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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
205/366

小さな小さな 大冒険!205

「グルル・・・順番はどうするのだ?」

「ナツからだな、5分後にレイナ。その5分後にソーマの順だ。」

「わ・分かりました・・・」


「各自休憩する時や寝る時、何かあった時は必ず報告する事。」

「おう!」

「「分かりました!」」


「疲労もあるだろうから1時間休憩して15時になったら各自スタートしてくれ!」

そして、1時間10分後には3人共出発したのであった。


「パパ?」

「どうした龍聖?」

「ボク飽きたんだけど・・・何でずっと歩いてるのぉ~?」


「クスクス♪ そうだよねぇ~♪ こんなの飽きちゃうよねぇ~♪」

「うん! ちゃっちゃと外出ても良いのぉ~?」

「う~ん・・・出来れば龍聖君の転移ゲートは使わないで欲しいんだけど・・・龍聖君ならどうする~?」


「ん?だってこのダンジョンって前と一緒でしょう?」

「フフ♪ 流石パパの子だ♪ 大正解~♪ じゃ~その部分はどこでしょう~?」

嬉しそうに我が子を抱き上げて抱きしめながらそう言うと


「階段のところでしょう? 他は只の壁だけど・・・だから~早く階段言って魔力ビューってやろうよぉ~!」

「ハハハ♪ 大正解♪ じゃ~お片付けしてサッサとお外に行こうか♪」

「あい! お外♪ お外♪」


『我が子ながら凄まじいな・・・アイツらが気付けるかどうか・・・階層だってちゃんと書かれているだろうに・・・』

そして、コテージを収納すると階段を見て龍徳が龍聖に声を掛けた。


「そう言えば龍聖君は、ここが何回か分かるかなぁ~♪」

「えっとねぇ~・・・」

そう言って階段を少し上がると振り返って口を開いた。


「981って書いてあるよぉ~♪」

「正解♪ 流石パパの子だ~♪ 龍聖君天才♪」

「フフ~♪ パパに褒められたぁ~♪」


本来であれば、この場所はレインベール側からなので、階段はおりてくるものなのだ。

だから階段を降りる手前の天井に階層が掘られていたのだ。

龍徳と龍聖以外の3人は、急ぐあまりに一切振り返る事がなかった。


その為、現在の場所を知る事なくやみくもに進み続けている。

ダンジョンの形をしているから魔物がいると先入観を持ってしまった事で、自分達が経験した第一の試練と同じとは思わなかったのだ。


正確には階段以外の場所で魔力を込めてはいたのだが、何の変化もなかった事で、それ以上の追及をしなかった。

最初から気を張り続けていれば階段を上った時に違和感に気が付いたはずなのだ。


何故なら、このダンジョンは全部で1000階層。

現在地が981階層という事は、既に20階層昇って来た事になるのだ。


最初の5階層までは、全ての探知魔法や結界を全開で発動させていた為、どうやら10階層ほど進んだようだが、自分達の位置が分からないと3人は気が付く事が出来なかったのだ。


「さて♪ じゃ~一気に行くぞ龍聖!全開で魔力を放出しろ!!」

「あい!」

階段に昇って龍聖が全開で魔力を高めるのに合わせて龍徳も魔力を高めて放出していく。


『こ・これが今の龍聖の全力か・・・』

単純に龍徳の半分程度だが、龍聖には4属性融合魔法がある。

7歳児にして、既にソーマの倍は単純に強いのだから恐れ入る。


ここが、ダンジョン特有の場所でなければ周囲に影響を与える程の莫大な魔力。

それを一瞬で最大値を放出するのだから龍徳が呆れてしまうのは当然なのだ。


今の龍徳であれば50%の魔力を練るのは一瞬だが、全力となれば数秒のタイムラグがどうしても発生してしまう。それを龍聖は一瞬。

要するに近接戦闘であった場合、魔力の最大発現量は関係なくなってしまうと言う事だ。


魔力の自然回復速度が尋常ではない龍聖は、子供だからこその弱点があるだけで、あと8年もしたら最強の名を欲しい儘にしてしまうだろう。


階段を数歩登ったところで、振り返って魔力を注いでいるので、目の前に刻まれている階層が、凄まじい速度で変わって行く

953・・・878・・・801・・・727・・・649・・・591・・・512・・・


僅か数十秒で半分近く進んでいる。

432・・・358・・・274・・・196・・・119・・・


っとここで、階層の変化が緩やかになっていく。

「どうやら最上階まではいけなさそうだな・・・」


89・・・77・・・65・・・54・・・50・・・

「ん~・・・パパ~? もう進まないねぇ~」

「そうだね♪ じゃ~ここからは、普通に登って行こうか♪」

「あい!」


そう言って今度は全力で身体強化を発動させると二人の姿は消えていったのだった。

3時間後・・・時刻は18時。

地下1階層の最後の階段を登ると今までと同じ様な階段の間があるが、大きな扉が一つしかなかった。



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