小さな小さな 大冒険!333
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文字数は少ないですが、出来る限り毎日アップしていこうと思いますので宜しくお願い致します。
「正解だ。この世界には存在しない高濃度の魔素が封じ込められた魔石に自分の命を分けていた事が分かった。この魔石は巨大な龍脈の傍でしか見つからない封魔石もしくは分霊石と呼ばれる希少なものなんだ。」
「それじゃ・・・何度倒しても蘇るって事なのか・・・」
「理論的には最大で7つまで分霊する事が可能なんだけど・・・実際には残り僅かと言ったところだろうね。」
「僅か?・・・理由は?」
「簡単だよ。さっきも言った通り希少な魔石だから魔界にも7つしか存在しないようだ・・・調べた結果とここから見ていた限りでは、アスタロトは既に5つの分霊石を使用していたようだね。」
「そうなのか?」
「うん。先ずは、君の高校時代の大僧正・・・これはやっぱりアスタロトだった。」
「やっぱり!」
「この時は、分霊石に力を注げる臣下がいなかった事で、自然に蘇った直後だったようだね。その為、能力が低く配下を増やしている最中に君によって倒されたようだ。」
「そ・そうだったのか・・・」
「それと君の奥さんを殺した巨大な蜂もアスタロト出間違いない。」
「ああ・・・それは奴から直接聞いた・・・」
「そうか・・・でも、それでアスタロトは既に2つの分霊石を使ってしまったみたいだね。」
「なるほど・・・」
「そして、この世界で、ベリアル・・・最初は・・・えっと・・・ビネガーと名乗っていたのかな?その悪魔の復活に一つ使ったけど龍聖君によって倒された事で、もう一つ使ったようだね・・・これで4つ。」
「それと俺が最初に奴を倒したから合計で5つって事か・・・」
「そう。だから残りは2つしかない・・・」
「って事は、アスタロトとベリアルが復活して分霊石はなくなるって事だな・・・ん?だが・・・復活させる配下がいなければダメなんじゃないのか?」
「その事なんだけど・・・君とグロリアスが倒したように見えた2柱の悪魔は死んでいなかった。」
「そうか・・・何故かそんな気がしていたよ・・・」
「これは、ベリアルの能力・・・時間歪曲ってスキルによるものだ。」
「時間歪曲?」
「ああ。君たちの世界で言い換えればワープの様なものかな?」
「ワープ・・・要するに時間を飛ばして別の時間帯に繋げるって事か?」
「大体あっているかな。時間跳躍と言い換えても良いね。何にしてもこれによって爆発に巻き込まれながらアスタロトを抱えて強引に爆発から逃れたようだ。」
「クッ・・・」
「とは言っても自然回復できない程ダメージを負っているから本来であれば放っておいても良かったんだけど・・・」
「分霊石を持っているから復活してしまうって事か・・・」
「そうだね。本当であれば蘇っても本来の数百分の1程度にしか復活しないんだけど・・・」
「その言い方だと・・・神の涙が敵に渡った事が最悪って言いたいようだな。」
「フフ。相変わらず話が早い。だけどその通りだ。あの宝玉には救世主としての力の一端と私の力がそそがれているからね・・・間違いなく完全体として復活する事になるだろう。」
「そうか・・・復活するまでにどれ位あるんだ?」
「そうだね・・・完全に蘇るには最短で4日から5日は眠りに着くだろう。」
「4~5日か・・・奴らはまだ小人の国にいるか分かるか?」
「それは分からないんだ。君の魔法の爆発とベリアルの時間跳躍で私も見失ってしまった。」
「そうか・・・マズいな・・・」
「うん。間違いなく人間の世界を滅ぼしに向かうはずだ。彼らは私の事を恨んでいるからね。神の祝福を一身に受けた人間の世界を滅ぼす事が彼らの目的だから」
