小さな小さな 大冒険!! 22
筆者の神龍です♪
一つの小説を書いている間に他の小説を書きたくなってしまったので、新しくアップさせて頂きました。
もし面白かったら読んでくださいね♪
毎週月曜日と木曜日の朝7時に更新します。
恐る恐る目線を下げると羊羹が少しだけ浮いていて、その下に小人の影があったのを見たらしい。
今度は、ハッキリと見た事で、友達に話す為に目を逸らした一瞬で羊羹を持った小人の姿が消えていたとの事だった。
「へぇ~♪ レイナも面白い経験をしているんだな♪ それは、凄いな♪」
「信じてくれるんですか?」
「あぁ♪ 当然だろう?」
「でも・・・一緒にいた友達は誰も見ていないって・・・だから・・・私の勘違いなのかなぁ~って思っていたんですけど・・・。」
「他人は関係ないな♪ そうか♪ もし、小人に会える事になったらレイナは会ってみたいか?」
「小人にですか?えぇ~っと・・・怖いような気もするけど・・・でも・・・会えるんだったら会ってみたいかな♪」
レイナの言葉を聞いた龍徳は、嬉しそうに
「そうか♪ 会ってみたいか♪ じゃ~・・・会ってみるか?」
龍徳が何か大事なものを両手で包み込むようにテーブルの上に置いた。
「本当ですか♪ やった~♪・・・って!子供じゃないんですからね! 流石に私だって騙されません・・・? 騙され・・・へっ?」
龍徳がゆっくりと手を放していくと徐々に何かのシルエットが見え始めた。
「び・ビックリした~♪ もう~部長ったら~! 人形じゃないですか~! ちょっと騙されましたよ~♪ それにしても小さいのに良く出来ている人形ですねぇ~・・・? 良く出来て・・・? えぇぇぇぇ~!!」
4cm位の人形が手を伸ばしたレイナの指に触れた。
「初めまして・・・私はハル♪ 宜しくね♪」
「ワシはアキと申す! 龍徳殿には大変お世話になっております。」
「私はナツですわ♪ これからも仲良くして下さると嬉しいのですが・・・。」
返事もなく固まっているレイナの横に移動し頭を叩いた。
「こら! 皆が挨拶しているのにお前はどうした!」
注意したにも拘わらず未だに目を見開いて固まっているレイナ。
「あれ・・・? ちょっと刺激が強過ぎたか? お~い! レイナ君~! 大丈夫か~?」
ピクリとも反応しないので流石に心配し始めた。
「あれ!マジか!息しれない・・・レイナ!」
口元に手を当てても空気が当たる感覚がない。
慌てた俺ハーレルナに悪いと思ったが心臓に耳を当てた。
「心臓は・・・動いているな・・・もしかして・・・呼吸が出来ないのか?」
少なからず俺に好意を持っているんだから・・・怒られる事はないか?
そして、意を決して人工呼吸をしてあげたらレイナの意識が戻り始めた。
(・・・・ん・・・? 部長だ~♪ って!近っ! うぅ・・・ドキドキする~ 何しているんだろう・・・!? へっ? キ・・・キスしてるの?・・・ハヒィ~・・・何で?何で?何で~??? これは・・・役得♪ 部長が心配してるけど・・・もう少しこのまま・・・はぁ~幸せ・・・んん・・・もっと・・・もっと~♪)
「おかしいな・・・意識が戻ったと思ったんだが・・・もう一回!」
するとレイナはスルスルっと両手を龍徳の背中に回し頭を抑え込むと興奮した様に龍徳に襲い掛かった。
「はぁ~部長♪ もっと~ んん・・・はぁ・・・んん・・・もっと激しく~♪」
「むぐぅ・・・放しなさい・・・むぐぅ・・・レイナ・・・むぐぅ・・・こら!・・・むぐぅ・・・離れろ!・・・むぐぅ・・・」
(凄い力だ・・・こいつは~!)
