小さな小さな 大冒険!221
「馬鹿な事を言ってはいけません。これからの戦いに貴方方一人一人の力が必要なのです。それよりも貴方が知っている事を全て教えなさい。私達は、アストゥーを倒す為に戻って来たのですから・・・」
そして、兵士達から全ての情報を聞き出すとナツと共に一緒に戦うと言い出した兵士達に説明して元の場所へと配置させ直したのだった。
その後、南門の兵士たちの詰め所を襲い同じ方法で洗脳を解くと連れてきた兵士達に事の顛末の説明を任せ予備の兵士の服に着替え次々と兵士たちの洗脳を説いたのだった。
「この服であれば、そう簡単にはバレませんね・・・」
「ですわね。」
「グルル・・・だが、龍聖殿はどうするのだ?」
「龍聖君はこのままで良いでしょう?」
「何故だ?」
「あんたは既に認識しているから分からないでしょうけどね・・・」
「クスクス♪龍聖君は今まで全ての兵士たちに認識されていないんですよ♪」
「なぬ? そ・そうなのか?」
「クスクス♪だって龍聖君がゲートを使った時でさえナツの顔を見て驚いていたのよ?」
「そうですわね・・・まさか、ここまで認識阻害の効果が高いとは・・・流石は龍徳様のご子息だけの事はありますわね♪」
「フフ♪ ナッちゃんに褒められたぁ~♪」
「クスクス♪ 龍聖君は本当にお父さんに似て天才だよねぇ~♪」
「へへ♪ レイナちゃんにも褒められたぁ~♪ わ~い♪」
「コホン!次はどうするのだ?」
「ハハ♪ ソーマったら気が付かないもんだから話をすり替えて♪」
「バ・馬鹿者!今はそんな小さい事など気にしている場合では無かろう!」
「はいはい♪ そう言う事にしておきましょうね♪ でも・・・次は、北門から労働として使わされている民を救う方が良さそうね。」
「グルル・・・だが、北門の外に出た民を救うとなると戦闘は避けられんぞ?」
「馬鹿ね!それは後に決まっているでしょう?」
「そうですわね・・・先ずは、このアルケミーを救う方が先ですわね。」
「う・うむ・・・吾もそう思っていたぞ!」
「はいはい。先ずは、兵士達から聞いた通りアルケミーの兵士全員の洗脳を解いた後に、この街にいる敵を倒した方が良いでしょうね。」
「グルル・・・今この街の兵士の数は500人との事であったな。」
「ええ。現在、門兵全員の洗脳が解き終わったから残りは380人のはず・・・で良いのよね?」
そう言って兵士の一人に声を掛けた。
「はっ!それで間違いありません。」
「グルル・・・その内の300名は練兵場だったな・・・後は、街の警らをしていると・・・」
「カール中隊長でしたわね?」
そう言って今度はナツが兵士に声を掛ける。
「はっ!」
「貴方が先導してくれればより早くこの街を取り戻す事が出来ます。」
「はっ!お任せください女王様!」
「フム・・・では、先に練兵場の兵達の洗脳を纏めて解除するって事だな?」
「ええ・・・ですが、そこに敵の反応が二つある事を考えると・・・」
「敵の反応は全部で5つ・・・一人も逃す訳にはいかないわね・・・かと言って魔力を使ったら・・・」
「グルル・・・それは吾が対応するしかないであろうな・・・」
「そうですわね・・・純粋な肉弾戦となれば今のソーマ様にお任せするしかなさそうです・・・」
そんなナツ達の遣り取りを不思議そうな顔で眺めている龍聖の姿がある。
『ナッちゃん達・・・何であんなに悩んでいるの?』
『バカだなぁ~龍聖! そんなの魔力を使ったら敵にバレるからに決まってるだろう?』
『ふ~ん・・・でも、この街を結界で覆っちゃえば魔力が漏れる心配なんかないのにね♪』
『お・おお・・・そう言えばそうだな・・・やるじゃねえか龍聖!』
『エヘヘ♪マッチに褒められたぁ~♪』
『ですたら龍聖様からご提案されてはいかがですか?』
『ソヨの言う通りだよ! 私もそう思うよ?』
っと2体の精霊が龍聖に話しかけるが
『う~ん・・・でも・・・パパが、レイナちゃん達が困ったら力を貸してあげなさいって言ってたの・・・』
『う~ん・・・龍聖のパパさんの言葉か・・・じゃ~余計な事をしない方が良いかもな・・・』
『そうですわね・・・メシアの言葉であれば・・・私達が余計な事をする訳には行きませんわね・・・』
そんな遣り取りを龍聖達がしていた事など知る由もない3人だったが、どうやら一つの作戦に決まったようだ。
「先ずは、私達4人で敵の中ボスと思われる2人を拘束。それが失敗した場合は、龍聖君のゲートで北の結界へと誘いこんでから拘束。」
「そうですわね・・・あの場所なら魔法を使用しても大丈夫だと龍徳様が仰られていましたから」
「グルル・・・その後、練兵場の兵士300人の洗脳を説いてから町にいる兵士80名の洗脳を解く・・・で良いんだな?」




