小さな小さな 大冒険!! 20
筆者の神龍です♪
一つの小説を書いている間に他の小説を書きたくなってしまったので、新しくアップさせて頂きました。
もし面白かったら読んでくださいね♪
毎週月曜日と木曜日の朝7時に更新します。
そして、気分の悪そうなアキの後ろ姿に反省した俺は、再び小さくなるとオドオドしていたハルの手を取ってゆっくりと魔力を注ぎ始めたのだった。
「あっ♪」
ビクンっと反応したハルが徐々に大きくなり始める。
俺は、ハルの様子を見ながら魔道具の指輪に注ぐ魔力をコントロールした。
「はぁはぁ・・・」
「ハル・・・大丈夫か?
「ウック・・・だ・大丈夫・・・あぅ・・・凄いや♪ まだ・・・大きくなる・・・凄い・・・。」
ドンドン大きくなる自分に驚くと共に感動しているようだ。
「アン♪ はぁう・・・」
「大丈夫か?」
「へ・平気♪ もう少し強くても大丈夫だよ♪」
「わかった・・・これ位で大丈夫か?」
「ヒィ! あぅ・・・大丈夫・・・ハァン♪」
ハルは顔を紅潮させてビクンと反応していた。
「もう少しだからな!ハル頑張れ!」
「うん♪ 大丈夫・・・ン! す・凄いっ!大きい♪ 嘘っ・・・まだ大きくなるの?・・・はぅ♪ 凄い・・・凄いっ!」
そして、ハルも実際のサイズで150㎝位の大きさとなった。
「はぁはぁ・・・んん♪ 私も・・・ちょっと座らせて貰うね♪」
足をガクガクさせながらハルもペタンと床に座り込んでしまった。
よく見ると息遣いが荒く顔にはうっすらと汗が浮かんでいる。
それは、そうだよな・・・イメージでも小さくなるより大きくなる方が、身体の負担が多そうだもんな・・・。
ビクンと震えているハルを見ながらもう少し気を使う方が良さそうだと考えた。
そして、小さくなった俺の前にいるナツが、俺を見るなりモジモジと恥ずかしそうにしていた。
「ナツ? どうした?」
「な・なんでもありませんわ!
なんか・・・妙に俺の直属の部下であるレイナと被って見えた。
何て言ったら良いんだろうか・・・何かに期待しているというか・・・何かを予想して落ち着かないと言うか・・・。
「わかった・・・じゃ~行くよ♪」
アキとハルから学んだことは、最初に思いっきり魔力を注いでから徐々に減らした方が体の負担が少なさそうだと言う事だ。
「ハァン♪ うぅ~つ・強いっ・・・アン♪ いやぁっ! くぅぅぅ~」
「強すぎたかな? でも・・・もう少し頑張って!」
「あぁぁぁん♪・・・ひぃぃ・・・はぁはぁはぁ・・・ん~んん~♪」
一人で立っていられないのかナツが俺の身体にしな垂れ腰に手を回してきた。
「よし♪ ここからはゆっくりと魔力を注いでいくからね♪」
「はい♪ もう・・・好きにして下さいませ♪ ハァ~♪ ンン~ 景色が・・・凄いですわ♪」
ナツも自分の目線が高くなっていく事に感動していた。
「アン♪ もう・・・もう・・・ダメ・・・これ以上は・・・くぅ・・・おかしくなっちゃう~♪」
「あと少しだから・・・頑張ってナツ!」
「ハァン♪ ダメ・・・もう・・・ダメ~♪」
「よし!よく頑張ったね♪ これで終わりだよ♪」
俺にしがみ付きながらビクンビクンと痙攣しているナツがトロ~ンとした目で俺の事を見つめている。
「ナツ終わったよ♪ 大丈夫かい?」
「はぁはぁはぁ・・・大丈夫じゃありませんわ♪・・・身体が・・・ンン♪」
身をくねらせると再び俺に持たれかかってきた。
「出来るだけ身体に負担がかからない様にしたつもりだったんだけど・・・下手でごめんね・・・。」
良かれと思ったが結果としてナツが一番体調が悪そうだった。
「フフフ♪下手じゃありませんわ♪ 逆に上手すぎた位ですよ♪」
「上手すぎたって・・・どう言う事?」
「内緒ですわ♪」
未だに俺に持たれかかっているナツを改めて見つめると・・・何て言うか・・・エロい!
小人サイズの時はあまり気にしなかったけど・・・ノーブラだ!絹が薄いからか体のラインがハッキリと分かるし・・・ゴクリ! 紅潮した頬! 潤んだ瞳! 妖艶な唇!
これは不味い!