するとレイナの頭に手刀を叩き込まれた。
「痛~ぁい~・・・何するんですか~!」
「何するは!こっちのセリフだ!」
「・・・あれ? どうしたんですか部長? 痛たたたた・・・。」
「正気に戻ったか?」
「ハーレル? 何してたんでしたっけ?」
コイツ・・・ショックで記憶が飛んでやがる。
これは・・・ショック療法しかないな。
「お前は、これを見て気を失っていたんだよ!」
そう言ってレイナの前に小人達を見せつけた。
「ハハハ♪ やだな~♪ 部長~♪ 私だってそれが偽物だって事位分かりますよ~♪」
「ちょっと待て! この件は、さっきもやったな・・・。良く見てみろ! どう見ても本物の小人だろうが!」
するとレイナは目線を下げてマジマジとハル達を見つめていた。
「ナハハハハ♪ 小人がいる♪ わ~い♪ 本物だ~・・・バタン」
「やれやれ・・・また・・・気を失いやがった・・・。」
それを3度繰り返した後、やっとの事で、事実を認める事が出来たレイナが、三人に挨拶するとやっと本題へと話が変わっていった。
そして、小人が大きくなれる事。
お世話になっている皆に社会見学に連れて行きたい事。
今の服装では目立つので、洋服を購入を頼みたい事などを説明したのだった。
「・・・って事だ!」
「なるほど・・・分かりました♪ 私!皆さんのお手伝いをさせて頂きますよ♪」
「助かるよ♪ 流石に俺一人で女性の洋服を買うのは気が引けたからね♪」
「良いんです♪ でも・・・部長も一緒じゃないと嫌ですからね♪」
「あぁ♪ 当然だろう? これで、お前の念願のデートが叶ったな♪」
「うっ・・・なぜ・・・分かったんですか?」
タラ~っと汗が落ちると
「顔に書いてある!」
綺麗に化粧をしているにも拘わらずゴシゴシと自分の顔を擦り出した。
コイツ・・・本当に面白れぇ~♪
「さてと!これで、レイナは俺の秘密を共有する唯一の存在となった訳だが・・・俺達には・・・まだ秘密がある」
「えっ?まだあるんですか?」
「あぁ♪ もしかしたら・・・小人の事より驚くかもな♪」
「うっ・・・倒れない自信がありません・・・。」
「そんな事を言うなよ♪ 興味があるだろう?」
「興味はありますが・・・正直・・・お腹いっぱいかな~♪・・・なんて・・・言ってみたりして~♪」
「ハッハッハ♪食わず嫌いは良くないぞ♪ 最後まで付き合え!」
「はい・・・。」
冷酷な部長が一瞬出た!
「それとな・・・小人の話と今から伝える内容はセットみたいなものだ・・・。今話さなかったとしても直ぐに分かる事だ。だったら・・・早い方が良いだろう?」
「それは・・・そうなんですけど・・・。心の準備が・・・。」
「だから・・・以前話をしただろう? レイナの想像以上の事だ!間違いなく驚く! だから中途半端な気持ちだったら来ないで欲しいって!」
「はい・・・。言われました・・・。」
「覚悟を決めておけ!とも言ったよな?」
「はい・・・。言われました・・・。」
「信用するとも言ったよな?」
あっ!そうだった・・・。
「分かりました! もう大丈夫です!」
「ふぅ・・・良かった♪ 本当にレイナだけが頼りなんだ♪」
「私が・・・頼り・・・ですか?」
「あぁ♪ お前しかいないな♪」
「私しか・・・他には・・・?」
「いない! レイナしか話すつもりはなかったな・・・。」
「はぅ!」
□ □ □ □
鈴木レイナの脳ミソ内・・・
「全員集合~!」
「聞きましたか!」
「「「「聞きました~♪」」」」
「神谷部長には私しかいないそうです!」
「「「「でかした~♪」」」」
「これは・・・もう・・・恋人以上の関係と言っても過言ではありません!」
「私もそう思うわ♪」
「僕もそう思うよ♪」
「これはいける!」
「異議あり!」
「異議だと? 今の部長との会話を聞いていたんですか?」
「「「そうだ!そうだ~!」」」
「貴方達は都合の良い耳をしているからダメなんですよ!」
「どう言う事なの?」
「良いですか!神谷部長は、あくまでも秘密の共有に関してのみ我々を“頼っている”のです!」
「だったら親密な関係になるんじゃないの?」
「甘い! チョコレートより甘い! もし、小人がいなくなったらどうなんでしょうね?」
「小人がいなくなったら?・・・それは・・・」
