小さな小さな 大冒険!246
「ふむ・・・10段階で言えば、3レベルが限界って感じだな・・・後は、攻撃魔法ならクラス2までなら問題なく使用出来そうだな。」
龍徳が言ったクラス2とは、中級魔法の事だ。
様々な条件での修行を熟した事で、新たな魔法を次々に生み出した龍徳だったが、自分の魔法をナツ達から教わった表現で管理するよりクラス分けで認識した方が楽だっただけなのだ。
ナツ達から教わった魔法のクラスは、生活魔法、初級魔法、中級魔法、上級魔法、超上級魔法、極滅級魔法(極大魔法とも言う)、神級魔法と呼ばれているのだが、複数の魔法を掛け合わせたり融合させる事で、7段階で管理する事が出来ないと龍徳は考えたのだ。
ここで、魔法を軽くおさらいするが、生活魔法のイグニッションは本来“点火”の魔法で、精々ライター程の魔法だ。ところが、ライターと言えどガスの供給が大きくなれば炎の大きさは、火炎放射器のレベルまで上げる事が可能なのだ。
すると、ここで矛盾が生じてしまう。
ここで例えたガスとは当然魔力量の事なのだが、一度に使用する量と時間によって威力と継続時間が大きく変わるのだ。だからこそ火炎放射器に例えた訳だが、他の魔法と大きく異なる点がある。
初級魔法のファイアは基本20~30㎝程度の火球を指すが手元から放たれれば敵に当たって対象物を燃やす。なので、当然ファイアーバレットも一度に放たれる数が違うだけで、基本的には同じ原理だ。
そして、中級魔法のファイアーランスも同じ様な仕組みだ。
この事から生活魔法のイグニッションの威力を最大にして長時間使用した場合、中級魔法のファイアーランスよりも殺傷能力が高い事が分かった。
確かに速度が遅い事が弱点であるものの近距離戦闘であればランスよりも遥かに使い勝手が良い事になる。
もっと極端な事を言えば、龍徳最大の炎魔法であるアルテミスでさえも基本的にはファイアと同じ原理なのだ。
こうして、様々な魔法を細分化した結果、面白い事が分かって行った。
例えば、ファイアとウインドーだけでは、炎が大きくなる程度だ。
風の魔力を強めると球体状の炎が円柱状に長くなっていく。
それをウィンドカッターとファイアにする事で、フレイムカッターと言う魔法になる。
これは、敵を切り裂くと同時に裂傷部分に火が付くと言った魔法だ。
さらにファイアの中級に当たるフレイムを魔力コントロールによって威力を高めて細い炎を出しながらとウィンドの威力を高めて放出し続け使用するとフレイムソードとなる。
このフレイムソードは上級魔法に該当するが、問題はここからだ。
例えば、この魔法も魔力を注げば、注ぐほど威力が増していくのだ。
以前、ハルも使っていたが、あの時点でも超上級クラスと同等の威力だったのだ。
さらに炎系の超上級の“クリムゾン”と言う魔法であれば、発動する魔力回路が太くなる為、威力はさらに増していく事は間違いないのだが、魔法名は同じフレイムソードなのだ。その為、傍から見れば炎の色でしか違いはない。
これは、使用者のイメージによってどの魔法を同時発動しているのかによる。
何が、言いたいかと言うと同じ魔法でも威力が異なるのだ。
その為、龍徳は威力が異なる攻撃魔法を10段階で表しているに過ぎない。
イメージとして言い換えるなら一度でどれだけの魔力を消費するかで分類したっと言い換えても良いだろう。
クラス10が500万以上~
クラス9が200万~
クラス8が100万~
クラス7が50万~
クラス6が20万~
クラス5が5万~
クラス4が1万~
クラス3が2000~
クラス2が500~
クラス1が100~
と言った感じだろう。
それ以下の魔力消費量だと今の敵に通じないのだ。
だが、クラス2のファイアバレットであっても1000回分同時発動となれば、一度に消費する魔力量は、クラス7の魔法に匹敵する。
上限があるのは、同じ魔法でも魔力量を増やせば威力が変わるからだ。
言い換えれば、ファイアバレットを最大威力で1000回同時に発動すれば、クラス9に匹敵すると言い換えても良いだろう。
とは言っても、そこまで同時発動は出来ないし、もし出来たとしても炎耐性の強い敵であれば、何万発放とうが、大したダメージは与えられないからこそ元から超上級や極滅級の魔法が存在するのだ。
っとここで、いくつかの自分の魔法を探知した事で、凡そどれ位迄なら死の大地で違和感なく魔力を使えるかの目安が分かった。
「ふむ・・・クラス3が限界だが、これならどうにかなりそうだ・・・」
時刻を見ると既に午後3時。
メガヒールによって完全回復した龍徳は、認識阻害の魔法を自分に掛け東の結界を目指そうとした時、魔導無線機からレイナの声が聞こえて来たのだった。。




