小さな小さな 大冒険!188
「アマテラス!!」
この魔法は、龍徳一人でも使用できるが、最大の威力となれば当然イフリートの力が必要だ。
そして、ノアズアークの中へと沈み込み水蒸気爆発を繰り返しながらドラゴンへと落ちていく。
それと同時にシルフィードとオン=ディーナを使って新たな魔法を作りだす。
雷属性の無い龍徳は、二つの精霊を使用する事でしか雷を発生させられないのだ。
だが、莫大な魔力と神クラスの精霊となった2体を使う事で、通常の魔法では有り得ない程の規模の魔法を使う事が出来る。
時間はかかるが、それが真理魔法の最大のメリットなのだ。
積乱雲が徐々に圧縮されるとノアズアークの中に凄まじい速度の渦巻きが巻き起こる。
その渦が天へと昇ると徐々に凍って行くが、それでも回転は止まらない。
すると大気の中から何十もの雷が降り注ぎ氷に直撃すると超電導を伴った巨大な氷がゴレームによって身動きが取れないドラゴンに直撃し逃げ場のなくなったアマテラスの超高熱が突如大爆発を引き起こす。
ディーナの結界以外にもいくつもの結界を同時に発動させていたから問題なかったが、爆発と同時にノアズアークの結界は弾け飛んだ。
放電現象を伴った炎の竜巻が爆発するエネルギーは凄まじい。
バリン!バリン!っと爆発が拡大する度に結界が壊れて行き残り2枚のところで、爆発が止まる。
モクモクモクっと空高く舞い上がるキノコ雲が腫れて行くとボロボロになったドラゴンの姿があった。
「フゥ~・・・俺の魔力の3分の2を使わせられるとは・・・」
っと流石に疲弊したので、地面に座りながら異次元収納より蓄えてある自分の魔力を吸収していると違和感に気が付いた。
「おかしい・・・何で景色が変わらないんだ・・・まさか!!」
バッと顔をドラゴンがいた場所に向けるとパァ~っと光を放っていた。
「道理で簡単に倒せると思った・・・」
全ての回復を終えてドラゴンの傍に行き睨みつけるとその姿が、ソーマの最強形態である龍人化と変わっていた。
「ガルル・・・久しぶりの強者であったか・・・・」
!!
「フッ・・・やはり喋れるのか・・・」
「我が名はゾディアック!!この世の災いと呼ばれし最古の竜にして真龍である!! 殺す前にお主の名を聞いておこうか!」
「真龍ねぇ~・・・フッ・・・俺の名は龍徳・・・神谷龍徳だ!!」
「龍徳・・・グルル・・・まさか人間にここまでダメージを追わされるとは思わなかったぞ・・・」
「そうか? 随分小さくなりやがって・・・それならさっきの方が強かったんじゃないか?」
そう言い放つ龍徳の頬に冷たい汗がつたう。
「ガッハッハッハッハ・・・強がりはよせ・・・お主の身体は正直なようだぞ・・・」
「クッ・・・化け物が・・・」
現在のゾディアックの身長は80メートル程だが、それでも龍徳の倍の大きさがある。
通常の結界と違い小人化の魔道具を外せば元のサイズに戻れると思っていたのだが、第三の試練は通常の結界と同じなのか、元のサイズに戻る事はなかった。
その為、改良版の巨人化の魔道具を使ったのだが、20倍程しか巨大化する事が出来ないのだ。
その為、龍徳の実サイズは1メートル程の大きさに対して真龍ゾディアックは2メートルもの大きさであった。
文字通り大人と子供の差だ。
ドラゴンの状態で漏れ出ていた莫大な魔力が、分厚い筋肉に抑え込まれているかの如く、内に秘められている事が分かってしまう。
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