小さな小さな 大冒険!352
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予想以上に大きく目測で、ベリアルが、12メートル程で、アスタロトが、15メートルと言ったところだ。
正直、相対しているだけで恐怖を感じる程、圧倒的な強さを感じてしまう。
2柱の悪魔を龍徳が睨み付けるとアスタロトが厳かな声で、口を開いた。
「災い全て滅ぶべし・・・」
「なっ・・・」
突然、アスタロトの目が輝くと圧縮されたレーザー光線が3人を襲う。
それを龍徳が、結界を張り両腕をクロスさせながら受け止めた。
「クッ・・・龍聖・・・ソーマ! 固まっていたらダメだ! クッ・・・・離れて戦うぞ!」
「パパ・・・うん!分かった!ソーマ君!」
そう言って龍聖がゲートで転移を開始。
「ベリアル・・・そっちは任せたぞ。」
「了解だ。」
その瞬間。ベリアルの姿が消えたのだった。
「グッ・・・何て威力だ・・・・。」
「ほぅ~・・・余のグランドレイを受け止めるか・・・」
実際には、結界が破られるたびに結界を張り直す。
それでも貫通してくるエネルギーによってダメージを受けてしまう為、両腕をクロスして耐えていた。
『予想以上の強さだ・・・・』
辛うじてアスタロトの攻撃を受け止めているが、足場に目を向けるとズズッ、ズズッっと身体が徐々に後退していた。
全力で受け止めている為、躱すに躱せず気が付けば、龍徳の身体に無数の切り傷が出来ては回復を繰り返していた。
「クッ・・・魔力を練っている暇が・・・」
「クックック・・・記憶が無いとは不便な・・・否、この場合は幸せだと言えるか・・・」
「はっ・・・随分とパワーアップしたようだが・・・このままだと貴様も魔力を練れまい!」
「クックック・・・やはり何も分かっておらんようだな。」
「さっきから・・・何が言いたい・・・」
龍徳の言葉を聞いたアスタロトの口元が笑みをこぼす。
「いやいや・・・救世主殿。それを聞きたいのかね。」
「グッ・・・ああ。是非ともご教示願えるか。」
龍徳としては、今なお続くアスタロトの攻撃が止めば反撃したいだけの事。
会話により注意を引けば目から鼻垂れている光線が止まる可能性があると僅かな可能性を感じていただけだったが、アスタロトから放たれた言葉に愕然する事となった。
「クックック・・・良いだろう。それを聞いて絶望したまえ。」
その瞬間。アスタロトの目から放たれていたレーザー光線が止んだ。
『今だ!一旦距離を取る!』
「3属性融合魔法・・・メタトロン!」
ドロドロに溶けた灼熱のマグマがアスタロトへと放たれた。
「クックック・・・アァ~ハッハッハッハッハ~!馬鹿め!」
襲い掛かるメタトロンに向け左手の平を向けると一瞬で石化して地面へと落ちていく。
「なっ・・・」
「貴様は大魔王と言う存在を理解しておらん・・・今の余は・・・魔力を溜める必要がない。」
そう言って天へと手を翳すと同時に1㎞程の巨大な球炎が現れた。
「バ・バカな・・・」
龍徳の目が見開き頬に汗がつたう。
龍徳の目に映るは、間違いなくアマテラスだ。
極滅級魔法だが、色と大きさにより神級魔法に分類される。
アスタロトが放ったアマテラスは青白くどう見ても神級魔法であった。
「貴様が使っている魔法とは違うのだよ・・・今の余は手を振るだけで・・・」
そう言って数十メートル離れている龍徳へ左手を軽く横に振る。
「グアッ・・・」
たったそれだけの行為だった。
だが、突如突風が生じ吹き飛ばされると同時に龍徳の身体がスパッと切り裂かれていた。
「バ・バカな魔力を感じなかった・・・。」
「だから言ったであろうよ・・・知らないという事は幸せな事だと・・・」
「今何をした・・・」
「フム・・・このまま殺しては詰まらんな・・・良いだろう。」
そう言って頭上のアマテラスが消える。
「今何をした・・・」
一旦発動させた魔法を再吸収するでもなく一瞬で消す。
たったそれだけの行為だが、それが不可能である事を龍徳は知っている。
だからこそ、理解が追い付かない。
「魔法とは・・・」
驚く龍徳とは違い、落ち着き払ったアスタロトが話し始める。
「貴様たちの世界で言えば、次元の違う力を精霊を使いこの次元に影響を与えるものだ。もしくは、言霊を乗せた呪文により強制的に魔素に干渉して使う事が出来るもの・・・違うのは元素の塊である精霊を行使する事で呪文を必要とせず強い魔法が使えるといったものだ。」
淡々と龍徳に話しかけるアスタロトからは、隙だらけに見えるが、龍徳が動く事が出来ない。
「その際、魔力と言う餌を精霊に与える事で、量によってより高度な魔法を行使する事が出来るが、生物である限り一瞬で使用できる魔力に限界がある。」
分かっている・・・
だからこそ、威力の強い魔法を使う為に魔力を練ったり溜めたりする必要があるんだからな・・・
「だが・・・今の余にはその行為が必要ない。」
その言葉の意味を理解する。
「馬鹿な・・・」
「クックック・・・貴様は神が魔力を練るとでも思っているのか?」
例えば、神シッダー・ルー・ターキリスがそうだ。
龍徳は、アスタロトの言葉で思い出す。
神がごく自然に魔法を使っていた事を・・・
それこそ、手を少し動かすだけで景色を変えてしまう。
それこそ、会話だけで地上へと戻されていた事を・・・
余りにも自然にやっていたから違和感がなかった・・・だが、今思えば途轍もない事をやっていたのだと・・・
神だから当然と思っていたが、自然環境を一瞬で変え、何もない場所に別の場所を出現させる。
だからこそ、神は今の世界に干渉できないのだと・・・
この時、やっと神の言っていた意味を理解したのだった。
「理解したか・・・そう・・・今の余は大魔王と称されるだけでれっきとした神の1柱なのだ。魔界の神・・・太古の昔より魔神と呼ばれる存在だ。」
「ハッ・・・マジか・・・」
「クックック・・・神は動くだけで超自然現象が起きてしまうのだ・・・この様にな」
ふぅ~っと龍徳に向け息を吹きかけた。
「グオッ・・・」
その瞬間、龍徳の周囲が凍り始めていく。
「この様にな・・・」
「クッ・・・」
息が止まった事で、助かった。
この一瞬で龍徳の足は完全に凍らされていたのだった。




