小さな小さな 大冒険!! 2
筆者の神龍です♪
一つの小説を書いている間に他の小説を書きたくなってしまったので、新しくアップさせて頂きました。
もし面白かったら読んでくださいね♪
毎週月曜日と木曜日の朝7時に更新します。
「わ・私の名前は・・・アキと言います。その~・・・あの~・・・助けて頂き有難うございました。」
「謝らないで下さい。俺がゴキブリと思って叩いたからいけないんですから当然の事をしたまでですよ・・・。」
「ね♪ 少しは安心した? 何かと勘違いしただけだったんだって! この巨人さん・・・! 龍徳さんは良い巨人さんなんだよ!」
ハルの言葉を聞いたアキが
「うぅ・・・どうやらその様なのは、分かっているんだが・・・何せ今までの巨人は有無を言わず我々を襲ってくるものだと思っていたから・・・どうにも・・・。」
余程、今まで酷い目にあってきたのだろう。
「俺には分からない事だけど随分と苦労をされているんですね・・・。 それは怖くて当然だと思います・・・だって・・・どう見ても4㎝位しかないもんな~」
どう見ても40分の1以下のサイズだ!
「そうですね・・・私達も寸法の単位は貴方方の世界の物を使うので、だいたいそれ位が平均的な大きさですね・・・。」
「ですよね~・・・そうしたら・・・体積で見たら64,000分の1だもんな~」
分かり易く言えば、俺の体重64㎏だとしたら彼らは1gしかないって事だ!
逆に俺の身体の40倍以上の巨人がいたら70m以上の巨人ってことだ。
そりゃ~怖いに決まっている。
「だけど、怪我をさせてしまった責任は俺にあるんだからアキさんの怪我が治るまでの間位は、俺に出来る事は何でもお手伝いさせて頂けないかな? それとも・・・小人の国には、他種族との交流を禁止するような厳しい規律か何かがあったりするのかい?」
「いやいや・・・昔は巨人と仲が良かった時代もあったそうなので、そんな規則や規律がある訳じゃないんですが、文献を見るに100年ほど前に巨人族の大戦・・・“審判の日”があった後からは、一切の交流が無くなってしまいそれ以降は、私達の事を覚えている巨人が滅んでしまったのか・・・繋がりが切れてしまったと聞いております。」
「そうだったんですか・・・“審判の日”?・・・100年前の大戦って・・・君たちは大丈夫だったのかい?」
「はい。その間は、小人の国に全国民が戻る事となりました。
おぉ~!やっぱり・・・小人の国があるのか・・・。
「数十年後に終息したと思った祖先たちは、巨人族の町へ何人もの同志達を捜索に向かわせたそうですが、まだ巨人族の大戦が続いていたと僅かに戻ってきた同志達が口々に恐ろしさを伝えたと聞いております。」
「巨人族の大戦・・・100年ほど前って事は・・・第一次世界大戦の事かな? それと第二次世界大戦の事だろうな・・・なるほどね・・・“審判の日”とは上手い事を言うものだな・・・。」
「我々からすると人知を超えた凄まじい破壊力! とてもじゃありませんが、今までの様に巨人族の町へなど行ける訳もなかったそうです。」
「それは・・・そうだよな~俺達だって簡単に殺されるレベルの戦争だった訳だからな・・・んん? だったら・・・なんで、今は俺達、人間の世界にいるんだい? そのまま山にいれば安全だったんじゃ・・・?」
「それは・・・巨人族の方であれば、何てことのない昆虫であっても我々小人族にとっては、大半の生き物が脅威なのです。 なので、力を貯める間、巨人族の町へと降りて来たと聞いております。」
「なるほどね・・・4㎝だもんな~俺の身長と比較したら・・・1m以上の蜘蛛に3m以上のカマキリ。1m以上の蜂に4m以上のカエル、 8m以上のネズミに16m以上の猫。野犬は、25m以上で猪に至っては40m以上だもんな・・・。ハハハ・・・恐竜の比じゃないな・・・。」
「恐竜ですか? それは、良く分かりませんが、イメージが伝わったようで良かったです。何にしましても巨人族が山を削る魔法を使う度に魔獣の多くが縄張り争いを始めるので、日々危険が増していったそうです。」
「山を削る魔法~?・・・あぁ~それは、魔法じゃないよ♪ 多分・・・ショベルカー等の重機の事だと思うよ♪」
