小さな小さな 大冒険!228
「話は決まったわね・・・先ずは出来る限り兵士の洗脳を解いて行き、早い段階で5人の敵の討伐。残存兵へのアプローチが厳しくなったら龍聖君の転移で豹王ナタリーとザンギエフの2人を転移させて結界の中でソーマとナツが倒す。その間に私と龍聖君、さらに正気に戻った兵士達で、残りのアルマの兵士たちの洗脳を解いて行くって感じね・・・」
「そうですわね・・・それでは参りましょう!」
「最初は、兵士達から聞いた通りの場所で良いんだよな?」
「ええ。先ずは練兵場にいるとされる600人を正気に戻すと同時に2人の敵を倒します!」
「その次が闘技場の600人と3人の敵ね。」
「グルル・・・警らに当たっている300人の兵士が問題だが、先に1700名の兵士の洗脳を解けばどうにでもなるであろうな・・・」
「ええ。先程救出した500名の兵士達には、作戦を伝えてありますので、砦から逃がす事はないでしょう。」
「何にしても2人の中ボスキャラが来ない内に行かないとね!」
「グルル・・・人数が多いから龍聖殿に頼るしかないが・・・レイナ一人で本当に大丈夫なのか?」
「任せなさい!」
「うむ・・・では、アルケミー同様に吾とナターシャ姫で2人の敵を倒すって事で良いな。」
「ええ。必ず倒して見せます!」
そして、アルマの中隊長達と一緒に兵士の練兵場へと向かうと2人の敵に距離を詰めたソーマとナツが攻撃を開始する。
それと同時に練兵中の兵士たちの足元に次々にゲートが展開する度、凄まじい勢いで兵士が姿を消していった。
その出口は北の結界の死の大地の洞窟の中。
上空10メートルの位置から次々に兵士たちが落ちていくところを、一足先に洞窟で待ち構えていたレイナがエリアヒールで兵士達を次々に正気に戻していった。
アルマの中隊長と兵士を数人連れて行った事で、正気を取り戻していく兵士達に状況を説明させ始めたのだった。
そして、アルケミーで要領を得たソーマとナツは、何の問題もなく2人の敵を屠ったのだった。
そして、練兵場にいた全ての兵士を洞窟へと転移させた後、龍聖達も死の大地の洞窟へと転移して残りの作業を行っていった。
「はぁはぁはぁ・・・はぁ~疲れたぁ~」
流石に一人で500人近くの兵士にエリアヒールをかけ続けたレイナが悲鳴を上げる。
「グルル・・・お主もかなり化け物の領域に入っておるな・・・」
それもそのはず、龍聖もだが、レイナが使用しているヒールはエリアメガヒールなのだ。
しかも、ナツ同様に精霊を強化する為に現在は、同時に光と水のヒールを同時に使用しているのだから魔力の消費は尋常ではなかった。
通常のエリアメガヒール一回で使用する魔力消費量は、5万。2属性なので、1階使用する毎に10万もの魔力を消費するのだ。
正確にはエリアヒールの範囲によって消費する魔力量が異なるのだが、レイナが使用した範囲は龍聖がゲートから兵士達を落としてきた範囲だったので、平均5万だったのだが、それを10人毎に使用したのだ。
だが、ヒールは使用する時間によって消費する魔力量が比例する。
ヒール自体を発動させるだけなら魔力は50もあれば発動するが、しっかり治療するとなると500~1000もの魔力を消費するのだ。
それが、メガヒールとなれば、単純に10倍。
今回は、かなり強い洗脳を解く為と兵士達が、戦闘不能となる高さから落としている為、通常の治療としても一定時間はメガヒールを発動し続ける必要があった。
そうなると2属性のメガヒールで、50万もの馬鹿げた魔力を消費したのだ。
魔力の自然回復速度が尋常ではない龍聖にとっては大した事がないが、レイナにとっては洒落にならない魔力量だ。
それを龍聖が次々に兵士達をゲートで飛ばす度にメガヒールを並行して使用したからこそ一気に魔力が減って行くのは当然なのだ。
現在のレイナの魔力回復速度は285万/分であるからこそ魔力枯渇の状態にならなかっただけで、実際にレイナが使用した魔力量は2500万以上に上ったのだった。
それでも7分程で魔力が完全回復するのだからソーマが冷やかした理由もわかるだろう。
「さてと・・・魔力も完全回復したし、次行くわよ!」
「グルル・・・試練の洞窟でのパワーアップの恩恵がハッキリ分かるな・・・」
「そうですわね・・・龍徳様から教えて頂いたから何となく分かってはいましたけど・・・」
「なによぉ~!あんた達だって同じ様なもんなんだからね!」
「グルル・・・悪口ではないから許せ!」
「ええ・・・レイナのお陰で実感したって事ですから♪」
「まぁ~そうよね・・・以前だったら不可能だったもん・・・」
第三の試練で全力戦闘したとは言え、今まで身に付いた戦闘方法を急には変えられなかったようだ。
その為、自分の魔力枯渇を恐れて慎重に戦ってしまい負けたのだ。
だが、今のレイナの姿を見て、戦闘方法を大きく帰る必要があると気が付けたのだった。




