小さな小さな 大冒険!210
そして、ベッドにナツを寝かしつけてリビングに戻るとレイナの姿があった。
「部長・・・部長~♪ 会いたかったですぅ~♪」
っと龍徳の胸に飛び込んだ。
「思ったより早かったな♪ お疲れさん♪」
「はい♪ 部長に逢いたくて頑張っちゃいました♪」
「クスクス♪ お腹減ってないか? 料理は作ってあるから食べるなら用意するぞ?」
「やったぁ~♪ お腹ペコペコぉ~」
「クスクス♪ 今用意してやるから手洗いとうがいを済ませておいで♪」
「はい♪」
レイナが洗面所へと入ると同時にナツが意識を取り戻し部屋から出てきた。
「どうしたキョトンとした顔して?」
「わ・私・・・どうしてベッドに?」
「ん? 何か分からんが、ナツの事を褒めていたら突然、意識を失ったから俺がベッドに寝かせたんだが・・・もう起きて大丈夫なのか?」
「そ・そうでしたか・・・申し訳ございません・・・」
そう言ってナツが小首を傾げている
『さっきのアレは・・・やっぱり夢でしたか・・・どこまでが夢だったんでしょう・・・って・・・自分で夢だと思ったところか♪ はぁ~やっぱり夢だったかぁ~・・・』
するとナツの目から涙が零れ落ちる。
「ど・どうしたナツ!? 本当に大丈夫か!?」
「あ・あれ? 何んで涙が・・・ウフフ♪ 先程の欠伸の涙が今頃でしょうか♪ ちょっと顔を洗ってまいりますね♪」
そして、洗面所の方へ歩いて行くとレイナと何かしら会話をする声が聞こえてきた。
「さて・・・2人分の食事を用意しておくか・・・」
そして、3人で談笑を楽しみながら食事と酒を嗜んで眠りにつくのだった。
翌日。
「聞こえるか龍徳!!」
っと朝の6時にソーマから無線が入る。
「ふぁぁぁ~・・・6時か・・・随分早いな・・・」
「グルル・・・お主が連絡しろと言ったからではないか!」
「そうだったな・・・そうそう!そのまま階段を3段ほど上がって振り返って上をみろ!」
「ん?階段を上がって・・・振り返る・・・そして・・・上・・・なっ!! 階層が掘られておるではないか!!」
「そりゃ~良かった・・・で?何か言って書いてある?」
「お主・・・知っておったのか?」
「当然だろう? 気が付かなかったのはお前だけだぞ?」
「グッ・・・そ・それよりも今は・・・フム・・・2と彫られておるな・・・なにぃ~!!後、たった2階だったのか!?」
「じゃ~な~!!」
「お・おいっ!」
そして、ソーマの声を無視して無線を切るのであった。
「まぁ~当然階段も全力だったんだろうからな・・・予想はしていたけど・・・本当に馬鹿だなアイツ・・・」
その後、5分と経たずにソーマが合流し騒ぎ立てるので、静かにする様に伝えたが、ソーマの煩さに全員目を覚まして起きてきた。
その後、身支度を終え食事を済ませると、神シッダー・ルー・ターキリスの話を全員に話して聞かせる。
SIDE:アストゥー
「クックック・・・クッハッハッハッハ~!! 遂に完成したぞ・・・魔王石・・・」
「おお・・・おめでとうございます!アストゥー様!!」
「シュナイダーか・・・永かった・・・だが・・・漸くこの世を我が手中に収める時が来たのだ!!」
「凄まじいエネルギーを感じますな・・・流石、禁断の秘術とされた魔王石・・・」
「ロンベルクか・・・お主には感謝する・・・良くぞレインベールの秘宝を探し出してくれたものよ・・・」
「とんでもございません。 我が悲願を成就できたのは全てアストゥー様のお陰でございます故、お役に立てたのであれば本望にございます。」
「後は、ナターシャ姫が戻ってくればアストゥー様の計画が全て成就いたしますな。」
「うむ。」
「・・・」
「ビネガー!お主もアストゥー様の功績を讃えぬか!!」
「・・・」
「クックック・・・良いのだロンベルクよ。こ奴は謂わば、人では無いからな・・・それに動きはするが、まだ意識はないのだ・・・こ奴が目覚める時が楽しみだ・・・強さだけは奴らも驚くであろうよ・・・何にしてもこ奴の進化が成功したからこその魔王石でもあるのだ・・・謂わば、お主等3人の力によって余の最高傑作が成ったのだ・・・」
「そうでございましたな・・・こ奴が目を覚ますには後1週間と言ったところでしょうか・・・」
「うむ・・・この状態であれば、その位であろうな・・・」
「クッ・・・こんな奴が私とシュナイダーよりも強いとは・・・」
「うむ。それに関してはお主等2人にも褒美を与えよう・・・」
「「褒美・・・で、ございますか?」」
「うむ。 この魔王石を作るに当たって完全では無いもののちょうど二つ出来た魔王石の劣化版とも言える魔帝石がある・・・これをお主等の褒美としよう。」
そう言ってアストゥーの持っているダイヤモンドの様な輝きを放つ八角形の宝石とは別に真っ赤に輝く同じ様宝石と黄金に輝く宝石を2人に手渡した。




