小さな小さな 大冒険!349
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■「小さな小さな 大冒険!!」続編を開始しましたので、宜しければご一読下さい。
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文字数は少ないですが、出来る限り毎日アップしていこうと思いますので宜しくお願い致します。
「はぁはぁはぁ・・・凄まじい魔力消費だ・・・も・もう一撃・・・悪しき存在を滅ぼす世界を燃やし尽くす神の炎よ・・・我が前に顕現し全てのものを燃やし尽くせ・・・出でよ原初の炎・・・メギド!!」
今までの炎と何かが違う。
空間が歪み、それは現れた。
ルーに教わった原初の炎は召喚魔法と同じ仕組みだ。
遥太古より燃え続ける決して消えない炎。
その炎がノアズアークの中へと落ちていく。
決して大きく無い炎だが、何の抵抗もなく水の中を燃えながら落ちていくと水中がボゴン、ボゴンっと音を立て爆発を繰り返し始めて行く。
「ま・まさか・・・原初の炎だと~!! やらせるか~!! 忌々しい楔を焼き尽くす魔界の豪華よ!我が前に顕現し全てを消し去れ! 出でよゲヘナ!!」
直撃すると思われた龍徳のメギドを迎撃すべく魔界での原初の炎を召喚するアスタロト
今までの漆黒の炎とこちらも何かが違う。
燃えるという概念を超えた、触れた瞬間に消去してしまう丸い炎が龍徳の魔法とぶつかり合う。
カッ!・・・
っと眩い輝きと共に周囲が大爆発に飲み込まれた。
正に一瞬の出来事。
爆発の光は近くにいた龍徳だけでなく止めを刺そうとしていたソーマとディアボロスを巻き込んでしまう。
▽
その少し前、悪魔の放ったメテオの被害を軽減すべくレイナとナツの奮闘が続いていた。
「はぁはぁはぁ・・・クッ・・・魔力が・・・」
「はぁはぁ・・・わたくしも魔力が・・・」
そう言って同時に魔道具で魔力を回復させていく。
「疲れたなど言っておれませんわね。」
「そうね。でも・・・そろそろ日本以外も救いに行かないと・・・」
大都市の被害は最小限に抑えた。
まだまだ被害のある場所も多いが、人間が死ぬ程、悪魔が強くなると言われているのだ。
非常だが、もっと多くの命を救える場所に赴いた方が良いとレイナは言っている。
「そうですね・・・探知魔道具によると・・・えっ・・・」
「どうしたのナツ?」
「レイナ!これを見て!」
そう言って神から授かった全世界の状況を探る魔道具をレイナに向ける。
「う・そ・・・」
この魔道具は、危険である地域を色と円の大きさで表すものだ。
赤に近づく程、緊急を要し、円が大きい程死傷者が多い事を指す。
5㎜程度の円であっても数千名規模。
それが、10㎝程の真っ赤な円の表示が現れたのだ。
「この場所は・・・アメリカだわ!」
「レイナ・・・この大きさって・・・」
「ええ・・・神谷部長からは3㎝程度で、10万人以上って・・・急ぐわよナツ!」
「はい!」
そう言って慌ててゲートで飛ぶ。
そして、転移したレイナとナツの目に最悪の光景が映し出されたのだった。
「う・そ・・・」
「レイナ・・・あれって何なの!?」
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その少し前、悪魔の放ったメテオによりシャレにならない事態が起きていたのだ。
それは・・・プロテクトのかかっている悪魔の兵器が誤作動を起こした。
「将軍・・・止まりません!!」
「ええい!何としてでも発射を阻止するのだ!!」
「発射迄、残り20秒!18・17・16・・・・・」
「目標地点の変更はまだか!! 最悪でも海に向けるのだ!!」
「目標地点の変更を受け付けません!」
「ば・バカな・・・このままでは・・・我が国が・・・」
「ミサイル発射迄・・・残り・・・5秒・・・4・3・2・1・・」
「ダメだぁ~!!!」
その瞬間・・・悪魔の兵器が打ち上げられたのだった。
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「レイナ!レイナってば!!」
ボォ~とするレイナの肩を揺さぶり目の焦点が合わなかったレイナの頬を叩く。
「レイナ!シッカリして!アレは何なのですか!!」
「ハッ・・・マズい・・・一旦離れるわよ!付いてきて!!」
そう言って転移ゲートを2人が潜り出た先でナツが周りを見渡すと
「ここは・・・!?」
先程見えた光が遥か遠くに微かに見える。
「レイナ!いい加減に教えなさい! さっきの光は何なのですか!! 何で誰も助けなかったのですか!」
「ナツ・・・もう間に合わないの・・・」
「間に合わない? それは・・・」
「小人族のナツは知らないわよね・・・アレは多分・・・核ミサイルだわ・・・」
「核ミサイルって・・・龍徳様が危惧していた悪魔の兵器の名前・・・うそ・・・さっきのアレがそうだというのですか!?」
2人の目線の先に6つの光が地上に向けて落ちていく。
その瞬間、ピカッっと輝く光の渦が周囲を照らすと天を貫くキノコ雲が見えた。
「ああ・・・」
現実味の無い破壊のエネルギーを目にしたレイナが放心状態で見つめる。
悪魔の放ったメテオが粉砕されず地球に落とされていたらこんな物ではなかったのだが、それでも普通の女性が目にする機械などある訳がないのだ。
「そんな・・・」
ナツにとっては質量が64000倍の世界。
何百キロと離れていても伝わる圧倒的な破壊のエネルギーに驚愕し口元に手を当て一歩後ずさる。
「ナツ・・・無人島に向かいましょう・・・」
「無人島には近づくなと龍徳様に言われたじゃありませんか・・・」
「そうね・・・私達が行ったところで何の役にも立たない・・・だけど・・・」
2重結界の無人島には魔導無線機が届かない。
手遅れだと思うが、それでも龍徳に報告しなければとパートナーだからこそ伝えなければならないとレイナは考える。
「でも・・・私達の役割は、多くの人達を救う事ではないのですか?」
「ええ。分かってるわ!でも・・・この状況では、どうしようもないのよ・・・。」
龍徳の指示を違えても状況によって行動を変える能力がレイナにはある。
『龍徳さんなら一旦合流を考えるはず・・・』
「責任は私が取ります・・・今は時間がない。」
真剣なレイナの勢いにナツが頷く。
「分かりました・・・」
そして、転移ゲートを潜ると中心地ではなく中央の結界を見下ろす崖の上だった。
その瞬間。
眼下に先程の光景を超える閃光と爆発が巻き起こった。
「なっ!」
「クッ!」
神の結界で守られているにも拘わらず地響きと熱波が2人に届く。
「一体何が・・・」
「ナツ!中に入りましょう!」
「そ・そうね!」
戦闘が始まると島の中央への転移が結界によってロックされると龍徳から聞かされていた2人は急いで中心へと繋がる通路へと向かう。
「この結界柱だわ!・・・我望む!結界を開け!」
侵入口用に作られた場所が2人分通れる程度に開くとレイナとナツが中へと入っていき、再び結界が閉じて行った。
「なんて広さなの・・・」
始めてきた島の結界内の異様な光景に圧倒されてしまう。
「この中だと全開じゃないとダメですわね・・・」
そう言って、レイナとナツが精霊を顕現させテラオーラを顕現させながら最大の身体強化を発動させる。
「行くわよレイナ!」
「ええ!」




