小さな小さな 大冒険!215
「うん♪パパがナッちゃんとレイナちゃんを護ってって♪ だからボク頑張るの♪」
「ですが・・・」
「ナツ・・・レインベールの国民を見つけ出せたとして・・・どうやって全員を非難させるつもりだ?」
「あっ・・・」
「グルル・・・なるほど・・・龍聖殿の転移があれば・・・」
「そう言う事だ・・・これは、龍聖にしか出来ない・・・龍聖は一度言った場所であれば転移する事が出来るからな・・・しかも人数制限などない・・・龍聖・・・」
「あい!」
「小人達を見付けたらこの洞窟に転移を繋げて逃がすお手伝いを頼むな♪」
「あい♪」
「部長!龍聖君は私が責任をもってお守りします!」
「ん?・・・あぁ~そうだな♪頼むよレイナ君。」
実際、龍聖の方が圧倒的に強いのだ。レイナとナツを護る事はあっても守られるような事があるとは思えないが、レイナの優しさを汲み取って返事をしたに過ぎない。
「俺の方は戦闘になる可能性が高いが、お前達の方は出来る限り戦闘を回避しなければならないんだ・・・本当ならソーマは行かせたくないんだがな・・・」
「グルル・・・敵なぞ蹴散らせば良いだろうが!」
「はぁ~・・・これだ・・・」
そう言って頭を押さえてしまう。
「あんた馬鹿ねぇ~・・・小人達を救わないといけないのに戦って敵が襲ってきたら救えなくなるかも知れないでしょうが!!」
「そう言う事だ・・・言っておくがソーマを救出に付けるのは万が一戦闘になった場合の事を考えてだからな!万が一・・・俺の龍聖を危険な目に合わせたら・・・」
「お・おぅ・・・わ・分かっておる!吾だって馬鹿ではない!慎重に行くに決まっておろうが!」
先程自分で言った言葉をなかった事にしたいらしい。
「本当だな?」
「うむ!当然であろうが!」
「フッ・・・調子の良い野郎だ・・・さて!話は決まったな。」
「はい♪ 龍徳さんと離れるのは嫌ですけど・・・確かに救出作戦の方が人手が必要ですもんね・・・」
「分かりました。一人でも多くの国民を必ず救出して見せますわ!」
「頼むぞ。俺達の勝利は救出にかかっていると言っても過言では無いからな・・・」
「「はい!」」
「グルル・・・お主の方は本当に一人で平気なのか?」
「まぁ・・・大丈夫とは言えないが・・・死の大地に恐らく国民はいないだろうしな・・・それなら俺一人の方が気楽だ・・・なんせ・・・本気で戦えるからな・・・」
そう言った瞬間、龍徳の目が変わる。
「う・うむ・・・確かに・・・」
『部長の本気か・・・そんな事になったら私達は近くにいない方が良いわね・・・』
「龍徳様! 合流は5日後って事で宜しいのですか?」
「良い質問だ・・・正確には、お前達次第って感じだろうな・・・俺は、必ず5日で、この結界迄戻って来る。」
「確かに5日間で国民を全員救出するって無理難題かも・・・情報をシッカリ入手して余程、綿密に計画を立ててイレギュラーのケースにも対応しないと・・・」
っとここでレイナがハッとした様に龍徳の顔を見つめる。
「あっ・・・だから私も救出部隊って事でしたか♪」
「そうだ。頼むぞレイナ。」
「お任せください♪ 必ず龍徳さんの想いに沿う結果を出して見せます♪」
「期待している。それと連絡方法は魔導無線機を使ってくれ。」
「「はい!」」
「グルル・・・確かにそれが良さそうだな。」
「アストゥーにはバレているんでしょうか?・・・いや・・・バレていると思った方が良いですよね・・・」
「そう言えば未来視を持っているんでしたわね・・・でも・・・そうなったら私達の事は筒抜けなのでは?」
っとレイナとナツの不安を払拭する言葉を漏らしたのは龍聖。
「それは大丈夫だってルー君が言ってたよぉ~♪」
「「ルー君!?」」
「あぁ~神様の事な♪」
「ルー君がねぇ~小人の国の結界に未来視が使えない様にしてくれるって言ってたのぉ~♪」
「そうなの?」
「うん♪」
「ですが・・・それ以前に未来視を使っていたら・・・」
「グルル・・・それは、大丈夫だ。間違いなく前回の戦いの時に未来視を使っていたであろうからな・・・」
「どう言う事ですか?」
「奴の未来視は何度でも使えるものではないのだ。」
「そうなのですか?」
「うむ・・・以前、吾が洗脳されていた時の記憶だと一度未来視を使うと次に使用するまでに2週間は開けておったからな・・・まず間違いはないであろうよ」
「なるほど・・・」
「それなら大丈夫そうですね♪ 時間は惜しいけど・・・現在15時・・・ちょっと中途半端な時間ですね・・・どうしますか神谷部長?」
「もう少し細かく計画を練りたい・・・俺達に残された時間は後、26日か・・・十分余裕があるな。ナツが焦る気持ちもわかるが、今日は動かない方が良さそうだな。決行は明日9時でどうだ?」




