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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!232

これは、人間の大きさに例えれば、最初に放ったバレットの大きさが、直径2㎜程度の小石が超高速で身体を穿ったようなもので、ランスに至っては、直径4㎝程度の針が身体を貫通したようなもの。

そんなものが、何百何全と身体を貫通したり突き刺さった瞬間に雷を放たれたら一溜りもないだろう。


実際、ザンギエフの身体の筋肉はズタズタで、内臓損傷の上、身体中の骨が粉砕されていたのだ。

「ウゲ・・・グロすぎる・・・」

っと近づいた事で、ぼろ雑巾となったザンギエフの身体を目にしたレイナがテラヒールを掛けて傷を治療した後、拘束魔導具でザンギエフを無力化すると無線機でナツを呼び出した。


「終わったわよぉ~!」

「随分時間がかかりましたわね?」

「えっと・・・ちょっと練習させて貰ったから・・・」


「まぁ・・・それで、敵の実力はどうでしたか?」

「そうね・・・イメージとしては一年前に陰邪石で変身した敵と同じ位かそれより少し強かったかも・・・」

「やはり、そこまでの強敵でしたか・・・」


っとここで、レイナとナツの会話に矛盾が発生する。

これは、現在の自分の強さをハッキリと理解できていないナツにはどうしようもないのだろう。


「えっと・・・ナツも戦えば分かると思うけどハッキリ言ってメチャクチャ弱かったわよ?」

「陰邪石を使って変身した魔物が弱い?・・・ですか?」

「うん・・・詳しくはそっちに行ってから話すから龍聖君に言ってゲートを繋げて貰えるかしら?」


そして、当初危惧していたザンギエフの魔力が無くなった事に気が付いていないのか当初の位置からナタリーが動いていない事を聞かされナタリーがいるとされる武器製造工場の少し前で、レイナと合流したナツ達は、レイナから先程の戦いの話を聞くとソーマとナツが思案し始めたのだった。


「グルル・・・そこまでとはな・・・何となく感じてはおったが・・・」

「ええ・・・変身後に会話が出来ていて魔法まで使って来たとなると以前なら強敵でしたのに・・・」

「これは私からの提案だけど・・・2人共早めに今の自分の強さを理解した方が良いわね・・・」


「確かにな・・・とは言っても吾は龍徳との修行である程度は分かっておったが・・・あ奴が強過ぎるから常に全力戦闘であったからな・・・それを考えるとスプラッターになりかねん・・・」

「気持ち悪い事言わないでよ! そうならない様に話したんだからね!」


「う・うむ・・・吾も力加減を練習する必要がありそうだ。それよりも問題はナターシャ姫であろうな・・・」

「ええ・・・私は今の自分の強さが全く分かりませんわね・・・」


「今のナツなら私と大して変わらないはずよ! ナツだって龍徳さんから精霊融合を受けたんでしょう?」

「そうですわね・・・ですが、そこまで強くなるとは思いもしませんでした・・・」

これは、小人の国に向かう前に無人島で修行した時の事・・・




「ナツ・・・これから行うのは精霊同士を融合させると言ったものだ・・・」

「精霊を融合させる?」

「そうだ。精霊がどの様に進化を遂げるか・・・ナツは考えた事はあるかい?」


「精霊の進化・・・それは、契約者の力量が上がる度に小精霊が中精霊へと進化する様なものでは?」

「確かに間違っていない・・・他にはどうだ?」


「他ですか?・・・それであれば、下位の精霊が上級精霊へと進化すると言った事でしょうか?」

「そうだな♪ では、どうすれば、上級精霊へと進化するのか・・・その条件は?」

「それは、火、水、風、土の精霊が大精霊へと進化して力量を一定以上に高める事で・・・あっ・・・」

「どうした?」

「そ・そう言えば・・・龍徳様の精霊は未だに下位の大精霊・・・」


「そうだな・・・」

「それでは・・・条件が違うのですか?」

「否・・・契約者が望めば間違いなく進化するな。」


「龍徳様の精霊達が進化しないはずないわ・・・そもそもイフリートなど大精霊中の大精霊・・・」

「そう・・・そこが、俺も引っ掛かった点だ。最初は俺の精霊達が才能がないのかと思ったんだがな・・・」


「どう言う事なのですか? 元から大精霊であったイフリートが未だに大精霊のまま・・・有り得ない・・・そう言えば契約者が望めばって・・・」

「ああ・・・途中で気が付いたから俺は敢えて進化させなかっただけだな♪」


「なんで・・・間違いなく上位精霊の方が強いのに・・・」

「ああ・・・俺も最初はそう思っていたんだけどな・・・ナツ・・・」

「はい・・・」


「大精霊の後、精霊が何に進化するか分かるよな?」

「はい。それは、私も含めてですが、精霊王へと進化します。龍徳様の精霊達も同じですわよね?」

「ああそうだ。 では、精霊王の次は?」


「精霊王の次? そんな精霊がいるのですか?」

「いる・・・」

「そんな・・・ですが、そんな話など聞いた事がありませんわ・・・」



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