小さな小さな 大冒険!328
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文字数は少ないですが、出来る限り毎日アップしていこうと思いますので宜しくお願い致します。
直撃ではなかったものの身体の一部を切り裂かれ魔力によって復元したが、完全な状態とは言えないものであった。
辛酸を嘗めさせ続けられたメシアへの怒りが上回ってしまい戦闘となったが、本来であれば万全の状態で戦うつもりであった事は当たり前の事なのだ。
何故ならメシアによって何度も倒されたのだから、救世主の力を甘く見る事など有り得ないのだ。
「はぁはぁはぁ・・・こうなったらアスタロと合流ト・・・否、ドラゴンの力を・・・」
そう言ってベリアルが動けないソーマを置き去りにアストゥーがいる死の大地へと飛び去ってしまった。
「グルル・・・マズい・・・」
魔力を攻撃に使い過ぎてしまい回復が追い付かないが、翼を広げ慌ててベリアルの後を追う。
「はぁはぁはぁ・・・ドラゴン・・・ショット!!」
先行するベリアルの後方からマシンガンの様な魔力の弾丸を連射する。
「グッ・・・しつこいドラゴンが・・・グハッ・・・後少し・・・」
「チッ!・・・命中精度が・・・止まれベリアル!ドラゴンショット!!」
先程の様に地面に足を付けて狙うならまだしも自分も敵も飛行しながらの高速戦闘となると全弾命中どころか数パーセント程度のヒット率でしかない。
それでも着実にベリアルにダメージを与える事で悪魔の飛行速度が落ちていく。
ベリアルも魔力が底を付いているからなのか、自分への回復よりも逃げる方に魔力を使っている様に見える。
ソーマも疲れ果てていた事で、通常時の10分の1程度の飛行速度となっての鬼ごっこだが、突如沸き起こった馬鹿げた魔力を感じ取り2人同時に動きを止めてしまう。
「な・何だ・・・この魔力の高まりは!?」
「グルル・・・この魔力の高まり方は・・・」
龍徳とアスタロトの戦いによって大きく崩れ落ちた死の大地が飛び散ってしまい荒野の様相と化してしまった事で、視界が閉ざされていた為、すぐ傍で戦闘が行われているにも拘わらずソーマとベリアルは気付く事が遅れてしまったのだった。
「どこからだ・・・あの岩山の後ろか!?」
「グルル・・・あの岩山の後ろから嫌な予感がする・・・」
余りにも異様な魔力の高まりに戦う事を忘れたソーマとベリアルが同じ方向へと飛翔し始めた。
だが・・・
「な・ん・だ・・・」
「チッ!やはりあの魔法か!・・・マズい!」
岩山の切れ目から龍徳とアスタロトの姿が見えた瞬間、ゾクリと背中に汗がつたう。
ソーマはソーマで、一度見た事のあった龍徳の魔法を思い出し一瞬思考が止まってしまったようだ。
「うおっ! ヤベェ~なこの魔力は・・・」
龍徳達が戦っている場所から100メートル程左の上空をベリアルが通過しようとした時だった。
ベリアルの目には、龍徳とアスタロトの魔法が衝突し合って膨張を続けている光景が映る。
「グルル・・・このままだと龍徳が・・・だが吾も回避せねば・・・クッ・・・」
拮抗している2つのエネルギーのバランスが崩れ今にも龍徳が飲み込まれようとしている。
だが、この距離で爆発の余波を受けたらタダでは済まない事は分かっている。
「クソッ!」
破壊のエネルギーから身を躱そうとベリアル上空へと逃れ始めたが、ソーマは回避しようと思ったものの視界の先に龍徳を捉えた事で、残された魔力を振り絞り気が付いたら龍徳の救出へと身体が動いていた。
その瞬間、龍徳が放ったもう一つの魔法によって衝突していた破壊のエネルギーが、一瞬でアスタロトを飲み込むと突如、天へと昇って行く。
「ば・バカな・・・」
上空へ回避したベリアルが目を見開いて驚愕すると一瞬で破壊のエネルギーに飲み込まれたのだった。
そして、一気に収縮を始めたエネルギーが臨界点を超えた瞬間、目の眩む大爆発が全ての景色を消し飛ばしたのだった。
『ここは・・・ああ・・・夢か・・・』
何もない真っ白な空間を歩いていると突然パァ~っと目の眩む光が龍徳を覆った。
『ここは・・・ああ・・・ナツミと良くデートした場所だ・・・懐かしい・・・』
海に面した公園で、宝石の様に輝く都会の灯りを見る事が好きだったナツミと毎週来ていたっけな・・・
暗闇に浮かぶ自動販売機の魔で吐く息は白い。
『フッ・・・良くホットココアを買っていたっけ・・・』
そう言ってホットココアのボタンを押して手に持つと海へと目線を戻すと闇に輝く都会の景色を幸せそうに眺めるナツミの姿があった。
「ほらっ♪」
そう言って龍徳がホットココアをナツミに差し出すと
「ありがとう~♪ フフ♪ 幸せ~♪」
冷えた身体を温める様にホットココアを飲みだすナツミの姿を嬉しそうに見つめてしまう。
「もぅ~!何で龍徳さんは、いつも私を見て笑うのよぉ~!!」
「いや・・・ナツミを見ていると幸せな気持ちになるんだ。」
「ふ~ん・・・だったら~・・・エイッ!」
そう言って龍徳の腕を取ってしがみ付く。
「この方がもっと幸せでしょう♪」
「ああ・・・そうだな♪」
そして、景色が変わる。
『ここは・・・ああ・・・結婚指輪を買いに来た時だ・・・』
金はあるから好きな指輪を買おうと言ったのに真面目なナツミの性格上、あ~でもない、こ~でもないとさんざん悩んだ結果、最初に俺が指さした指輪に決まったんだったっけ・・・
「あれだけ悩んで結局、最初に選んだのにしたのか?」
「うん♪ だって龍徳さんが選んでくれたやつが一番良いと思って♪」
「やれやれ・・・でも・・・これが、夫婦の絆の一つとなると思うと感慨深いな。」
「だよね~♪ これからは、この指輪が私の分身だと思ってよね♪」
「ああ♪ 肌身離さず身に付けておくよ♪」
「う~ん・・・それも嬉しいけど~・・・水もの触る時や寝る前は外した方が良いってよ~?」
「そうなのか?」
「うん。あっ!そうだ!」
「どうした急に?」
「エヘヘヘヘ~♪ジャジャン!ここでクイズ~!!」
「・・・はいはい・・・。」
「貴方にとって結婚指輪とはどう言うものですか?」
「はぁ~・・・」




