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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!288

■SIDE:アストゥー


「ゲハッ・・・ゼヒュ~ゼヒュ~・・・」

地を這うように二本の腕で這いずるはアストゥーの姿。

腰から下が消失し、両腕とも肘から先が無い。


「ゼヒュ~、ゼヒュ~・・・ガフッ・・・」

ガクンっと力尽きたのか動きが止まる。


『忌々しいメシアめ・・・あの状態からあの様な魔法を使ってくるとは・・・』

良く見れば胸近くまで失っている。

この状態でも生きていられるとは凄まじい化け物である事は間違いない。


『あの瞬間・・・』

そして、ビックバンに巻き込まれた瞬間を思い出す。


「この魔法は・・・マズい!!」

その瞬間、アストゥーに凄まじい高熱が襲う。

「イカン・・・転移せねば・・・」


そして、アストゥーが右腕を胸の前でたたみ指にはめた指輪に魔力を注ぐと転移し始めた。

「グアァァァ~!!」

だが、龍徳の究極の魔法はその結界ごと覆いつくした。


その結果、アストゥーは体の大半を一瞬で失い。

上半身のみが、転移されたのだった。

そして、転移した先は、新たな拠点としていたレインベール東側の死の大地の崖の中。


ここは、レインベールにいた頃から秘密裏に作られていた要塞の様な場所だ。

幻影結界により表向きは只の崖にしか見えない。

だが、中に入ると数百メートル程の巨大な空間の中に城が出来ていた。


その城にある玉座の間に転移するが、その場所には目覚めを待つロンベルクとシュナイダーのみ。

『流石にダメージを負い過ぎた・・・』

そして、またしてもズルズル、ズルズルっと身体を引きずる様に動き出し、ビネガーが入っていた繭の中へと入って行った。


『闇の力で最低限の回復をせねばなるまい・・・忌々しいメシアめ・・・許さぬ・・・許さぬぞ!! 必ず貴様を殺してくれる!!・・・流石にこの場所を見つける事は出来んだろう・・・少しの間だけ束の間の平和を噛みしめるが良い・・・次あった時が・・・貴様の最後だ・・・』

そして、アストゥーも気を失ったのだった。




その翌日、とうとう、進化を果たしたロンベルクとシュナイダーが目を覚ます。

繭から出て来て新たな自分の身体を確認するといるはずのアストゥーの姿を探すが・・・


「アストゥー様はいずこに・・・」

「ロンベルクよ!」

シュナイダーがアストゥーの魔力を感じとり、ビネガーが入っていた繭を見つめた。


「この気配は・・・アストゥー様か!!」

そして、慌てて繭に駆け寄りそっと上から中を見ると未だに四肢が無くなっているアストゥーの姿に気が付いた。

「「アストゥー様!!」」

龍徳との戦いから丸一日が経過したとは言え、殆ど治療が進んでいないところを見ると自分の命を繋ぎ止めるだけで精一杯だったようだ。


「ロンベルク!!」

バッと両手をアストゥーへと向け乍ら向かい側のロンベルクの顔を見る。

「ああ!」


同じ様にアストゥーへと両手を向けると2人の手から闇が溢れ出す。

「アストゥー様!! 今、治します!」

「何とお労しいお姿に・・・」


「クッ・・・我々が眠りについていた間に一体何が・・・」

「クソッ! ビネガーはどこに行ったのだ!!」

2人の手から溢れ出す闇のオーラがアストゥーの身体がどんどん吸収していく。


「アストゥー様をここまで苦しめた存在・・・」

「ああ・・・考えられるのは・・・」

「「メシアか!!」」


アストゥーの強さを知っている2人には、信じられない光景。

だが、それでも此処までボロボロとなった姿があり得ないと眉間にしわを寄せてしまう。


「いくら何でも・・・アストゥー様が本気であれば、ここまでになるとはどうしても思えん・・・」

「そうだな。恐らく何か卑怯な手を使われたか・・・罠にはめられたのか・・・」

「ああ。もしくは、アストゥー様が以前、仰られていたように東の封印を修復されたか・・・」


そう言ってシュナイダーはアストゥーから言われていた事を思い出す。

≪お前達が、進化する愛が余は動けん。恐らくお前達が目覚めた後、余も更なる進化の秘宝を施す事になると思うが、万が一、お前達が目覚めた時に余に何かあった場合は、東の結界の確認に向かうのだ。≫


≪既に破壊した東の結界でございますか?≫

≪うむ。進化に莫大な魔力を使う為、進化が安定するまで余は未来視を使用する事が出来ん。だが・・・妙な胸騒ぎがするのだ・・・≫


≪アストゥー様ほどのお方が胸騒ぎとは・・・ハッ・・・≫

≪ま・まさか・・・メシアが来ると!?≫

≪うむ・・・もしくは既に忍び込んでおるやもしれん。≫


≪既に・・・≫

≪では、都市全てに緊急配備を引いた方が宜しいですな。≫


≪よい。放っておけばよい。≫

≪ですが、万が一の事を考えると・・・≫

≪そうです。貴重な労働力を奪われては・・・≫


こちらも良ければ読んでくださいね♪

■「そこにいる君に逢いたくて。」を新しくアップ致しましたので、宜しければご一読ください。

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■「小さな小さな 大冒険!!」続編を開始しましたので、宜しければご一読下さい。

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文字数は少ないですが、出来る限り毎日アップしていこうと思いますので宜しくお願い致します。


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