「重機?・・・機械ですか? 魔法ではないのですか?」
「アハハハハ♪ 俺達は魔法なんか使えないよ♪ あれは、科学の力で作り出した巨大な機械だね♪」
小人からすれば当然かな・・・人間には、100m程度の小さな山でも小人たちにとっては、4000m以上の大きな山に見えるのだから・・・。
そんな山が、抉られ、削られ、消えていく・・・富士山が、数ヵ月で消えるって感じか・・・有り得ないな。
魔法と思っても何の不思議でもないな・・・。
「そ・そうだったんですか? 巨人族も魔法が使えると古文書には書かれていたので、誰でも使えるものかと思っていました。」
「ハハハ使えないよ♪ 小人の世界には、そんなデマが本に書かれてるんだ♪ 巨人族も魔法が使えるって・・・んん? 巨人族も? そこは、“巨人族は!”じゃないのか?」
「いえいえ、我々と同様に巨人族の方達も大戦前まで魔法を使っていたと私達小人族の歴史の書物には書かれておりましたので、使えるものとばかり思っていましたよ・・・。」
「はいっ? 小人族と同様にって・・・君たちは魔法が使えるって事なのかい?」
「えっ? はぁぁ・・・当然使えますが・・・何が珍しいのですか?」
「いやいや・・・魔法って何? ・・・どう言う事?」
「龍徳 さん♪ こう言うのだよ?」
「そうですね。これです・・・。」
俺とアキの会話を黙って聞いていたハルが突然会話に割って入ると指の先から小さな、小さな炎が灯っていた。アキが当然の様に頷いているが、1㎜にも満たないような小さい炎なので、目を凝らしても良く見えない
「それは・・・もしかして・・・・・火が付いているのかい?」
「あれ?もしかして・・・・・よく見えないの? じゃ~これなら見える?」
すると掌を頭上に翳すと今度は4㎜位の丸い炎が浮かび上がりハッキリと見えた。
「おぉ~! 見えた! す・凄いな!・・・」
「エヘヘヘ♪ そ~お~?」
「これ!ハル!無暗にファイアボールの魔法を使うな!
なんだ・・・そのファンタジーな魔法は・・・
俺だって少しくらいは分かる・・・火球の魔法の名前として有名だ!
が、小さい!
「ごめ~ん・・・でも、龍徳さんは喜んでくれたみたいだよ?」
「うん・・・凄いよ・・・SFの世界の話かと思ってた・・・。」
ハルのファイアボールが俺のサイズだったら・・・20㎝位の火の玉って事だ・・・。SFの世界だろ!
「SF・・・ですか? 良く分かりませんが、本当に巨人族の方は、魔法を使わなくなってしまったのですか? それとも・・・大戦のせいで、魔法が使える方が滅んでしまったのでしょうか?」
「いやいや・・・魔法って・・・本当に俺達にも使えたのか?」
「それは・・・間違いないと思いますが、何せ・・・40年ほど前から巨人族の町へと移住してからと言うもの我々が姿を見せると何故か巨人族の方は、嫌がるように悲鳴を上げながら巨大な武器で私達を殺しに来るので、接触を控えていましたから・・・実際に私も魔法を使っている巨人を見た事はないんですよ・・・。」
「悲鳴・・・ね・・・。失礼な事を言わせてもらうと・・・人間って・・・あぁ俺達巨人族の事ね! そう、人間って小さくて素早く動くものを見ると虫だと思って嫌がる傾向が強いんだよ・・・。」
「虫・・・ですか?」
「そう・・・昆虫全般だね・・・。」
「エェ~ハル達って虫だと思われていたの? ショックかも・・・。」
「お父さんも流石に知らなかったよ・・・てっきり我々の事を憎んでいるのかと思っていました。」
「いやいや・・・そもそも!小人が本当に存在するなんて思ってもいなかったんだけど・・・」
「エェ~そうなの? 知っているのかと思っていたわ・・・。」
「そうだな・・・知っている上で、我々の事を嫌っているのかと思っていました・・・。」
認識の違いにハルもアキも、そして俺も驚いていると、アキが奇妙な提案をしてきた。
「ここまで、認識が違うとは思いもしませんでしたよ・・・。龍徳さん・・・失礼ながら魔法に興味はありますか?」
「いや・・・まぁ~興味がないと言えば嘘になるけど・・・。」
俺はもう直33歳だ・・・正直、良い年こいて魔法に興味がある?って聞かれても・・・素直には言い辛い・・・。
