小さな小さな 大冒険!331
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文字数は少ないですが、出来る限り毎日アップしていこうと思いますので宜しくお願い致します。
いくら悪魔公爵とは言え、生きていられる可能性は有り得ない。
だが・・・
「お主がそう思ったのなら何か気になる事があったのか?」
「いや・・・確かに単発のビッグバンであれば、威力を抑えたから生き残っている可能性もあったが・・・2発同時による相乗効果は、俺の予想を超える威力だった・・・。」
「であろうな。以前の魔法と比べても驚くべき魔法であったからな。」
「だな・・・」
完全なタイミングだった。
最早回避不可能なタイミングでの魔法の直撃であった事は間違いない。
「グルル・・・どうやら腑に落ちないって顔だな。」
「・・・」
「今は気にしても仕方がないであろう?」
魔力探知には悪魔の反応は検出されなかったのだから、今の龍徳とソーマに何かする事など出来ないとソーマは言っているのだ。
「ああ。そうだな。」
その後、捜索に出ていたレイナ達と夕方前に合流し互いの無事を確認し合い、この数日間にあった出来事を一通り話し終えると龍徳とソーマは意識を失ってしまったのだった。
これには、レイナもナツも一瞬ヒヤッとしたが、直ぐに寝息を立てていた事でホッと胸をなでおろしたのだった。
連日の激戦による睡眠不足と緊張の連続。
その中、ハルとアキの死を経験し、死の大地が半壊する程の戦いによる怪我と疲労を考えれば当然の事と言える。
龍徳とソーマが目覚めたのは、それから二日後の朝の事であった。
「ここは・・・」
目覚めた龍徳がボォ~っとしたまま頭を左右に向けるが、記憶にない場所。
すると扉が開きレイナとナツが部屋に入って来た。
「あっ!部長!!目が覚めたんですね!!」
「龍徳様・・・お目覚めになられたんですね・・・良かった・・・」
そう言って今にも泣きそうな顔の2人がベッドで横たわっていた龍徳に抱き着いた。
「おっ・おい・・・」
「グス・・・良かった・・・本当に良かった・・・」
「グス・・・良くぞご無事で・・・」
『どうやら心配をかけたようだな・・・』
ベッドの左右から龍徳の胸に顔を埋める様にしがみ付くレイナとナツの頭にそっと手を置いて優しく宥めるが、2人は心から安堵したのか暫く龍徳の胸で泣き続けていた。
「心配をかけた・・・」
その後、泣き止んだ2人にソーマの事を聞くと1時間前に目覚め食事を取っている最中だそうだ。
場所を食堂に移すと頬いっぱいに頬張ったソーマがニヤッと龍徳に目を合わせた。
「チッ!・・・」
そのまま無言でソーマの前に座ると龍徳も凄まじい勢いで飯を口に運んだのだった。
『あの面・・・俺より早く目覚めたから勝ち誇った顔だ・・・』
『グルル・・・吾の方がタフだったな。』
食事をしながらも顔を持ち上げチラチラ龍徳の顔を見るソーマと目が合った。
『クッ!・・・』
『グハハハハ!吾の方が食欲があるようだな!』
「お替わり!」
「えっと・・・病み上がりなのに大丈夫ですか部長?」
「かまわん!どんどん持って来てくれ!」
「レイナ、私が・・・」
そう言ってナツが変わりに台所に向かうと大量の料理をテーブルに置いた。
「グルル・・・無理はせん方がいいぞ。」
「お前こそ、ソロソロ腹一杯なんじゃないか?」
バチバチバチっと火花が散ると
「「クッ!」」
次々に皿の料理を口に流し込んで行く。
「「お替わり!!」」
「「真似すんな!!」
「「クッ!」」
「はいはい。 お替わりですよ♪」
その光景を見て半ば呆れ顔のレイナが大量の料理を持って来た。
「レイナ・・・放っておいて大丈夫なのですか?」
「アハハ・・・部長は負けず嫌いだからなぁ~・・・」
その後も食べ続け2人で50人前程食べ終えた時だった。
「ウッ・・・」
「ウップ・・・」
同時に口元を抑える。
ゴクリ・・・。
「どうしたソーマ・・・無理は体に良くないぞ。」
「フン。それを言うのであればお主の方こそ。」
「いやいや。まだまだ俺は食えるがな。」
「ほぅ~・・・この程度の量など我にとっては普通よ。」
「ハハハ。強がりを言いやがって今吐きそうになった奴の言葉とは思えんな!」
「グハハ!お主の方こそ吐きそうだったのに食えるものなら食ってみろ!」
「はいはい!もうストップ~!!」
見るに見かねたレイナが2人に割って入る。
「どうしたレイナ?」
「グルル・・・何故邪魔する。」
「龍徳さんもソーマもまだまだ食べられるかも知れませんが、食糧事情をソロソロ考えましょうね!」
そう言われてハッとする。
大都市を離れ簡易的に用意されたセーフティエリアである限り食糧事情は大問題なのだ。
只でさえ戦の余波を喰らった4大都市の城壁は、粉々になっていると報告を受けていた。
今後、元の町に戻ったと言っても後片付けが待っているのだ。
「そ・そうだったな・・・申し訳ない。」
「グルル・・・悪かった。」
「フフ。でも、お2人共それだけお召し上がり頂けたのなら身体の心配はなさそうで何よりですわね♪」
「クスクスクス。ホントよね♪ さっきまであんなに心配して損した気分だわ。」
「「あぁ~コホン・・・心配をかけた。」」
レイナとナツの皮肉を耳に龍徳とソーマが顔を見合わすと身体を小さくして謝罪したのだった。




