小さな小さな 大冒険!250
すると龍聖がまたしても口を開いた。
「ほぇ~・・・転移したぁ~・・・」
ボソッと呟く様な龍聖の声に3人がピクッと反応を示す。
「「転移?」」
「グルル・・・どう言う言事だ?」
「えっとねぇ~あっちにも転移できる人がいるんだって~」
「「なっ!!」」
その言葉にナツとレイナが絶句する。
「何だと・・・龍聖殿と同じ転移の使いてがいるのか・・・」
ソーマとしては、苦い記憶でしかない。
「うん・・・ダンゴが転移したって教えてくれたもん♪」
「「「へっ?」」」
龍聖のセリフにレイナ、ナツ、ソーマの3人がコメディータッチに驚く。
「どどどど・どう言う事なの龍聖君!?」
「そ・それはつまり精霊を顕現させているという事か!?」
「で・でも顕現してはいませんわよね!?」
これは、当然の同様だろう。
何故なら精霊召喚すると言う事は、莫大な魔力を垂れ流しているのと同じ事なのだ。
魔力探知をしていなくともある程度の力量のあるの者であれば、分かってしまう程の魔力量。
「うん♪ ダンゴだけじゃないよ?マッチもゼリーもソヨもみんないるけど?」
キョトンと小首を傾げてそれが何かと言わんばかりに3人を見つめてしまう。
「だ・だって・・・龍聖君から魔力を殆ど感じないんだもの・・・」
「グルル・・・どう言う事なのだ・・・」
「私達にも分かる様に教えてもらえるかしら?」
「ほぇ?・・・ちょっと待ってねぇ~?」
そう言って何かしらモニョモニョとしていると
「えっとねぇ~ナッちゃん達は精霊の残滓って知ってる?」
「「「残滓?」」」
「うん♪」
「残滓って残りかすの様なものよね・・・精霊の残滓・・・私は知らないけど・・・」
「グルル・・・吾は精霊召喚出来んから知らんぞ!」
「わたくしも・・・それがどうしたのですか?」
「うんとねぇ~じゃ~パパが練習しろって言っていた魔法の誘導は分かるでしょう?」
「「ええ・・・それなら分かります」」
「うむ・・・それは分かるぞ」
「あれと同じ方法だって~♪ 今は精霊の国にいるけど・・・えっと・・・何だっけ?」
そう言ってまたしてもモニョモニョと何かしら動くと再び話し始めた。
「えっとね♪ 今は精霊の国から細長く精霊の残滓を僕に繋げてくれているんだって♪」
「そ・その様な事が可能なのですか!?」
「うそ・・・神谷部長から聞いてませんけど・・・」
「グルル・・・どう言う事なのだ?龍徳ならお主等に教えていてもおかしくないであろう?」
「えっとねぇ~ちょっと待ってね?」
そして、三度フンフンっと何かしらに首を振ると
「パパは知ってるけど精霊との親和性が100%超えないと厳しいんだって~ナッちゃんとレイナちゃんは、新しい精霊にしたから今は無理だって言ってたよ?」
それを聞いて納得してしまう。
「なあるほど・・・」
「そうだったんですね・・・」
「ところで、龍聖殿はその状態だと何かメリットがあるのか?」
先程から精霊達と念話でもしているのだろう。
ソーマからの質問にまたしてもフンフンと頷くと
「えっとねぇ~魔力を殆ど使わないだけで、顕現しているのと同じだからボクに何かあれば呼ばなくても来てくれるんだって♪」
「「へ・へぇ~・・・・」」
「はっ・・・と言う事は龍徳も同じと言う事か・・・」
龍聖は、簡単に言っているが、魔力を殆ど使わずに精霊を顕現させているのと変わらないのだ。
3人が呆れてしまうのも仕方がない事であった。
要するに龍聖は常に、精霊によって守られ続けているのだ。
だからこそ、6㎞も離れた敵の魔法を感知する事が出来たのだ。
「なるほどな・・・グルル・・・だが、どうするべきか・・・」
「そうですわね・・・このまま同じ様に攻め込んでは、リスクが高過ぎますわね・・・」
「う~ん・・・この街は夜に忍び込んだ方が良さそうね・・・」
そうは、言っても時刻は午後3時。
何としても大将が目覚める前にミステーロまでは、落としておきたいところ。
最大の人口を誇るミステーロを取り戻すのは、最初から2日掛かると思っていたからこそ数時間でさえ惜しいと言うのが、本音だ。
するとレイナが魔導無線機を取り出した。
「これは、龍徳さんに判断を仰ぎたいかも・・・」
「戦闘をなるべく避けると仰られていましたからね・・・その方が良いかも知れません。」
「グルル・・・吾も賛成だ。」
「了解!」
そして龍徳へ繋がるボタンをプッシュする。
ガチャ・・・
「もしもし!レイナです!」
「どうした?」
そして、事の顛末を伝えると・・・