「どうでしょうか? 先程、私の怪我が治るまでの間、何かとお手伝いをして下さると仰って下さいましたので、お礼と言っては何ですが、私達が龍徳さんに魔法を教えると言うのは如何ですか?」
なんともロマンのある申し出だ・・・。魔法を教えて貰えるって事は・・・俺も魔法が使えるかも知れないって事だよな・・・? 正直、小心に戻って飛びつきたい衝動に駆られるが俺はもう大人だ・・・
「俺が悪かったのに、そこまで気を使ってもらっては、断る理由はありませんね・・・・ 教えて頂けるんだったら宜しくお願いします♪」
精一杯平静を装って話を切り返した。
俺に尻尾が生えていたらブンブンと振っていた事は間違いないな。
「良かった!それなら、私も安心して龍徳さんのお世話になれると言うものです♪」
(なるほどね・・・今までの話を聞く限り・・・・心配する方が当たり前だな・・・。)
「こちらこそよろしくお願いします。 ところで、何をお手伝いした方が良いのかな?」
俺の言葉に2人共暫し考え始めた。
「そうだ!・・・お父さん! もし・・・可能なんだったら・・・引っ越せないかな?」
「引っ越しか・・・確かに、ソロソロ引っ越さないと危険だな・・・しかし・・・」
アキは言い辛そうに俺をチラッと見ると口ごもってしまった
「遠慮しなくても良いよ♪ 折角知り合ったんだし!出来るかどうか分からないけど教えてくれれば良い案も浮かぶかもしれないだろう? 引っ越しってどうしたいんだい?」
するとパァ~ッと表情を明るくしたハルが教えてくれた。
「実はね!私達は、龍徳さんのお城の隣に住んでいるんだけど・・・」
はいっ? お城って・・・
「ちょっと待って? お城って・・・家の事かな?」
「んん? 家? お城じゃないの? こんなに広いんだよ?」
「多分・・・否、間違いなく家の事だと思うんだけど・・・近くにお城なんてないし・・・。少なくとも俺の家である事は間違いないよ?」
俺の言葉を聞いた二人は目を合わせながら驚いていた。
「こ・こんなに大きいお城が・・・家なの? だ・だって・・・小人族のお城以上に大きいんだよ? それが・・・普通の家だったの? 巨人族の方は、全員お城に住んでいるものとバカリ思ってた・・・。」
なるほど・・・ハル達から見れば、俺の家も400m以上の建造物に見えるんだよな・・・
マンションなんて山に見えるんだろうな・・・。
「そうだよね♪君たちから見たら巨大な建造物にしか見えないもんね♪ って事はお隣の佐藤さん家の事を言っているんだね♪ そうだったんだ~まさか・・・お隣さんの家に小人が住んでいるとは思わなかったな・・・おっと! 話を挟んでゴメンね? それで、隣に住んでるけどどうしたの?」
その後、少しだけ放心状態だったハルが落ち着いてから話を続け始めた。
「えっと・・・その隣の家の天井裏に住んでいるんだけどね・・・この頃、ギガントビーと言われる殺人蜂が現れ始めたの・・・私達以上に大きいこのギガントビーは兎に角、凶暴で・・・このままだとハル達は・・・・」
「ギガントビー・・・スズメバチの事かな? 小人基準で2m級の蜂か・・・怖っ!そんなん死ぬに決まってるな・・・役場に駆除を依頼してたら・・・・・ダメだな・・・アキの家族も一緒に死んじゃうよな・・・。だったら他の場所に引っ越せばいいんじゃないのか? 俺が手伝ってやるよ♪」
一瞬、俺の言葉に表情を明るくするものの直ぐに悲しげな顔になっていく。
「うん・・・ありがとう・・・でも、引っ越せる場所がなかなか見つからないんだよね・・・。今の家も、お父さんが1年前に死に物狂いで見つけてやっと落ち着いたと思っていたんだけど・・・この頃は、食料も手に入らなくなってきたし“吸血虫”が増えて来たから毎日魔物がりをしなければならないし・・・」
またしても聞きなれない言葉が出てきたな・・・
「そう言えば、お隣は高齢者のご夫婦だったよね・・・。なるほど・・・確か1ヵ月位前に一人暮らしになったお爺さんを心配した娘さんが迎えに来てたっけ・・・ん? だから、俺の家に食材探しに来たって事か?」
こちらも良ければ呼んでくださいね♪
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