小さな小さな 大冒険!354
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文字数は少ないですが、出来る限り毎日アップしていこうと思いますので宜しくお願い致します。
その爆発の少し前・・・
「ふぇ~あのおじさん凄く強くなってるねぇ~」
『ああ。時空魔法も段違いにパワーアップしてるな・・・』
どうやら光の精霊マッチも龍聖に同意見なのだろう。
いつもの自信満々の表情が初めて崩れていた。
『龍聖君!お父さんに禁止されていた魔法を使わないと危険な気がするんだけど・・・』
『そうですわね・・・龍聖様。わたしも賛成ですわ。』
氷の精霊ゼリーが意味深な言葉を吐くと雷の精霊であるソヨもそのセリフに乗った。
「う~ん・・・パパは全力だして良いって言ってたもんね・・・分かっ・・・」
その瞬間、突然目の前に現れたベリアルが魔法を使う。
『回避だ!ダンゴ』
『龍聖君!』
「了解!転移!」
「逃がすか!ホーミングランサー!」
一瞬早く転移ゲートで別の場所へと移動する龍聖の胸元に赤いオーラが伸びている。
『龍聖! 迎撃だ!』
「ほぇ?」
その瞬間、何もない空間から槍が飛び出す。
「龍聖君!」
慌てたゼリーが龍聖に声を掛けた。
「わっ!氷塊弾!!」
金属質の巨大な槍に対して巨大な氷の塊を撃ち放つ。
『龍聖!転移だ!』
「うん! 転移!」
『龍聖様!分身を常に発動して下さいませ!』
「うん!分身体創造!!」
そして、分身を置くと次の場所へと転移を繰り返す。
分身体は倒されてば、全ての情報が本体へと吸収される。
その為、設置する分身体が悉くベリアルによって倒されている事に気が付いてしまう。
「ど・どうしよう?」
『何なんだ、あの化け物・・・』
『危険ですわ! 龍聖様!あの力を開放して下さいませ!』
『龍聖君! ボクも賛成だよ!』
日頃のほほんとしている闇の精霊ダンゴ迄緊張感が漂い始めている。
そして、転移を開き別の場所へと移動した瞬間。
「追い付いたぞ・・・」
ゾクッとするベリアルの声が後ろから聞えた。
「わっ! わぁぁぁ~!」
「死ね!小僧!」
転移ゲートに半分は言っている龍聖の足首を鷲掴みにされ強引に引き抜かれるとそのまま大地へと投げ付けられてしまう。
『龍聖!転移だ!』
慌てるマッチが龍聖に指示を出すが、凄まじい速度で投げられたせいか龍聖から返事がない。
転移を繰り返した龍聖は、標高60㎞地点でベリアルに摑まり投げ付けられた事で、未だ大地へと向かっているのだが、音速を超える速度で投げられた事が分かる。
何故なら龍聖の結界が空気を押し潰し、火を上げ始めていたからだ。
『龍聖様!地上まで後12秒ですわ!』
「龍聖君!」
ダンゴも珍しく声を荒げるが龍聖からの返事がない。
『後7秒!』
地表まで8㎞程で精霊達が動き出す。
「ダンゴ!緊急事態だ!」
「了解!転移発動!」
精霊は主の許可なく魔法を行使する事はない。
だが、精霊王クラスである事と主人が許可をしている場合に限り一定条件でのみ精霊が魔法を行使する事が出来る。
だが、精霊自身の魔力を消費する為、精霊にとって危険な行為である事は間違いないのだ。
だが、闇の精霊ダンゴは自分の事よりも龍聖を護るべく結界を展開させ龍聖を別の場所へと移動させようと動き出す。
唯一の欠点は、跳びぬけた龍聖の魔力があるからこその魔法の発動時間が遅くなある事であった。
『急げダンゴ!』
『後2秒!ダンゴお早くして下さいな!』
『分かってるよぉ~・・・よし!・・・』
だが、無情にもベリアルがそれを許さない。
「逃がすと思うか小僧!! ニュークリアバースト!!」
上空から龍聖の後を追ってきたベリアルが魔法を唱えると破壊の閃光が迸る。
グングン龍聖へと迫るブレスが大爆発を引き起こし、その閃光に龍聖達の姿が消えていく。
▽
龍徳さん・・・
龍徳様・・・
中央の結界の外に強制的に転移させられたレイナとナツが、再び中央の戦いに参加すべく封印石の場所へと戻って来たが、龍徳によって書き換えられた結界の中には入る事が出来ず、閃光と爆炎が巻き起こる光景を結界の外から祈る様に見つめていた。
その頃、アスタロトによって地中深くへと葬られた龍徳は夢を見ていた・・・・
龍徳・・・龍徳さん・・・
≪・・・こ・この声は・・・≫
それは、龍徳が愛したナツミの声・・・
龍徳さん・・・愛してるよ・・・
≪ああ・・・俺も愛しているよナツミ・・・≫
龍徳さん・・・私達・・・本当に結婚するんだね・・・
≪そうだな・・・なんだ・・・俺とじゃ不安か?≫
フフ・・・そうだなぁ~ちょっと不安かも♪
≪マジで!? 仕事も軌道に乗って来たし・・・必ずナツミを幸せにしてやる。それに君の両親だって本当の親の様に仲が良いんだぜ?・・・≫
フフ・・・そうだよね♪ 龍徳さん・・・パパの事、親父って呼ぶもんね。
≪おぅ!≫
でもそうじゃないの・・・やっぱり不安だなぁ~
≪何でも言ってくれ!俺の悪いところがあれば直すし・・・≫
フフ・・・直せないと思うけどなぁ~
≪絶対直す!≫
本当~?
≪おう!≫
絶対の絶対に本当?
≪おう!絶対の絶対に本当に! ナツミが不安になる事は直さないとな!≫
フフ。じゃ~直せなかったらどうしようかなぁ~
≪そんな事は有り得ないが、どんな事でもナツミの願いをかなえてやる!≫
ウフフ。じゃ~何を叶えて貰おうかなぁ~♪
≪何勝った気でいるんだ? 俺は不可能を可能にする男だぜ!≫
じゃ~教えて上げるね♪
≪おう!どんとこい!≫
あのね・・・
≪おう!≫
龍徳さんがモテ過ぎるからちょっと心配なの♪
予想外の言葉に龍徳の思考が止まってしまう。
≪・・・?≫
そっかぁ~♪ 龍徳さんだったら漏れないようにする事も可能なんだぁ~♪
≪お・・・おぅ・・・モテない様に・・・≫
アハハ♪ 何で自信なさげな返事してるのよ♪
≪あの~ナツミさん? 一つ質問したいんだが・・・≫
恐る恐る手を上げる龍徳を見てナツミが龍徳に指をさす
はい龍徳君!
≪モテないって言うのは・・・どの程度でアウトなのでしょうか?≫
しどろもどろになる龍徳を見た事があるのはナツミだけだろう・・・
そうだなぁ~ボディータッチされたらモテてるよねぇ~♪
≪なっ・・・≫
後は~お食事やお酒・・・後、遊びに誘われたり~
≪・・・≫
そうそう!バレンタインでチョコを貰ったり~
≪ゴフッ・・・≫
この瞬間に龍徳の敗北が決定したのだった。
何故ならこの男・・・小学生の頃からモテなかった試しがないのだ。




