳の身体に触れたまま核撃魔法を放つが・・・
「な・・・何故魔法が発動せん・・・」
「アブソリュートスペース・・・この空間の中では何人たりと言えども俺の敵ではない・・・」
既に発動されていた龍徳の絶対空間。
アスタトロが龍徳に近づき過ぎていた事で気が付かなかったようだが、最初の攻撃時で既に龍徳の周囲数百メートルの空間が支配されていたのだった。
「ば・ばかな・・・アブソリュートスペースだと・・・」
「だから言っただろう・・・貴様では俺には勝てんと・・・」
「馬鹿な!バカな!バカなぁ~!!!」
気が狂ったようにレーザー光線を放ち続けながら離れて行くアスタロトだが、龍徳はその全てを避ける事もせず再びアスタロトの間合いに入るや否や強烈な拳をボディーに叩き込んだ。
ドン!
なんの変哲もないただのパンチ。
だが・・・
「ゴベッ・・・」
叩き込まれたアスタロトの腹の一部が吹き飛び大ダメージを負っていた。
『な・なんだ・・・この力は・・・この余が・・・たった一発のパンチで、これ程のダメージを受けただと!?』
「クッ・・・」
だが、流石の回復力で、一瞬で元に戻って行く。
「今度はこっち等の番・・・ガハッ・・・」
「無駄だ・・・」
目の前の龍徳に反撃しようとした瞬間、今度は背後から強烈な回し蹴りを叩き込まれ吹き飛ばされていく。
「ガフッ・・・こ・・・こんな・・・」
その吹き飛ばされたアスタロトに一瞬で追い付いた龍徳が再び背後を取る。
「よぉ・・・どこ行くんだ?」
「なっ・・・」
「フン!」
そのまま大地へ蹴り飛ばすと隕石が落ちたかのような速度で叩き付けられた。
「カハッ・・・」
「おいおい・・・手加減してやってんだ・・・まだまだくたばんじゃねぇ~ぞ・・・」
大地に叩き付けられ巨大なクレーターの中心に沈むアスタロトに更なる追撃とばかりに龍徳が突き刺す様に踵を叩き込んだ。
「グハッ・・・」
「お前は・・・俺の大切なものを奪った・・・」
そして今度は天空へアスタロトを蹴り上げる。
「グァァァァ~~!」
「お前は・・・俺を・・・怒らせた!!!」
上空へ吹き飛ぶアスタロトに右拳を突き上げた瞬間、巨大な輝く巨大な剣が現れ、アスタロトを真っ二つに切り裂く。