「ホラ♪ ナツも横になりな♪」
慌てた俺は、半ば強引にナツを横たわらせたのだった。
「アン♪ もう~大丈夫ですのに~」
文句を言うナツの言葉を気にしたら負けだな・・・。
それにしても・・・アキ! 羨ましいぞ!
そして、少し落ち着いた三人が・・・興奮するように話しだした。
「それにしても・・・本当に巨人になったのだな・・・。」
アキが両手をニギニギしながらしみじみと自分の身体を調べていた。
「正直まだ、実感がないよ♪」
ハルは、まだダルそうだったがいつもと変わらないな・・・。
「身体が重く感じますわね~♪」
ナツが軽く動きながら口を開いた。
「魔力が少ない気がするんだけど・・・?」
「確かに・・・少ないわね!?」
「やはり、体内魔力は大きさにも影響するという事ですかな?」
そう・・・俺が三人を大きくさせたかった理由の一つでもある。
「やっぱり? だったら・・・予想通りだね♪」
「っ? 龍徳殿・・・分かっていたのですか?」
「そりゃ~魔法を習い始めたばかりの俺が魔力が多いっておかしいでしょう? 絶対条件ではないみたいだけどね♪ 身体が大きくなる事で、魔力の量を簡単に増やす事が可能だろうとは思っていたかな♪」
「なるほど・・・一理ありますな・・・。」
「取り敢えずは、実験成功かな♪ 後は・・・アキは俺の服があるから何とかなるけど・・・ハルとナツの服装が問題だな・・・。」
「どうして服装が問題なの~?」
「フッフッフ♪ それは・・・君達を外の世界でおもてなししたかったからです♪」
「「「へっ?」」」
俺の言葉が意外だったのか理解できないようだ
「いつもお世話になっている三人にどうしてもお礼がしたかったんだよね♪ 同じ大きさになれば一緒に外出出来るだろう? 面白い場所もいっぱいあるし、美味しい料理もいっぱいある♪ 洋服だって♪ 皆にも楽しんで貰いたいんだよ♪」
俺の思いが伝わったのか・・・
「本当に・・・巨人の町に出れるの?」
「あぁ♪」
「大丈夫なのか? 龍徳殿に迷惑がかかるのでは?」
「フフ♪ そんな心配はいらないよ♪」
「でも・・・私達には・・・その・・・巨人族のお金が・・・」
「お金の心配なんかしなくて良いよ♪ 俺が全部持つから♪」
「だが・・・ワシらはタダでさえ龍徳殿にお世話になっていると言うのに・・・これでは・・・。」
「逆だよアキ! 俺が、皆にお世話になっているんだ♪ 本当に・・・本当に君たちと出会えて良かった♪」
「そんなに感謝されるような事などしておりませんわよ?」
「クスクスクス♪ それは、君たちが優しいからだよ♪ 君たちにとっては当たり前の行動が俺にとっては感謝してもしきれない程、有難かったんだ♪」
「でも・・・本当に・・・良いの?」
「ハルも心配性だな♪ 安心してよ♪」
すると三人共俺に背中を向け乍ら肩を震わせ始めた。
「どうしたの? 余計な事をしちゃったかな?」
「ウッグ・・・大丈夫ぅ・・・。 ありがどう・・・。」
「なんですの? ヒック・・・龍徳様は・・・神の使いですの?」
「うぉぉ~! 感激ですぞ! 龍徳殿! 本当に・・・かたじけない。」
何か分からんが・・・喜んでくれているようで良かった・・・かな?
「でね? アキもそうだけど。ハルとナツの服装だと俺らの世界で言うコスプレって言われる様な服装だから人の目に付きやすいんだ。 だから2人の服装をどうするかが・・・課題なんだけど・・・そこで!一つ提案があるんだけど・・・良いかな?」
それから、少しして落ち着いた三人に家の中を見せると共にガスや水道、トイレやお風呂など一通り使い方を説明してあげた。
三人共興味深そうに頷くばかりだった。
そして、時が流れ、俺の家には、部下である鈴木レイナがいた。
◆◆ ◆ ◆ ◆
SIDE:鈴木レイナ
はぁ~・・・この前の事は・・・夢だったのかな・・・
妄想に耽りながら自分の唇に指を触れている。
でも・・・夢でも幸せ♪って! 幸せ過ぎて逆に現実逃避してどうするのよ!
