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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!173


命の試練に難航したのは、またしてもナツと龍徳であった。

ナツが見せられた光景は、レインベールがソンメルによって略奪された時の光景。

愛するものが次々に殺されていく中、逃げ惑う民を救えず、追ってから逃げ続けた。


少し違うのは、一緒に逃げていたはずのハルとアキが、追っ手としてナツを追いかけている事。

たった一人で何人もの追っ手から逃げ続けるナツに向けられる心無い数々の言葉がナツの精神を蝕んで行く。


「ナターシャ姫のせいで、国民が死ぬのだ!」

「お前が死ねばレインベールは救われる!」

「死ぬ事がお前に出来る事なんだぞ!!」

「いい加減に諦めろ! お前の命を差し出せ!」


『何も言い返せない自分が悔しい・・・どうしたら良いの・・・』

っと追っ手は全員、敵ではなく見方であった者達だからこそ反撃する事さえ出来ない。

自分を守り傷付いた者達から浴びせられる言葉がナツを苦しめていたのだった。




一方龍徳は、最愛の妻が死ぬ事になった最後の日の光景であった。

見せられる光景で、直ぐに妻の危機を悟った龍徳が、本来であれば友と作った会社の後始末をしていたが、それを全てすっぽかし、自分の家へと駆けだした。


本来であれば車で戻った場所も現在なら身体強化を施した方が、圧倒的に速い。

自宅に戻ると本来、間に合わなかった妻が生きている。


ガチャっと扉を開けリビングに向かうと

「龍徳さん♪ お帰りなさい♪」

そう言って6年前まで龍徳に向けられていた笑顔を見せてくれた。


「ナツミ・・・良かった・・・」

「そんなに慌てて戻って来てくれたの? クスクス♪ ありがとう~大好きだよ龍徳♪」

っとヘタヘタっと力無くしゃがみ込んでしまった龍徳の傍に膨れたお腹を大事そうに支えながらやってくると愛しそうに抱きしめた。


「愛してるよナツミ・・・良かった・・・本当に良かった・・・」

龍徳の目からは一筋の涙が零れ落ちる。

「クスクス♪ どうしたの? そんなに心配だったの♪ フフ♪ 愛を感じるね♪」


「ああ・・・当然だ・・・俺は・・・」

龍徳が最愛の妻に愛を囁こうとした瞬間、景色が一変する。



アナフィラキシーショックから妻を守る為に一切の虫が入らない様に作られた部屋の壁に亜空間が現れ一匹の巨大なスズメバチが入って来た瞬間を目撃した龍徳の目が驚きに見開いた。

「ナツミ!!」


慌てて妻を守ろうとするが、不思議な力が働いているのか身体を動かす事が出来ない。

愕然とする龍徳の前で、そのスズメバチが意志を持ったように空中に浮かぶ。

そして、自分の妻を殺した蜂の姿が、見た事もない老人へと姿を変えた。


「クックック・・・今度も間に合わなかったな・・・余に懇願して命乞いして見せよ・・・そうすれば余の心が動くかもしれんぞ?・・・」

「き・貴様・・・」

怒りに我を失いそうになるが、ピクリとも身体を動かす事が出来ない。


「余の軍門に下れ!そうすれば貴様の妻を助けてやろう・・・」

「ふざけるな・・・」


「ふむ・・・なら!そのまま貴様の嫁が死ぬところを見続けるが良い!!」

っと手に持った杖の先から針が飛び出しナツミに向けられる。

「ま・待ってくれ・・・」


「どうした? 余の軍門に下る覚悟が決まったか?」

『これは、幻覚・・・試練なんだ・・・だが・・・嘘だと分かっていても・・・2度もナツミを殺されてたまるか・・・』

「クッ・・・どうすれば良い・・・」

握りしめた爪が食い込み血が滴り落ちる。


「クックック・・・良い趣向を思い付いた・・・」

っと杖をトンっと床に着くと龍徳の前にナツとレイナの姿が現れた。

「ナ・ナツ!?・・・それにレイナ君!!」



こちらも良ければ読んでくださいね♪

■「そこにいる君に逢いたくて。」を新しくアップ致しましたので、宜しければご一読ください。

毎週水曜日と土曜日の朝7時に更新いたします

https://ncode.syosetu.com/n0341hc/


■「勇者撲滅! 2度目の人生はハッピーエンドで!」もアップしていますので宜しければご一読ください

https://ncode.syosetu.com/n6920gm/

火曜日と金曜日の朝7時に更新します。11月分まで予約してあります。


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