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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!198

そして、精霊召喚の方法を教える事で、小人はより強力な魔法を使えるようになった。

だが、長い時間を掛けそれも徐々に弱体化したようだ。


今から1500年前であれば魑魅魍魎が跋扈していたと言われる時代だが、実際には、それらの大半が魔物や魔の者に連なる存在であった事もお主は忘れているのだろうな・・・


モンスターピードもこの国では、百鬼夜行と呼ばれお主が先陣を切って討伐した事も私にはつい最近の出来事だったかのように思い出すな・・・


時が経つにつれ口伝であった精霊召喚のやり方を知る者達も戦によって一人、また一人と死んでいった。.

そして、この国の時代が明治に入った頃には人類の記憶から魔法に関する全ての知識が消えてなくなっていた。


正確には巫女や陰陽師などと名を変えて残っていたが、それさえも威力の弱い魔法となってしまい偶然やまやかしとして認識されていってしまった。

時代が大正から昭和に変わる時には、この国の人口も5000万人を超えたが、魔法を特殊技能の様なものとして認識していた者は100人にも満たない程、失われたのだ。


実際、それなりの能力を兼ね備えた者となれば10人もいなかったが、それでも戦がなければ今の世にも魔法・・・否、特殊技能と言った方が良いか・・・今で言うならスキルの様なものも残っていただろうに・・・


まだ、大正時代であれば人間と小人は仲が良かったのだ。

どの場所でもとは言えないが、心優しい人間達の傍には必ず小人の存在があった。

江戸時代の頃には、この地より結界を抜け小人達の多くが日本全国に散らばって行ったものだ。


今でこそ数が減ってしまった小人達だが、それでも昭和初期までであれば、日本全国に200万人以上は存在していたし、全世界ともなれば1000万人以上はいたのだ。


人間の世界も長い戦乱で疲弊しきっていたから魔法の存在を忘れてしまった人間にとって精霊を使役して魔法が使える小人族を神の使いの如く敬っていたからこそ仲良くしていたのだが・・・


昭和初期であれば、小人の存在を知っていた多くの人間達も世界大戦によって命が奪われてしまった。

さらに第二次世界大戦で、完全に小人の世界と隔絶されてしまった。


何にしても、私が大きく介入した事で、小人は独自の生態系を作りだす事となった。

その後、お主は世界各国で生まれては人類を守り続けた。

悲しい事に戦争が起こる場所には必ずお主の存在があったな・・・


悩み苦しむ民がいれば、人間としての価値観を解き人類を救う道しるべとなった事で、神と崇められた事さえあった・・・だが、それと同じ数だけ迫害にあったのに・・・お主だけはどの時代であっても変わらなかった・・・


阿修羅と呼ばれた魔物との戦いも鳥人となったハーピィ族との平和的解決も・・・海の魔物となってしまったセイレーンの新しい住処も提供した事があったな・・・本当に長い年月良くぞ私に仕えてくれた・・・改めて感謝するぞ・・・龍徳よ・・・



そう言って話を続ける神ターキリスだが、龍徳としては・・・

『えっと・・・ツッコミどころが多過ぎて・・・何処から突っ込んだら良いものやら・・・』

っと色々困惑してしまう。


『何・・・俺って・・・そんな事してきたの?・・・小人の国作ったの俺と神様なの?・・・つっ~か・・・話が壮大過ぎる・・・15万年前に人類が一度滅んだ?・・・人類最大の謎の一つだった文化的空白の50万年の秘密が・・・それにドラゴンが神様によって作られたって・・・マジか?・・・世界地図の形になったのが3万年前って本当かよ・・・知りたかった真実だけど・・・』


っと余りの情報量を受け止めきれない龍徳に気が付いた神が話を止めた。

「ふむ・・・記憶が戻っておらんから多少詳しく話してやったが・・・今のお主は普通の人間と変わらんからな・・・いきなり信じる事は出来んようだな・・・」


「いや・・・確かにショックは受けたが、問題ない大丈夫だ!」

「そうか・・・だが、一旦違う話をするとしようか・・・」

「違う話?」


「何・・・雑談の様なものだから気軽に聞けばよい。」

「そうか・・・分かった・・・」


「ふむ・・・段々いつもらしい話し方になって来たではないか♪」

「そう言われても覚えていないからな・・・良く分からんが」

「フッ・・・お主が1万年前からメシアとして存在してからの付き合いなのだぞ?砕けた話し方に当然なるであろう?だからお主は私の事をルーっと呼んでおったよ♪」


「ルー・・・神様の事を・・・随分馴れ馴れしいと思うが・・・ターキリス様はそれで良いのか?」

「ああ♪ そう呼んでくれるのはお主だけだからな・・・私はお主にそう呼ばれる事を気に入っておったよ」

「わ・分かった・・・だったらそう呼ば差せてもらう。」


「ああ・・・そうしてくれると私も嬉しい。」

「ねぇ~ぱぱぁ~・・・龍聖君もル―君って呼んでも良いの~?」

「どうだろう・・・良いんじゃないのか?」


「フフ・・・もちろん構わんよ♪」

「わ~い♪ じゃ~る―君! 第三の試練でママに合わせてくれてありがとう~♪」

龍聖の言葉に龍徳の胸が熱くなる。


『はぁ~マジうちの子天使♪ 本当に心の優しい子だなぁ~♪』

「ふむ・・・龍聖よ・・・お主の父と同じ綺麗な命を持っておるな・・・」

「フフ♪ ルー君に褒められちゃった♪」



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