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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!286

華やかであった人類とは違い、地中深くへと追いやられ陽の光が届かない世界で、生物が生存できない程の魔素が溢れ出す環境の中でしか生きる事を許されなかった存在が、長い時を経て辿り着いた姿。


地上に現れてからは、全ての生物を憎むその存在は、数多の種を滅ぼし続けて行った。

当然、人類を守護する為の存在であったソーマも当時、悪魔との戦争に何度も参戦した事がある。


「グルル・・・下級悪魔レッサーデーモン。上級悪魔グレーターデーモン・・・厄介なのは魔将アークデーモン以上の存在か・・・まさか、この時代に蘇るとは・・・」

昔の激選を思い返しているのかソーマの目付きが変わる。


思い返せば、中隊長クラスの敵の変身した姿は、レッサーデーモンと言った印象があった。

ただ、過去の記憶にある姿とは違っていた事で、気が付くのが遅れたのだ。

だが、先の戦いでソーマに対して敵が使用した魔法がデビルズの名を冠した魔法であった事で気が付く事が出来たのだった。


そして、魔の森の中心地点へと辿り着くが、上空からでは結界の場所がハッキリと分からない。

そこで、高度を下げていくと何かの結界を通り越す感覚があった。

「グルル・・・どうやらこの場所であっていたようだな。」


この結界は、仲間の魔力を共有して作った事で、自分達以外の存在を許さない。

そのまま、いくつかの結界を通り越すとギッチギチに詰まった街並みが見え始めた。

「フム・・・どうやら町は無事のようだな・・・」


スゥーっと飛行を続け戦闘用に新たに作った結界へと向かうとすさまじい光景がソーマの目に入った。

「グルル・・・結界があちこち破損しておる・・・どうやら凄まじい戦闘だったようだな・・・」

至る所で、地面が窪み、また捲りあがった様に盛り上がっている。


グツグツと煮え旅る様なマグマが目に入ると、その近くにレイナとナツが手を繋いで倒れている姿が目に入った。

「ナターシャ姫!レイナ!!」

地面へと降り駆け寄りすかさず二人の安否を確認する。


「グルル・・・ヒヤヒヤさせおって・・・どうやら龍聖殿と同じ魔力枯渇と言ったところか・・・」

『3人共、かなり厳しい状態かも知れんな・・・一度、龍徳と連絡を取るか・・・』

先程、死の大地の状態を目にしたが、龍徳が死んだとは思えない。


そう思って無線機を手に取り龍徳へとつなぐも連絡が取れない。

「龍徳!吾だ!!無事なら応答せんか!!」

ツーツーツー・・・


「グルル・・・あ奴が死ぬとは思えん・・・吾では回復魔法が使えん・・・仕方がない・・・パドロネに戻った方が良さそうだな・・・」

そして、2人を肩に担ぐと再び商人都市パドロネへと飛び立っていく。

『龍徳よ・・・無事でいてくれよ。』






■SIDE:龍徳

木々が生い茂る森の中、生きている事が不思議なくらい悲惨な姿の男がいた。

頭部は全て焼けただれ、四肢は全て逆に曲がっている。

着ていた服も殆どが、燃え尽き人間の生存限界を超える大火傷と身体のあちこに深い傷跡が浮かび上がっている。


「グゥ・・・うぅ・・・」

『ダメだ・・・声が出せない・・・息苦しさから判断するとどうやら肺が破れているな・・・』

姿がボロボロで見わけが付かないが、この男の正体は龍徳であった。


アストゥーへ放ったビッグバンの爆発の余波から逃れようとした時の事だ

「クッ・・・多重結界が・・・」

次々に龍徳の多重結界が紙切れの如く破られ砕け散る中、限界を超えた身体強化20倍による全力の跳躍で爆発の回避を試みる。


その結果、中心点での直撃は避けられたが、凄まじい速度で襲い来る熱風の方が、僅かに速かった。

そこで、龍徳は覚悟を決めた。


『間に合ってくれ・・・常時・・・パーフェクトヒール!!』

その瞬間、数百万度もの高熱の爆風に飲み込まれた。

否、回避行動の結果、徐々に龍徳の身体を熱風が揉み込み始めて行った。


『グアァァァ~!!』

最初に触れたのは足先。

その瞬間に足の指が蒸発した。

パーフェクトヒールによって直ぐに回復するも足首、脛、膝、太ももと次々に蒸発しては復元していく。


『ゲフッ・・・』

下腹部、腰と蒸発し胸までが蒸発。

最早地獄の苦しみ。


『し・死ぬ・・・』

いくらパーフェクトヒールとは言え、魔法の使用者本人が死んでしまえば意味がない。

いくら龍徳とは言え脳や心臓が一瞬で消えてなくなれば、死んでしまうのは当たり前の話。


その瞬間、龍徳の脳裏に龍聖の姿が過った。

≪ぱぱ・・・ボクはパパを信じているからね♪・・・だから・・・絶対に後で良い子良い子してね♪・・・≫

「ウォォォ~!!!!!!」


『死ねん!!死んでたまるかぁ~!!! ド・ドルオーラを・・・身体の内側に・・・』

通常、圧倒的なパワーであるドルオーラは身体の外でしか発動できなかったのだが、ここで、初めて自分の内側へと押しとどめる事に成功した。



こちらも良ければ読んでくださいね♪

■「そこにいる君に逢いたくて。」を新しくアップ致しましたので、宜しければご一読ください。

毎週水曜日と土曜日の朝7時に更新いたします

https://ncode.syosetu.com/n0341hc/


■「勇者撲滅! 2度目の人生はハッピーエンドで!」もアップしていますので宜しければご一読ください

https://ncode.syosetu.com/n6920gm/

火曜日と金曜日の朝7時に更新します。11月分まで予約してあります。


■「小さな小さな 大冒険!!」続編を開始しましたので、宜しければご一読下さい。

https://ncode.syosetu.com/n6880gm/

文字数は少ないですが、出来る限り毎日アップしていこうと思いますので宜しくお願い致します。


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