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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!290

龍徳はと言うと回復に時間が掛かり過ぎた事で、激痛により意識を失っていた。

その間も精霊達によって回復されていくが、今すぐ動く事は出来ない。

本来であれば、命の理によって自然回復速度と魔法の効果が上がった龍徳であれば、既に回復を終えていたとしてもおかしくないのだ。

だが、アストゥーの放った言葉が、龍徳の命に怒りと憎しみを植え付けてしまっていた。

その結果、未だ回復していなかったのだが、意識を手放した龍徳がその事に気が付く事はない。



一方、魔力枯渇によって意識を失ったレイナ、ナツ、そして龍聖の3人だが、命の危険信号を無視するかのような魔力の放出によって未だ目覚めていなかった。


本来であれば、龍聖の転移ゲートで一瞬にして魔物理に作ったセーフティエリアへと移動する予定だったが、一夜明け3人が目覚めぬことで、兵士たちの警護により全住民が徒歩による移動を開始していた。


龍徳が期限と定めた日まで残り19日間。

未だ目覚めぬレイナ、ナツ、龍聖。

命の危機を乗り越え今なお回復が追い付かない龍徳。


滅びた肉体が治り、新たな進化を始めたアストゥー。

その為に魔力を注ぎ続けるシュナイダーとロンベルク。


20万人を超す商人都市パドロネの住民が、140㎞離れた魔の森への大移動に要する時間は5日間。

今までに救い出した兵士5100人だが、、いくつか残っている村や町の救出に4部隊、計1000人の兵士が別動隊として動き出す。


一足先にレイナ、ナツ、龍聖の3人を魔の森へと連れて行き安全を確保したソーマも兵士達と共に行動を開始した。

まず初めにレイベール洞窟に連れ去られた住民の解放と洗脳が解けない兵士達を拘束し、上空から小さな町と村を見付ける度に同じ事を繰り返していった。



そして、ナツ達が目覚めれば無線機で連絡が取れる為、ソーマは、住民の解放と同時に龍徳の捜索を続けていた。

「グルル・・・既に3日目・・・後探していないところは・・・」


未だ、魔力探知が反応しない為、何かしらの痕跡が無いか上空から探し続けていた。

「グルル・・・救いはレイナとナターシャ姫が目覚めた事か・・・」

当初、目覚めたレイナも龍徳の捜索に動くと言い出したが、ソーマがそれを良しとしなかった。


何故なら未だ目覚めない龍聖の傍にいる事こそ龍徳が望んでいる事だからだ。

「龍聖を頼む。」

3人は龍徳から確かに龍聖を任されたのだ。


不安に押しつぶされそうなレイナとナツに龍聖を任せ、ひたすらソーマは動き続ける。

そして、4日目・・・

龍徳が定めた期日まで残り16日となった時だった。


「グルル・・・後、探していないのは・・・」

既に死の大地の周辺は全て検索し終えた。

にも拘らず龍徳の消息が掴めなかった。


その後、死の大地から徐々に魔の森の方へとジグザクに捜索を続け次にソーマが目指すは北西部にある密林だ。


小人の国は、周囲全てを密林が覆っている。

そして、魔の森を覆うように巨大な渓谷があり川が流れている。

大昔は、魔の森を囲むように川があり魔の森を抜けたところで、1つに戻るとそのまま死の大地の途中から落ちる滝へと繋がっていた。


だが、度重なる戦によって、魔の森の南部周辺は川が堰き止められ巨大な渓谷を残すのみとなっていた。

小人の国の西部に位置する魔の森は、全てが、端まである訳ではない。

当初、ナツ達からは魔の森を抜けないとレインベールへ辿り着けないと言われていたが、それは、力のない小人の考え方によるものだった。


確かに最西部と最東部は、結界が張られている密林迄繋がっているが、魔の森の中心地点から半径65㎞程度以外は、荒野、沼地、平原が存在していた。


小人が、何故魔の森しか抜けられないと思ったかと言うと魔の森の南部にある荒野地帯は、高低差があり足場が悪い上にイモリやヤモリの様なトカゲ類の生物が多く住んでいるからだ。


同様に東部には湿地地帯があり沼も多く非常に足場が悪い。

棲息する生物も様々で、湿地帯に良く見られる生物が厄介なのだ。

さらに比較的に鳥類が多く、小さいが蛇も生息していた。


これに比べれば、魔の森の中央を抜けた方が、まだ安全だったと言うだけの事。

何故なら恐ろしい生物が生息しているとは言っても定期的にセーフティエリアが存在し、足場も悪くないからだ。

だが、一定以上の強さを身に付ければ、魔の森の中央を通るより南部エリアから西の結界に向かう方が楽である事を龍徳は気が付いた。


因みに南部の結界は、外界へと繋がっておらず、東の結界は、本来人間が辿り着けるような場所になかった為、実際に使用できるのが、西と北の結界だったと言うだけの話。


かと言っても来たの結界は試練の洞窟へと繋がっていて、小人の国の歴史上、数える程しか試練を乗り越えた者がないと聞かされていた事で、西の結界が唯一外界へ行く方法となっていただけに過ぎない。



話は逸れたが、ソーマが探そうとしている地点は、東の結界から500㎞地点。

普通に考えれば有り得ない場所の捜索なのだ。

では、何故ソーマが、そんな場所まで探そうとしているかと言えば、天を貫くほどの巨大なキノコ雲が見えたからであった。


1年前のソンメル戦で龍徳が使った禁断の魔法と同じ・・・否、それ以上の力を感じた。

全開の戦いの時でさえ爆発の余波を喰らった2人は死の大地の端から100㎞以上吹き飛ばされたのだ。


そこで、龍聖を助けた際、一番被害が大きかった場所を確認していた。

そこは、死の大地の北西部。


こちらも良ければ読んでくださいね♪

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