小さな小さな 大冒険!274
「パパの魔力だ・・・」
「これは・・・龍徳様の魔法!?」
「グルル・・・これだけ離れていて聞こえる程の魔法を使ったのか・・・」
爆発音が音速である事を考えると既に数分前の魔法である事は、分かっているが、東の門からビリビリっと魔力を含んだ振動を感じるとなると尋常な事ではない。
「部長・・・」
レイナが思い出すのは、龍徳との会話・・・
「予定通り15時になったら俺は、敵を一気に殲滅する。使う魔法は極滅級以上の魔法になるのは間違いない。」
「極滅級以上ですか?・・・でも・・・今の部長の力なら上級魔法でも倒せるのでは?」
「倒せるだろうが、問題は時間だ。」
「そこまで、急がないといけないのですか?」
「あくまで予想だがな・・・それに長引かせてしまえば、流石に全滅させる事は厳しいだろう?」
「全滅させるつもりでしたか・・・」
「まあな、どうにも嫌な予感がするからな・・・敵は一体でも減らしておいた方が良いだろう。」
「嫌な予感・・・ですか?」
「ああ。隊長格が進化の為に眠りについていると聞いたからな・・・」
「それが何か?」
「うむ・・・そうなればアストゥーは当然、警戒する必要があるだろう・・・」
「なるほど・・・術を使うものが眠りに付ける訳がありませんものね・・・って!まさか!?」
「・・・流石に他にも隊長格が残っているかもしれないし・・・他の部隊長クラスが来る可能性が高いとは思っているんだが・・・どうやら俺と奴の因縁が深そうだからな・・・」
「そう言えばそうでしたね・・・」
「それに・・・恐らく未来視をソロソロ使う頃だと思ってな・・・」
「確かに・・・予想では、最後に未来視を使ってから2週間以上経っているんですもんね・・・」
「ああ・・・ここまで、スムーズに都市を奪還出来たと言う事は、未来視が使えなかったと予想する事が出来る。」
「以前も仰っていましたね・・・」
「ああ。そうなると未来視を使用する為に莫大な魔力が必要だと仮定する事が出来る。」
「なるほど・・・要は、敵の進化に莫大な魔力が必要だったから未来視が使えなかったっと言いたいのですね?」
「そう言う事だ。だが、明日にでも隊長格が目覚めるとなれば、魔力の共有が必要なくなる可能性が高いだろうな・・・そうなると今日か明日には未来視を使って来る可能性が高いと俺は考えている。」
「た・確かに・・・そうなると・・・私達が仕入れた敵の情報が正しければ・・・」
「そうだ。俺がいる東の結界にアストゥーが現れる可能性があるって事だ・・・レイナ君たちから聞いている敵の強さで計算すると・・・最低でも中隊長クラス81倍・・・っと最初は考えていたんだがな・・・」
「あっ・・・更なる変身・・・た・確かに・・・イメージとしては、さらに数倍強くなっていました・・・」
「そうなると・・・最低でも240倍以上の強さ・・・1対1なら俺が勝つだろうが、1,000体以上魔物がいる状況で現れたら流石に厳しいと言わざるを得ない。」
「なるほど・・・でも・・・魔物を倒した後にも莫大な魔力が必要なんですよね?」
「そうだな・・・俺が魔物をどれだけ短時間で殲滅する事が出来るかがカギだろうが・・・まぁ~ついでに死の大地を吹っ飛ばす位の魔法を使うから、そう簡単に近寄る事は出来ないだろうがな♪」
「なるほど・・・でも!敵が龍聖君の様に空を飛ぶ事が出来たらどうするんですか?」
「ああ♪ それに関しては、俺達が入って来た北の結界があるから大丈夫だ。」
「どう言う事ですか?」
「なに。神から聞いたんだが、人型だと飛翔出来る最高高度が、死の大地の木の高さより低くなるように決められているそうだ。」
「そうなんですか?」
「ああ。俺も1年前のソンメルとの戦いの時に経験済みだから間違いない。」
「なるほど・・・」
「とは言っても敵の強さが未知数なのは間違いないからな・・・俺の予想を上回って来る事も計算に入れてある。」
「神谷部長の予想を上回る・・・ですか・・・」
「ああ。さっき言った敵の強さが1000倍と言う可能性もあるからな・・・その場合は、最悪、結界の修復が完全に終わらない可能性もあり得るな・・・」
「そうなんですか!?・・・その場合は・・・失敗って事・・・ですよね?」
「う~ん・・・どこまで結界を修復したかにもよるな・・・神から聞いた話だと最後の結界が、時間を40分の1にする為のものだからな・・・最悪、その結界が修復出来なくとも問題ないだろうな・・・。」
「でも・・・龍徳さんの予想を上回るって事は、戦闘も厳しいものになるんですよね?」
「・・・ふぅ~・・・そうだな。もし、アストゥーの強さが中隊長クラスの1000倍となれば、全力戦闘出来ないと厳しいのは、間違いない。」
「・・・やっぱり・・・」
「常に予想外の事が起こると考えておいた方が間違いないからな・・・だから・・・万が一俺が神級魔法を使用する事になった場合は・・・・・・・」
そう言ってレイナにいくつかの場合を想定した作戦を伝えたのだった。
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