小さな小さな 大冒険!201
「2000年前の可能性が高い・・・だが、その前はどうなんだ?」
「3000年前は、人類が人を殺める事を何とも思っておらん時代だ・・・その時代は、お主は神の使いとして人々に人間として正しい法を説いて世界を回っておったからな・・・」
「3000年前に・・・何か変な話になりそうだからこれ以上は聞かないでおく・・・だが、そうなると・・・やはり2000年前に何があったか・・・」
そう言って口元に手を当てて考え始める
『そう言えば・・・ナツミが生きていた頃に龍願寺で親父が建立した当時の話をしてくれた事があったな・・・クッ・・・ダメだ。思い出せん・・・』
「何にしてもだ・・・お主が覚醒したという事は、小人の国だけで収まる様な災いではないと言う事だけは間違いないだろうな。 幸いなことに小人化した事で、小さな災いのレベルが大きく感じ取れたからこそ覚醒が早かった可能性があるが・・・何にしてもだ・・・ドラゴンが操られているとなればそれだけで未曾有の大災害になる可能性は高いだろうな。」
これは、第三の試練で戦ったからこそ理解できてしまう。
『確かに・・・あんな化け物が現れたらシャレにならんな・・・』
先程の戦いは、試練であると分かっていた事と辺り一面が荒野であったからこそ龍徳も全力で戦えただけで、近代都市でドラゴンが現れたらとてもではないが、人々を守りながら勝てる相手ではない。
それこそ、僅か30分の戦闘だけで大都市の10や20は壊滅してしまうだろう。
「確かに・・・あの強さは、この時代にあってはならない強さだ・・・」
「うむ・・・お主の予測が万が一正しかった場合・・・操られているドラゴンは、齢5万年を超えるのディザスターになるだろう・・・その場合・・・日本など1日で陥落してしまう・・・とは言っても完全体になったらの話だがな・・・」
ルーの話によれば、死の大地の維持に存在していたドラゴンだから完全体になる事はないとの話だ。
だが、それでも古竜の実力は群を抜いているとの事だから真龍となってしまえば、尋常ではない被害が出てしまう。
これは、超高層ビルが乱立する現在だからでもある。
これが、砂漠の様な場所で出現するのであれば、そこまで被害を出さずに倒せるかも知れないが、真龍のドラゴンブレスであれば、一撃で何十もの高層ビルが倒壊してしまう。
実際、第三の試練で出てきたゾディアックと同等のサイズとなれば実際のサイズで体高25メートル全長50メートルを超える化け物だ。
そんな化け物龍が、マッハ2の速度で飛翔するだけで、どれ程の被害が出るか想像もつかない。
「考えただけでヤバいな・・・」
「うむ・・・そんなドラゴンを使って小人の国だけとはならんだろう・・・そうなるとアストゥーと名乗る者は、この世界を手中に収めようと考えていると判断してよいだろうよ」
「ああ・・・肝に銘じておくよ・・・」
「さて・・・名残惜しいが、そろそろ時間だ♪ おっと!その前に・・・お主にこれを私ておこう・・・」
そう言って神が手を翳すと何もない空間から一つのイヤリングが現れ、それを龍徳に渡した。
「これは?」
「それは、お主が今まで嫌がって付けなかった私との連絡手段の様なものだ。」
「確かにな・・・イヤリングか・・・」
10代で遊んでいた頃であれば抵抗がなかったが、今や35歳目前の一児の父親である事にどうしても抵抗を感じてしまう。
「だが・・・予想を超える出来事のようだし・・・ここは甘んじて貰っておいた方が良さそうだな・・・で?これはどうすればルーと話す事が出来るんだ?」
「簡単だ♪ お主の全魔力を注ぐたびに私とのリンクが繋がる様になっておる♪ ただし、何度でも使用できるものではないから気を付けてくれ。」
「ふむ・・・何回くらい使用したら使えなくなるんだ?」
「最低1回・・・上手く言っても3回と言ったところか・・・使用時間やイヤリング自体にダメージが入ったり・・・理由は様々だが・・・何にしても常に身に付けておいた方が良いとだけ言っておく」
「最低1回か・・・分かった。」
「こっちでもお主の記憶に関する事を調べておくが・・・私の仕組みに干渉する程の呪いっとなると・・・何にしても時間はかかるだろうな・・・」
「助かるが・・・時間がかかるってどれ位かかりそうなんだ?」
「そうだな・・・早くとも10分・・・20分は掛からないと思うが・・・」
「足った20分か?・・・否・・・そう言えば神界は下界の1000倍で時間が流れるって言っていたな・・・そうなると1週間から2週間って事か・・・」
「そう言う事だ・・・」
「なるほど・・・神が頻繁に人間に関与出来ないってそう言う事でもあるって事か・・・」
「・・・人類が進化すればするほど神界との時間の流れが変わって行くからな・・・今では、人間界の1日等90秒もかからん・・・本当にあっと言う間に人間の世界が変わって行くようになったよ・・・」
そう話すルーの顔がどこか愁いを帯びているように感じた。
『神と言っても自分が守り続けた世界に干渉できないって言うのは歯痒いのかも知れんな・・・』
「龍聖!戻っておいで~!」
大きな声で龍聖を呼び戻すと
「ルー君また会える~?」
「うむ・・・お主なら会えるかも知れんな♪」
「ボク・・・この場所気に入っちゃったぁ~♪ だから、また遊びに来るねぇ~♪」
「ああ♪ 首を長くして待っているよ♪ さて!時間だ! では、お主達の未来に加護があらん事を!!」
っと神の言葉と共に龍徳と龍聖の景色が一変する。
「こ・ここは・・・」
「どこ~?」




