小さな小さな 大冒険!169
龍聖は2番目ではないのか?っと言われるとレイナの中では違うのだ。
龍聖は2番目に大事だと言うには失礼だと思っている。
言い換えれば龍徳がダントツの1位であれば、龍聖は1.01位の様な考え方であった。
本人の意識が投影されるため、レイナの中には龍徳の姿しかいない。
その為、試練が中々始まらず押し問答となったせいで、2番目であっただけなのだ。
「と・兎に角!もう一人大事な人間を思い浮かべよ!!」
「えぇ~・・・そう言われても・・・あっ!そうだ♪ だったら~♪」
っと現れたのは、レイナが勝っていた猫のペットであった。
「ね・ねこ・・・まあ良いだろう・・・」
そう言って龍聖と同じ様にセリフを述べるもレイナも躊躇なく龍徳に抱き着いた。
「ですよね~・・・」
っと半ばあきらめの声が木霊したのだった。
答え合わせをするのであれば、レイナの猫は既に死んでいる。
それなのに助からないと言われてもピンとこないのだ。
それよりも龍徳に抱き着きたいという思いが強いだけで、レイナにとっては何の試練にもならなかったのだった。
続いてソーマ。
現れるは、龍徳と龍聖の姿。
これは、ソーマにとって意外であった。
「グルル・・・ほう~・・・吾を倒せる2人は吾の主だとは分かっておるが・・・フム・・・」
そして、同じ様なセリフを述べられるのだが、暫くの間ソーマはどちらも助ける事が出来ないでいる。
するともう一度声が響き渡った。
「どちらか一人を選べ!そして、理由を述べよ!」
そう言われてもソーマは動かない。
『う~む・・・吾より強い者が、この程度で助からんとは・・・有り得んであろう・・・龍徳を助けに行ったら龍聖殿を救わないと言う事でボコボコにされるに決まっておる・・・そもそも必要が無いのだ・・・龍聖殿など空も飛べれば転移もある・・・と言うか・・・この程度の状況など笑って楽しんでいると思うのだが・・・』
そして、何度目かの問いに出したソーマの答えは・・・
「うむ・・・どちらも助ける必要が無いのだが・・・」
であった。
しかし、これが正解なのだ。
そして、難航しているのはナツと龍徳であった。
ナツの前には龍徳と龍聖の姿が現れている。
「私が助けなければ・・・どちらかが死ぬ・・・せ・精霊様?で宜しいでしょうか・・・出来れば私と龍徳様を交換しては頂けませんか?」
っと予想外の言葉に声の主も困り果てていた。
一方龍徳はと言うと
目の前に龍聖と今は亡き妻の姿。
頭では、妻を助ければ済むと分かっているのだが、我が子を助けない等の選択肢は龍徳にはないのだ。
距離の離れた2人を一瞬にして救えるかどうか・・・
そんな事を考え行動に移せないでいる。
そして、同じ様に悩む2人に段々と痺れを切らした声の主が制限時間を言い出した。
「5分以内に答えを出さねば失格とする。」
そして、ナツの出した答えは・・・・
「魔力全開放・・・」
ヒュゥ~っと冷たい冷気が立ち込める。
次の瞬間・・・
「アブソリュートゼロ・・・コキュートス(極寒地獄)!!」
っと馬鹿げた魔法を切り立った崖に放つ事で、2人の足元を全て氷で覆う。
そして、同時に2人を救う荒業に出たのであった。
「あ・アブソリュートゼロだと・・・何故・・・小人がその様な魔法を・・・」
っとナツの回答を待たず景色が変わって行く。
そして、龍徳は龍徳で・・・
「ハァァァ~~!!! ドルオーラ全開!!」
ドンっと凄まじい魔力が吹き荒れた。
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