「そうか・・・」
「出来れば君の記憶の封印を解いて貰いたいんだけどね・・・」
「・・・そうだな・・・」
ルーからそう言われ自分の左手を右手で握りしめる。
「そうだ!龍聖君の事も話しておかないとね。」
「ああ・・・。」
「結論から言うと最初の話に戻ってしまうんだけど龍聖君がドルオーラに目覚めたのは、やはり2柱の大悪魔が共闘する事態が起こった事による相克が原因だった。」
「っと言う事は・・・龍聖はメシアとして覚醒するべくドルオーラが発現したって事か・・・」
「そうなるね。だが、ビネガーとの戦いで、感情の抑制が出来ずドルオーラを全開で使用してしまったようだ。その結果、龍聖君の魔力の胎内循環が狂ってしまった事で、本能的に命を守るべく眠りについたようだ。」
「目覚めるのか?」
「それは大丈夫だ。これを飲ませれば数日で目覚める。」
そう言って手を上に向けるとルーの手の上に瓶に入った一つの液体が浮かび上がった。
「それは?」
「これは、エリクサーと呼ばれる神の神気が宿った薬だよ♪」
「エリクサー・・・って!命さえ呼び戻すと言われる神の薬か!?」
「フフ・・・記憶がないのに良く分かったね♪」
「あ・・・いや・・・そう言う訳ではないんだが・・・」
これは、部下の一人が嵌って読んでいた異世界転生物のラノベの話を聞いて知っていただけで、詳しい事は知らないが、エリクサーと言う名前に驚いただけであった。
『やべぇ~・・・小説の中だけのアイテムかと思ってたよ・・・これも実在するのか・・・ワクワクが止まらん・・・』
元からこの世界の真実を知りたがっていた龍徳にとっては好物な話だ。
ワクワクしない方が龍徳にとって有り得ない出来事なのだ。
「こ・これを龍聖に飲ませれば良いんだな?」
「うん♪」
そう言われて未だ眠り続ける龍聖の場所へ歩いて行くと瓶の線を引き抜いてユックリ龍聖の口の中へとエリクサーを流し込む。
ゴク・・・ゴク・・・
「ホッ・・・どうやら飲んでくれたみたいだ・・・」
「もう大丈夫だね。・・・ん?」
龍聖の身体の状態を見ていたルーが何気に龍徳へと視線を移すとエリクサーの入っていた瓶を、目を輝かせて見つめる龍徳の姿が目に入った。
『あ~・・・龍徳も飲みたいのか・・・う~ん・・・健康な状態で飲ませると劇薬だからなぁ~・・・』
ワザと龍徳から視線を背けていると予想通り龍徳が微かに残っていたエリクサーをペロっと舐めたのだった。
『これがエリクサーの味か・・・量が少ないから良く分からんな・・・ふむ・・・イメージではリンゴジュースって感じか?』
『う~ん・・・たった一滴でも激痛が走るんだけどなぁ~・・・ん?ってことは・・・』
「龍徳!」
「うおっ!な・なんだよ・・・べ・別に俺は何もしていないぞ・・・」
気まずそうにエリクサーを飲んでませんよアピール。
「今それを舐めたよね?」
「舐めてない。」
神を相手に堂々と嘘を言う。
「君ってやつは・・・神様相手に・・・」
「う・・・ペロっとしただけだ・・・飲んだわけじゃないからな!」
「はぁ~・・・どんな味がした?」
「ペロっとしただけだから良く分からんが、リンゴジュース見たいなもんじゃないか?」
「やっぱりか!」
それを聞いてルーが龍徳に近づき龍徳の顔をジッと見つめる。
「な・なんだよ・・・」
「良いから黙って!」
普段はおっとりしている様子のルーに真剣な顔で見つめられ、流石の龍徳も思わず息を飲む。
『なんだ・・・この迫力は・・・そう言えば神だったな・・・当然と言えば当然・・・なのか?』
そんな失礼な事を考えているとルーが口を開いた。
「君・・・良くこれだけボロボロの身体で戦ってこれたね。」
「ん?・・・どう言う事だ?」
「無理をし過ぎだよ・・・」




