小さな小さな 大冒険!191
「一気に倒さないと・・・」
そう言って大きく跳躍すると蹴り上げたゾディアックを超えて登って来るゾディアックを回転踵蹴りで今度は地面へと叩き落す。
「カハッ・・・」
ズガ~ンっと地響きを鳴らすと同時に地面が隆起する。
「ハァァァ~!!! 喰らばれ!!」
今度は、空を蹴ってゾディアックへと加速すると地面に付しているゾディアックの背中に蹴りを叩き込んだ。
「グアッ・・・」
「悪いが一気に決めさせてもらう!! アマテラスランス!!」
もう一度大きく跳躍するとゾディアックの頭上から魔力を一点に集中したアマテラスが槍の形となって放たれた。
魔力を圧縮する事で、2000分の1程度の大きさとなったアマテラスをドルオーラの状態で放った場合の温度は、1万倍にまで高まり数百万度もの超高熱の槍となってゾディアックに襲い掛かる。
「グ・グググ・・・」
地面に埋め込まれてしまった身体を強引に動かして抜け出そうとしているゾディアックの翼を貫き左肩に深々と突き刺さってたちまち炎を上げる。
「グギャァァ~!!」
『ガルル・・・信じられん・・・何とういう強さだ・・・それに・・・俺様の身体をこうも易々と貫くとは・・・』
四つん這いになっているゾディアックが強引に顔を左に向け氷のブレスを肩に向けて放つ。
『今なら使えるな・・・』
そして、使用するは危険な魔法だった為に封印していた魔法・・・
「テラアースクエイク!!」
これは、龍徳が対象物だと判断したものであれば、全ての物に自信を引き起こす事が出来る魔法だ。
対象物が動いてしまうと照準が狂ってしまい周りに被害を与えてしまう上、万が一仲間に当たってしまえばシャレにならないと封印したほど危険な魔法だ。
アマテラスランスによって身動きが取れなくなったゾディアックに向けて、その魔法が解き放たれた。
「な・なんだ俺様の身体が・・・マズい!!」
自分の身体が徐々に揺れ出し体の中が揺れた事に違和感を覚え未だ己の肩に突き刺さっているアマテラスランスを引きちぎる様に脱出する。
ブシュ~っと血が噴き出すも龍徳のテラアースクエイクから無事逃れるゾディアックを龍徳が睨み付ける。
「そう簡単には倒せんか・・・だが・・・相当なダメージがあったようだな!」
「ゴボッ・・・はぁはぁはぁ・・・なんだ・・・今の魔法は・・・はぁはぁはぁ・・・」
「さあな・・・悪いが、一気に決めさせてもらうぞ!!」
普通もバトル漫画であれば、敵との会話もするのかも知れないが、そんな敵に反撃のチャンスを与える様な真似をする程、余裕がある訳ではない。
「クッ・・・恐ろしくクレバーなメシアだな・・・ちょっと待て・・・グハッ!」
龍徳の猛攻を翼と右腕だけでしのぎ続けていたゾディアックだが、龍徳の攻撃に耐えきれず再び吹き飛ばされてしまった。
天を仰ぎ見ながら吹き飛ばされていくゾディアックの頭上に一瞬で姿を現す龍徳が、そのまま回し蹴りを叩き込み地面へと叩き付けた。
「カハッ・・・」
「はぁはぁはぁ・・・終わりだ!!」
そして、地面に埋まるゾディアックのボディーに膝を叩き込む。
「ッ・・・・・」
大きくエビぞったゾディアックが苦悶の表情を浮かべ白目をむき持ち上がった両手足が力無く地面に落ちた。
「ゼェ~ゼェ~ゼェ~・・・はぁ~シンド・・・」
その場から離れると大の字を書いて上空を見つめる。
いくら魔力を補給したからと言っても神級の魔法をここまで連発した上に肉体の限界である身体強化を常時使用しながらドルオーラまで使ったのだから結果で見る程、楽勝ではなかった。
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