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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!231

猫かの動物特有な動きで、レイナから間合いを取って警戒する。

「自然回復速度が向上したからさっきのダメージも殆ど消えたわね・・・なるほど・・・これは、もっと試せるなら試した方が良いかも知れないわね・・・」


「馬鹿な・・・バカな!バカな!バカなぁ~!! 貴様!!今何をした~!!」

「はぁ~? 何言ってんの?身体強化であんたの攻撃を防いだだけでしょう?」

「ふざけるな!! そんな事が出来る訳がないだろうが~!!」


「あっそ!どうでも良いけど・・・もう少し私の実験に付き合ってもらうわよ!!」

そう言って今度はレイナが大地を蹴って一気にザンギエフへと跳躍するとそのまま眉間に蹴りを叩き込む。


「グアッ・・・」

ドゴンっと頭が吹き飛ぶが四肢は辛うじて地面を掴む。

「流石に吹き飛ばないわね・・・でも!」


そう言ってザンギエフの鼻先で跳躍すると今度は背中へと膝蹴りを叩き込む。

「グッ・・・小癪なぁ~!!」

「やっぱり身体はダメージが入り難いかぁ~」


そして、先程の位置へと跳躍して何かを考え始めるレイナ。

「ガルルルル・・・まさか俺が奥の手を使うとはな・・・ハァ~ッ!!」

すると豹の姿となったザンギエフの前足がオーラを纏い始めた。


「死ね!! 双爪斬!!」

そう言って両足を前でクロスさせて放つと爪の先から3本ずつの真空波がレイナを襲う。

「これは試した方が良いわよね・・・はぁ~!!防御結界・・・全開!!」


ザンギエフの放った真空波を身体の前で両手をクロスさせて受け止めた。

「クッ・・・」

「バカめ!俺の全力の双爪斬が防げるわけがないだろうが!! そのまま切り裂かれて死ね~!!」


すると真空波を受け止めていたレイナの口元が微かに笑う。

「フフ・・・」

「な・・・ま・まさか・・・」


敵の攻撃を受け止めていたレイナの交差した腕がザンギエフの真空波を吹き飛ばす様に薙ぎ払う。

「そ・そんな馬鹿な・・・」

そこには無傷なレイナの姿があった。


「今の私の強さが大体分かったわね・・・さて・・・そろそろ終わりにしないと・・・ついでだから魔法の威力も試させて貰った方が良いわよね・・・」

そう言って、ここで初めて精霊を呼び出した。


「来なさい!光水の大精霊!! 水龍王!! それと!黒雷の大精霊!! 夜叉王!!」

今までのレイナの精霊の名前が違う・・・それを当然の如く召喚するレイナの前にパァ~っと光が溢れ出すと2体の大精霊が姿を現した。


『待たせたなレイナ! 俺がいなかったから寂しかったのかい?』

「煩い!キモイから喋るな!」


『及び下さり感謝いたしますレイナ様! 我が力、存分にお使いください!!』

「私の練習に付き合いなさい!」

今までのレイナの大精霊と違い格が一段階上がったかのような神々しさがある。


水龍王と呼ばれた大精霊は王冠と光り輝く衣に水が生き物のように巻き付いている。

そして、夜叉王と呼ばれた大精霊は、青みがかった衣に黒い雷を纏っている。


「な・何だ・・・その精霊は・・・」

「悪いけど説明話よ!先ずは・・・水龍王から行くわよ!」

『おう!』


「シャイニングウオーターバレット!!」

人差し指をザンギエフに向けると指先が光り輝き弾丸の様な何かが射出されるが、目で追う事が出来ない速さだった。


「ガハッ!!」

「まだまだ~!!」

同じ魔法を次々に狙いを変えて叩き込む。


どうやら光の弾丸の周囲を超高速で水が螺旋を描いているようだ。

大きさは、一つ一つが10㎝程度しかないが、次々に敵の身体を穿って行く。


「次は、夜叉王の・・・」

そう言って今度は左手の指をザンギエフへと向けて

「ダークサンダーバレット!!」


すると漆黒の弾丸から雷を纏った魔法が射出される。

こちらも凄まじい速度で次々にザンギエフを穿ち着弾する度に感電した様に硬直を繰り返していた。


「なるほど・・・水龍王は貫通力が半端ないわね・・・そして、夜叉王は雷を纏ったレールガンって感じかしら・・・」

「ガ・ガハッ・・・」

見れば、ザンギエフの身体には数100発程の出血点が見える。


「さてと・・・次は何にしようかしら・・・」

そう言って次々に魔法を試していく


「シャイニングウオーターランス!!

ダークサンダーランス!!」

これは、力の理を使用した魔法なのだろう。


直径2メートル程の槍の形をした何千もの魔法が、一斉にザンギエフの身体を襲う。

「ギャァァァ~!!」

っと断末魔が響き渡るとザンギエフの身体が元の姿へと戻って行った。


「あれ・・・終わっちゃったの?・・・死なない様に急所は外したのに・・・」

呆気ない幕切れに物足りない様子のレイナだったが、これは当然の結果なのだ。



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