小さな小さな 大冒険！176
「テラオーラ・・・不思議な感覚・・・」
「ええ・・・神書に寄れば慈愛の力・・・聖なる闘気とも呼ばれる物だったとは・・・」
「これ・・・凄いわね・・・何の力か分かる・・・」
「なるほど・・・精霊を通さず回復魔法が使えるのか・・・」
「部長分かるんですか？」
「ああ・・・何となくな・・・」
「グルル・・・どの時代においても一人しかいなかった聖女が2人か・・・お主等もとんでもないな・・・」
「ハゥ～♪ 2人共とっても綺麗だねパパァ～♪」
「そうだね♪」
っと相槌を打つ龍徳にレイナとナツが照れてしまう。
「その力を一日でも早く自由自在に使いこなせるようになれば、今後の戦いに有利だな・・・」
「お任せください！直ぐに使いこなして見せますから！」
っと元気いっぱいに返事をするレイナに対して
「はい♪ 必ずや龍徳様のご期待に応えて見せますわ♪」
っと幸せそうに静かな決意を龍徳に向けるナツ。
「グルル・・・だが、そうなると我々には何の効果もないと言う事なのか？」
「ふむ・・・テラオーラか・・・確かに俺達には発動しないようだな・・・」
「今までの試練を考えれば何かしらありそうなものだと思うのだが・・・」
っとソーマにしては的を得ている質問に答えたのは龍聖であった。
「フフ♪ ソーマ君分からないのぉ～？」
「グルル・・・何の事だ？」
「龍聖は分かるのかい？この内容は神書に該当する部分がないと思うのだが・・・」
するとキョトンと龍聖が龍徳を見つめていた。
「へぇ～・・・パパにも分からない事があるんだぁ～♪」
「そりゃ～パパは物知りだけど知らない事もいっぱいあるんだよ？」
「フフ♪ 龍聖君ちょっと嬉しい♪」
「クスクス♪ そっか♪ じゃ～パパに教えてもらえるかな？」
「あい♪」
嬉しそうに龍聖が教えてくれた内容は単純だが、素晴らしい能力であった。
実際、戦闘していれば気が付いたのかも知れないが、何もしていない状態で、新たな力に気が付ける龍聖がおかしいのだ。
「なるほど・・・自己治癒力・・・自己回復力が5倍になる・・・言われなかったら分からなかったな・・・」
「回復力や治癒力が5倍とは・・・凄まじいな・・・」
「そうだな・・・要はパッシブスキルの様なもの・・・っと言う事はナツやレイナであればもっと凄いと言う事なのか？」
っとナツとレイナに顔を向ける。
「どうでしょう・・・流石に分かりませんね・・・」
「申し訳ありません・・・私も実感がありません・・・」
っと申し訳なさそうに俯くとまたしても龍聖が話しだした。
「ナッちゃんとレイナちゃんは、10倍だって♪」
っとサラッと言ってのけた。
「へっ？ な・何でそんな事まで分かるかパパに教えてもらえるか？」
っと驚くのは龍徳だけではない。
他の3人も目を丸くして龍聖を見る。
「ん～・・・マッチが教えてくれるからだよ？」
っと精霊から教えてもらっていると言い出した。
現在の龍聖の力は信じられない事にごく自然に精霊を身に纏っているのだ。
逆に言えば24時間常に精霊を顕現させられるほどの膨大な魔力を持っていると言ってもいい。
信じられない事に龍徳達であっても龍聖が精霊を身に纏っている事に気が付く事が出来なかった。
「龍聖君・・・もしかしたら・・・ずっと精霊召喚しているの？」
っと口に手を当てて驚くレイナに
「そうだよ？」
っとさも当然とばかりにアッサリと答えた。
「龍聖？いつから精霊を出しているんだい？」
っと流石の龍徳も驚いて質問するとさらに驚愕する事となる。
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