「あれが、本当のキスなんだなぁ~♪ きゃぁぁ~部長ったら♪ これは・・・一歩・・・否! 二歩は前進したよね♪ もうじき神谷部長から神谷さん・・・それから龍徳さん♪・・・きゃぁぁ~もう~恥ずかしい~♪」
周りから見れば、見悶えながら一人漫才をやっている様にしか見えない。
すると、ハッとした様にパチパチっと自分の両頬を叩くと
「いけない!いけない! また妄想に浸っちゃったよ・・・」
言葉とは裏腹にまたしてもニヘラ~っと顔に締まりがなくなってきた。
そんな事を午前中だけで何度繰り返したのだろうか・・・
「はっ! 午前中終わっちゃった!シッカリしないと!部長に嫌われちゃう!」
すると誰かが私の方に手を置いてきた。
何よ!私の身体に触れて良いのは神谷部長だけなんですけど!
若干イラっとしながら顔を見上げると・・・
「部長~♪」
「よっ!お疲れ様♪ それにしても・・・百面相の練習でもしているのか?」
グハッ!部長に見られていたとは・・・気を付けよう!
「いえ・・・そう言う訳じゃないんですけど・・・」
「相変わらず面白い奴だな♪ それと!時間開いてるか? 大丈夫なんだったら相談したい事があるからランチでもどうだ?」
「はい!はい!はい! 行きます! 部長であればいつでも時間を空けます!」
「プッ♪ ハッハッハ♪そうか? じゃ~行くぞ♪」
「は~い♪」
今日は何て良い日なんでしょう♪
もう気分は最高ぉ~♪
「レイナ君は何が食べたい?」
「神谷部長が良いです♪ ま・間違えた・・・部長にお任せします・・・。」
こいつは俺を食べようとしているのか?
「やれやれ・・・じゃ~鰻にするか♪」
そう言って部長が連れて来てくれたのは、超有名なお店だった。
「た・・・高い! 梅で4,400円?」
「馬鹿!俺が誘ったんだから俺のおごりに決まっているだろう? すいませ~ん♪ 松を2つ下さい♪」
アワアワしている私を他所にあっさりと注文されてしまった。
松って・・・ひぃぃ・・・は・・・8,000円~!
ちょっと眩暈がした。
「クスクスクス♪相変わらずお前は見ていて飽きない奴だな♪」
「そ・そうですか?」
またしても部長の前で失態を見られたっポイ・・・。
「フフ♪ まぁ~俺以外にはクールに見られているようだけど・・・まだまだ・・・お子ちゃまだな♪」
「そんな事ないですよ~だ!」
「まぁ・・・そんなところもレイナの魅力なのかな♪」
「はぅ!」
か・顔が熱い!み・魅力!? 褒められたの?
恐る恐る神谷部長の顔を見るといつもの優しい笑顔で私の事を見てくれていた。
ドキン! もぅ~・・・部長の前だと何でこうなんだろう?
それにしても・・・いつ見ても・・・カッコいい~♪
「お待たせいたしました~松が二つで宜しいですね」
「おぉ!来た来た♪ さぁ~食べようか♪ 話は食べ終わってからだな♪」
「は・はい♪」
「いただきま~す♪」
「いただきます・・・」
部長って必ず“頂きます”を言う人なんだなぁ~♪
姿勢が良くって食べ方も綺麗だなぁ~♪
へぇ~ あんなに山椒を掛けて食べるんだ~♪
モグモグ食べる部長って何だか可愛いなぁ~♪
「こら! ジロジロ見ないでさっさと食べろ!」
不味い! また神谷部長に魅入っちゃった・・・もうぉ~本当に魅了の魔法でも使っているんじゃないかしら?
「はぁ~♪ 美味しかった~♪ こんなに美味しい鰻があるんですね~♪」
「だろう~♪ 昼から鰻は贅沢だよな♪」
ニカっと笑う神谷部長が可愛い♪・・・もうぉ~全部好き♪
「さてと・・・本題なんだが・・・」
そうだった!幸せ過ぎて忘れてたけど・・・相談があるって言ってたっけ?
「はい♪ 何でしょうか?」
「ふむ・・・それを話すと時間が必要か・・・レイナ君は今週の土曜日って用事があるのかい?」
「今週ですか?えぇ~っと・・・今週の土曜日は~6月20日だから~」
自分の手帳を見ながら6月20日を見る。
こちらも良ければ呼んでくださいね♪
■「新世界!俺のハチャメチャ放浪記! 記憶喪失の転生者」もアップしましたので宜しければご一読ください
https://ncode.syosetu.com/n0781fy/
月曜日の朝7時に更新します。来年1月分まで予約してあります。
■「勇者撲滅! 2度目の人生はハッピーエンドで!」もアップしましたので宜しければご一読ください
https://ncode.syosetu.com/n6920gm/
火曜日と金曜日の朝7時に更新します。来年1月分まで予約してあります。




