小さな小さな 大冒険!166
4人の返事を待たず頭上の炎が徐々に大きくなっていき倍の大きさとなったところで止まる。
「なるほど・・・ここまでで何か気が付いた事はあるか?」
これに反応したのはナツであった。
「違和感があります・・・・」
「ほう~・・・どう言う風にだ?」
「今の様な球状の魔法なら本来であれば、倍の大きさにする為に使用する魔力量は4倍に消費すると思うのですが・・・龍徳様の魔力が倍程度しか感じられませんでした・・・」
「大したものだな・・・どうやらナツは魔力感知が優れているな・・・」
「いえ・・・そんな事は・・・」
龍徳に褒められ照れてしまうナツだったが、他の3人は感じ取れない程度の誤差だったのだろう
「本当ですか部長!?」
「グルル・・・そんな小さな魔法では分からん!」
「うんとねぇ~龍聖君分かんない♪」
「だったらこれなら分かるか?」
っと頭上の炎球が一気に10メートル程の大きさとなった。
「もう一度やるから確認してみろ。」
そう言って一気に20メートル程の炎球へと姿を変える。
その瞬間ソーマとレイナがピクンっと反応を示した。
「本当だ・・・何で・・・」
「グルル・・・どう言う事だ?」
眉を凝らしてその光景を見つめる2人に話を続けた。
「簡単に言えば、魔力のコントロールが、さらに細かい調整が出来る様になっているって事だ。」
「余計に分からん!もっと簡単に教えんか!」
っと鼻を鳴らして龍徳に近づくソーマに頭をカクンっと落としてしまう。
「魔法の威力は込めた魔力量によって異なる事は分かるな?」
「勿論!!」
「フム・・・では、範囲魔法がイコール魔法の大きさである事は分かるよな?」
「そんなもの常識ではないか!」
「あっ・・・」
っとここで、レイナが口元を抑えて目を見開いて龍徳を見た。
「そう言う事ですか・・・」
「どうやらレイナ君は気が付いたようだな♪」
「グルル・・・どう言う事だ?」
「やれやれ・・・良いか?」
「うむ・・・」
「今まで俺達が使っていた範囲魔法は魔力を込める事で、大きくなってはいるが、それに伴って威力も増大するよな?」
「そんなもの当然であろう!」
「ここで、問題だ。例えば目の前に1メートル程の大きさの魔法で倒せる魔物が100体いるとする。
その魔物が直径300メートルの範囲にまとまっているとしたらソーマならどうやって倒すんだ? 一匹ずつだ押すか?それとも範囲魔法で一気に殲滅するか?どっちだ?」
「そんなもの一気に殲滅してくれるわ!!」
「だよな・・・俺も同じだ・・・そうなると本当なら直径1メートルの魔法を100発・・・言い換えれば1メートルの魔法に込める魔力が100だったとした場合、100体の魔物を倒すのに消費する魔力量は10000で済む。」
その龍徳の言葉を聞いてソーマが手を使って掛け算をブツブツ呟く。
「ここまでは良いか?」
っと言われて汗を流しながら「当然であろう!!」っと胸を張る。
「ところが、直径300メートルとまでは言わなくとも一撃で殲滅させるためには100メートル程の極大魔法をつかって俺達は魔物を倒していた。そうなると莫大な魔力を注ぎ込むため魔法の種類や威力迄自然と変わってしまうよな?」
基本的には魔力量が3~5倍も消費量が変われば別の魔法と言ってもいい程なのだ。
分かり易く例えるのであれば、直径10㎝のボールを時速100㎞で発射した時の威力と直径20㎝のボールを時速200㎞で発射した時の威力では、全く別物であると言う事と同じなのだ。
そうなると直径100メートルを超える魔法となれば1メートルの魔法と比べ消費する魔力量は1万倍以上も違ってしまい、起き差だけではなく威力迄もが、何百倍も違うものとなる。
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