小さな小さな 大冒険!184
「グルル・・・神か・・・」
ソーマには思うところがあるのからしくない態度で上を見つめる。
≪順番が決まったら入ってきた扉に触れるだけで、外の闘技場へと出れるが一人だけだ。 たとえ試合で死んでも神の御業によって生き返るから心配はない。2時間以内に試練をクリアしなければ負けとなる。≫
『時間制限があるのか・・・だが、やはりな・・・慈愛の心が大事だと言う神が殺す事はないと思ったが・・・』
そして、戦う順番を決めると以下の通りとなった。
一番手に神谷龍聖。
二番手が神谷龍徳
三番手に鈴木レイナ
四番手にナターシャ・ディナスティー・レインベール
五番手がソーマ・グロリアス
勝敗は見る事が出来ないが、勝っても負けても同じ場所に殆どの時間差なく次の間へと通されるとの事だが、意味が分からない。
神の力だと言うのだから凡夫には想像も使いない事は仕方がない。
扉が光れば試合が終わった合図だと言われ龍聖がやる気満々で扉へと向かって行く。
「パパは龍聖を信じているよ♪ 龍聖は強い! 龍聖なら大丈夫だ!行って来い!」
「パパ・・・・・うん♪ ボク頑張る!」
今までの龍徳であれば我が子を危険な戦いに巻き込むような事を避けたのだが、先の出来事で我が子を認めた龍徳は最高の笑顔で龍聖の背中を押したのだった。
龍聖は龍徳に認められた事が嬉しかったのか、今まで見た事がない程、喜んでいた。
そして、龍聖が扉に触れるとフッと姿が消えたのだった。
すると僅か数秒で扉が輝きだした。
「なっ・・・まさか龍聖が負けたのか?・・・こんな早く?・・・有り得ない・・・」
ボソッと呟く龍徳の言葉に3人も頷く。
すると声が聞こえだす。
≪案ずるな・・・神の力によってこの中と時間軸が異なるだけの事。実際には既に2時間近く経過しているのだ。さて・・・次は誰の番だ。≫
『2時間近く時間が経過しているだと?・・・なるほど・・・時間差が無いか・・・ヤバいな神とやらの力・・・』
「さて!じゃ~行って来る!」
「グルル・・・勝てよ龍徳!」
「ああ!」
「龍徳様!ご武運を!」
「任せておけ!」
そして、最後にレイナが声を掛けた。
「龍徳さん!絶対に勝ってください!これで・・・夢が叶うかも知れないんですから!」
レイナの言葉に龍徳が目を見開くとやがて微笑みを浮かべた。
「ああ・・・そうだな♪」
『参ったな・・・ナツミがいたら同じ事を言っただろうな・・・』
「行って来る!」
そして、扉に触れると一瞬で景色が変わる。
「どこだここは・・・」
先程見たコロシアムに移動させられると思っていたのだが、一面荒野の世界が広がっていた。
空を見上げれば青空が見え、遠くに湖か海の様な者まで見えた。
『先入観は捨てた方が良さそうだな・・・』
すると、龍徳の上空に暗雲が立ち込め始めた。
『俺が最強と思ったのは・・・ソンメルか?・・・分からんな・・・』
正直、1年前のソンメル程度であれば簡単に倒せるとは言わないまでも苦戦する相手ではない。
それだけの力を身に付けた自負がある。
思い付かない相手の姿を思案していると頭上の黒雲が地面へと吸い込まれる様に渦を巻きながら球体となっていき、やがれ何かしらの形を成していく。
「人か?・・・否・・・まだ変形している・・・」
人の形に見えたのだが、暫くして四足歩行の動物の姿の様に見え始めた。
「おいおい・・・その大きさはないよな・・・」
っと最初こそ2メートル程度の黒雲が、どんどん大きくなっていき現在では高さが250メートル長さ500メートルを超える巨大な影となっていた。
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