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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!239

「フフ・・・確かにシャレになりませんでしたわね♪」

「お主達とだと弾き飛ばす程度であったからな・・・まさか細切れになるとは・・・」

「そう言えばそうでしたわね・・・って!ソーマ様!そんな危険な魔法だったんですね!」


「ぬぅ?・・・ち・違うぞ!ナターシャ姫よ!吾とてお主等との戦いで勘違いしていたところがあるのだぞ!?」

「フフ♪ 冗談ですわ♪」

「グルル・・・お主も質が悪いな・・・」


「クスクスクス♪ ですが、今さらながら龍徳様の修行によって強くなった事を実感させられましたわ・・・」

「そうだな・・・あ奴の言う通り、戦い方を覚えないと国ごと滅ぼしかねんな・・・」

「ええ・・・だからこそ魔法の遠隔操作を早く習得しないと・・・」


「グルル・・・そうだな。この先、強敵が現れたら強力な魔法を使うことになるであろうからな・・・」

「自分の魔法で、国が滅んだんじゃ本末転倒ですわね・・・」

「うむ・・・シャレにならんな・・・」


威力と範囲が各段に上がっている事は、今回の戦いで何となく理解する事が出来た。

因みにソーマが何度も使っていたドラゴンバレットだが、本来の威力を100分の1に調整して使用していたのだ。


これによって、通常のドラゴンバレットであっても倒せる程の実力である事は確実であった。

1年前のソーマであれば、デビルズレオンなど良くて引分けの存在。


それを容易く葬る程の強さだからこそ小人の世界で使用した場合の被害が想像に容易かったのだ。

それは、ナツも同じで、当初は身体強化以外にも魔法を試したかったのだ。

それを苦手な接近戦だけで倒してしまったのだから魔法の威力を想像する事は容易い。


「こちらナターシャ!こちらは終わりました!」

「お疲れ様! 今ゲート繋げるわね! 龍聖君・・・ナツ達終わったからお願いね♪」

「あい♪ どぉ~? ちゃんとある~?」


その会話の最中、ソーマとナツのいる場所から少し離れた場所にゲートが現れていた。

「グルル・・・そう言えば最初の位置にしかゲートが現れないんだったな・・・」

「ええ♪ 無事ゲートが現れたので、今から戻りますわね♪」


「ナターシャ姫よ・・・こ奴・・・どうするのだ?」

「取り敢えずは拘束魔導具で身動きが取れないでしょうから、このまま洞窟内に置いて行きます。」

「最初に連れてきた奴らもそうだが・・・何か手を打たんと死んでしまうのではないか?」


「ええ。ですので、介抱した兵士達に管理を任せようかと思っております。」

「なるほどな・・・魔の森の移住が落ち着けば、そっちで牢屋にでも放り込んでおけば良い訳か・・・」

「ですね♪」

そして、5㎞程離れたゲートへと戻ると龍聖達の場所へと戻って行ったのだった。






そして、龍徳はというと・・・

「はぁはぁはぁ・・・はぁ~疲れたぁ~!!」

既に登り始めてから4時間。


当初の予定であれば、全体の5分の4近くまで登っていなければならないのだが、実際には半分位であった。

理由は簡単で、兎に角、死の大地の絶壁は指を掛ける引っ掛かりが殆どなかったのだ。


その為、真っ直ぐ上に登り続ける事が出来ない場所があり、どうしても横へ横へと移動せざるを得ない場所がいくつもあったのだ。


今の龍徳の身体能力であれば片手の腕力だけで、5メートル近く一気に飛び上がる事が可能なのだが、それは指が間違いなくかかる場所があればの話だ。


本当であれば、鋭利なものを突き刺して登りたかったのだが、死の大地の絶壁が堅すぎて歯が立たなかったのだった。

これは、登る前に実証済みだからこそ指の力だけで身体を支える必要があるのだが、それにしても、兎に角ジグザグに登らざるを得なくなってしまい今に至る。

現在、標高1000メートル程の位置にいるが、時間は既に12時を過ぎている。


「魔法使いてぇ~・・・」

そう言って腰にある水筒袋を取るとグビグビと飲み始めた。


「プハァ~!生き返る~!!」

そして上を見上げて大きくため息を吐いた。


「ハァ~・・・舌から見えた黒い部分が凹みだと思ったのに・・・色が違うだけとはな・・・」

そう・・・当初の予定では、少し黒くなっている部分がしたから辛うじて見えたので、ここに少し窪みがあると考えていたのだ。


体の半分でも乗せられる場所があれば、休憩を取る事も出来ると考えて登ったのだが、近くまで来た事で、絶壁の色が違うだけだと気が付いたのだった。


「兎に角登らん事には始まらんな・・・」

そう言って、再びジグザグに指がかかりそうな岩肌を探して登り始めて行く。

そして、先程話した色の違う部分に差し掛かった時だった。


龍徳が、微かに出っ張った部分に指を掛けた瞬間、その部分が砕けたのだ。

「なっ・・・」

ここに来ての痛恨のミス。



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