「そうです!神谷部長との秘密が無くなると言う事ですよ!」
「「「「なに~!」」」」
「ですが! より親密になる大チャンスには変わりありません!」
「「「「おぉぉぉぉぉぉ~~!」」」」
「相手は、数百万人に一人・・・否!数千万人に一人いるかどうかの神谷部長です!」
「確かに・・・天才だし♪」
「カッコいいし♪」
「強いし♪」
「カリスマだし♪」
「そうです!相手は、自分を凡人だと思っている節のある超天才!私達が考える事の遥か上空にいるんです」
「確かに・・・」
「そうね・・・」
「まさか本当に・・・」
「小人が存在するなんて・・・」
「予想外の事などむしろ当たり前の覚悟が必要よ!」
「そ・・・そうね!」
「その調子! そして、何としても他の女性に入り込む余地が無い程、懐深く潜り込み“鈴木レイナ”を刻み込むのです!」
「「「「おぉぉぉぉぉぉ~~!」」」」
「覚悟を決めて徹底的に部長に近づくのよ!」
「分かった! 私・・・頑張るわ!」
「「「「良く言った~ 応援しているぞ~♪」」」」
□ □ □ □
「私・・・覚悟を決めました! もう・・・部長に全て付いていきます!」
「おっ・・・おぉ・・イキナリ顔付が変わったな・・・じゃ~場所を移すか♪」
今いるリビングから庭に出ると渡り廊下で離れに繋がっていた。
良く見ないと気が付かないが通常の扉とは別に5cm位の小さな入り口が付いていた。
中に入ると生活感もなくはないが、あちこちに異様な光景が広がっていた。
左奥にハーレルンガで囲まれた空間があり中を覗くと何かの練習場の様にたくさんの的や標的が並んでいる。
その左隣には鉄板で囲まれた箱が置いてあるが外からは中が見えなかった。
どちらも大きさは1m程度の大きさだった。
さらにその右隣にはミニチュアの工房のような小さな建物があり。
見渡すと古城の様なミニチュアの屋敷が置いてある。
右奥には同じような鉄板で囲まれた砂場があったり
その隣には、何か小動物でも飼っているのか物凄く小さい首輪がチェーンに繋がれている。
「ここって? ナツさん達の家って事ですか?」
「ニャハハハ♪ 龍徳さんが私達の為に造ってくれたんだ♪」
さっきも思ったけど・・・龍徳さん?くっ!私でさえまだ呼べないのに!
「そうね♪ 龍徳様には本当に感謝しかありませんわ♪」
グハッ! 龍徳様・・・私の部長の名前を呼びたいランキング第一位の龍徳様を普通に?
だ・・・だったらこの機に私だって!
「た・・・た・た・たつ・・たつ・・・たたたたた・・・部長~!」
「なんだ!たたたた、煩いな!どうした?」
「わ・私も・・・私も・・・た・た・たたたたた・たつ・・・たつ・・・」
すると部長が何故が椅子を私の前に持って来てくれた。
「立つのがきついんだったら座ってろ♪」
「ち・違うんです!」
「なんだよ? ハッキリ言え」
「その~あの~・・・」
ニヤニヤと笑いながら私の事を部長が見ている。
「もしかして・・・私が何を言いたいか分かってませんか?」
「さぁ~♪ さっぱり・・・分からん♪」
くっ!これは・・・絶対に気が付いているよ・・・。
「ほら~♪ 言いたい事があるなら早くしろよ♪」
ククッ! あの冷ややかな目・・・ゾクゾクする・・・って!そうじゃなくって~!これ・・・絶対に確信犯だ!
「じゃ~言いますよ!私も・・・た・・・たつ・・・たつ~~・・・・」
「プッ♪プハッハッハハハハ~♪ あぁ~本当にお前は飽きない奴だな♪ はぁ~腹いてぇ~♪ プッ♪ 思い出したら・・・ア~ハッハッハ~♪」
部長に豪快に笑われてしまった。
「部長~・・・そんなに笑わないで下さ~い!」
「はぁ~・・・笑った~♪ ごめん、ごめん♪ ここは、会社じゃないんだからレイナの好きな様に呼んで良いんだぞ♪」
やっぱり・・・確信犯だった!
「じゃ~た・・・龍徳様♪ きゃぁぁぁ~♪ 恥ずかしい~♪」
顔面を真っ赤にしながらプシューっと蒸気を頭から吹き出して恥ずかしがっていた。
「龍徳様? 様と来たか・・・。これは、予想外だったな・・・。」
こちらも良ければ呼んでくださいね♪
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