小さな小さな 大冒険!160
「それだけで・・・ここまでして下さるのですか?」
「クスクス♪ やっぱ分からないか♪ 俺にして見れば今・・・この時点でさえもワクワクさせて貰えるんだ・・・不適切な表現をするなら・・・嬉しくて仕方がない。楽しくて仕方がないんだ・・・ナツを助ける事が俺の夢を叶える事に繋がっているんだよ♪」
そう言われても本当に命がかかっているのだ。
しかも、龍徳にとって命より大事な龍聖に迄、被害が及ぶ可能背すらある。
万が一、その様な事があれば・・・そう考える事は当然だろう。
「ですが、龍聖君に何かあったら・・・」
「だから、この一年間で鍛え上げたんだよ・・・徹底的に・・・昨日の自分より明日の自分の方が強くなる為に・・・力も・・・知恵も・・・そして、技もだ。」
「それでも危険である事に変わりはありません・・・」
「そうだな♪ だから俺が危険だと判断したら全員を連れて逃げるよ♪」
「そうなのですか?・・・それを聞いて少しだけホッとしました・・・」
「とは言っても・・・逃げる事はしないだろうけどな・・・」
先程と打って違う龍徳の表情にハッとする。
「それは・・・どう言う事なのですか?」
そして、龍徳が静かに口を開いた言葉にナツが目を見開いて驚いたのだった。
「それは、本当の事なのですか?」
「ああ。恐らく間違っていないはずだ・・・そうなると俺がいる意味がある訳だ・・・」
「ですが・・・確かに龍徳様の話に似たような情報が神書に載っていました・・・」
「ほぅ~その話を聞かせてもらいたいな・・・」
っとナツからの話を聞いて旧約聖書の内容に興味を持った龍徳が
「ナツ・・・ちょっと試したい魔法があるんだが・・・」
「どの様な魔法ですか?」
「簡単に言えばナツやソーマに施したメモリーコピーって魔法があったよな?」
そう言われて龍徳の言いたい事に気が付いた。
「わ・私はその様な魔法は使えませんよ?」
「違う違う♪ 俺が使うのはナツの記憶を読み取ってコピーするリードコピーって魔法だ。」
「私の記憶を読み取るのですか?・・・そんな事が・・・」
「それで・・・必要以上な情報も読み取ってしまうと問題だから・・・その魔法を使っている間は神書の事だけを考えて貰えると助かるんだよ。」
そう言われて少しは悩むものの龍徳の役に立てるのであれば答えは決まっている。
「分かりました! 私の記憶を覗いていただいて構いません。」
「助かる・・・」
「私はどうすれば宜しいのですか?」
「そのまま座ってくれているだけで良いよ。両手で頭を挟むだけだから♪ ちょっと量が多そうだが・・・長くても5分もあれば大丈夫だろう・・・」
そう言ってナツの頭に両手を添えて魔法を唱えた。
「ブレインダイブ・・・リードコピー・・・」
その瞬間。龍徳の意識がナツの頭の中へと入って行く。
人間は一つの事を考えろと言われて考え続けられるものではない。
その為、ナツの頭の中に飛び込んだ龍徳の景色にはナツの記憶が宇宙空間にシャボン玉のように浮かび上がっている光景であった。
「これがナツの記憶か・・・」
そして、神書の記憶を見付ける為に空間を飛んでいると一際光を放つ球体があった。
「アレだな・・・」
シャボン玉の様な球体には旧約聖書と書かれた書物が映っている。
その球体に手を触れるとナツの記憶が龍徳に流れ込んで行く。
「クッ・・・凄まじい情報量だ・・・」
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