小さな小さな 大冒険!! 16
筆者の神龍です♪
一つの小説を書いている間に他の小説を書きたくなってしまったので、新しくアップさせて頂きました。
もし面白かったら読んでくださいね♪
毎週月曜日と木曜日の朝7時に更新します。
様々なところからミニチュアの建物なども手に入れたので、ハル達には、そこに住んでもらおうと考えている。
屋上も使えるように部屋の中から出れる様に設計されている。
照明は全てLED。冷暖房も完備してあるので快適だと思う。
そとからは、中が見えない様にすりガラスにしてある。天井にも取り付けてあるので、日中はかなり明るい。
ある程度の生活用品も購入したので、人間が普通に生活できる程度には揃っている。
魔法の練習用にレンガで囲った空間の中に小さい木材や切断した鉄やアルミ、ステンレスなど使えそうだと思ったものを大量に運び入れた。
これには、小人の三人も我が子、龍聖も大喜びだった。
龍聖は、巨大な遊び場が出来た事と少しづつ使えるようになった魔法がいつでも練習できる事で、メチャクチャ興奮していた。
アキは、俺の魔法の練習の為に5重結界を構築してくれていた。
どうやら鍛治経験もあるらしく鉄やステンレス等の鋼材には大喜びだった。
流石に4cmサイズの洋服が見つからなかったので、薄での生地や絹などのを用意してあげたらハルが大喜びで洋服を作っていた。
ナツは、豪邸のミニチュアを非常に気に入ってくれ。幸せそうにしていた。
そんな生活が暫く続くと梅雨時期へと季節は移っていった。
龍聖も保育園の年長となったので、市内にいる俺の両親の家に週一回泊まりに行く事となった。
以前から遊びに来いと煩かったが、とうとう龍聖だけでも泊まらせろと言い出していたので、年長になったらと躱していたが、余りにも煩かったので、この様な事になった。
龍聖が可愛いのは分かるが・・・何てほやけた顔をしているんだろう・・・。
まぁ・・・これで、社員との付き合いやお客様との接待も安心して行けるようになったから良かったとしよう・・・。
◆◆ ◆ ◆ ◆
SIDE:鈴木レイナ
「きゃぁぁぁ♪ 明日は、待ちに待った神谷部長と久しぶりのデート♪ 何を着ていこうかなぁ~♪」
今では、龍徳の専属秘書の様な鈴木レイナが、先週龍徳と約束していた食事を前に舞い上がっていた。
「明日は、大胆に行くんだから・・・クフフフ♪ 覚悟して下さいよ神谷部長♪」
何やら悪巧みをしているような笑顔を浮かべて呟いていた。
「おはよう~♪」
「おはよう・・・って!鈴木さん・・・何か・・・随分気合入ってる恰好ね?」
「そ・そうかしら? 普通よ!普通!」
前日には美容室に行きセットアップが完了。
化粧もいつもより気張っている。特に艶のある唇に目が奪われる。
洋服に至っては、胸元の開いたセクシーな服装であった。
「ドキン! ドキン!」
逸る鼓動が世話しなく耳に届く。
「お疲れ~! 鈴木さんは今日も残業するの?」
話しかけてきたのは、営業の田中さんだ。
「え~っと・・・今日は用事があるので、もう帰りますよ?」
「そっか~残念! 神谷部長が食事に誘ってくれたんだけどなぁ~」
「はっ・・・はいぃっ?」
しまった~!てっきり二人きりだと思ってた・・・。一芝居打たなければ・・・。
「もしもし~どうしたの? えぇ~!今日の約束キャンセル~? 分かった~大丈夫~また今度ね♪」
鳴ってもいない携帯に向けて精一杯の演技をしている。
「あちゃ~今日の予定なくなっちゃったよ~・・・で!今何の話だったかしら?
「あれ? 携帯鳴ってた」
キッ!余計な事に気が付くんじゃない!
「あぁ・・えぇ~っと・・・神谷部長が食事に行こうって言ってるんだけど・・・鈴木さんは・・・用事が無くなったのかな?」
するとかなり食い気味に返答するのだった。
「そうなんだ~ じゃ~私も予定が無くなったからご一緒させて貰おうかな♪」
「おっ・・・おう! 皆も鈴木さんが参加してくれるんだったら喜ぶよ♪」
くっ! やりますね! 神谷部長! 私は、負けませんからね!
こうなったら・・・二人っきりで二次会よ!
「お疲れ様♪ 皆のお陰で、我が社の業績は鰻登りだ! 今日は、皆の健闘を称えて食事の場を設けたから存分に英気を養ってくれ! では、皆の成長に乾杯!」
「「「「「かんぱ~い♪」」」」」
偶然を装って神谷部長の左側の席をしっかりキープ!
どうやら、総務の田中さんも営業事務の佐藤さんも狙っていたみたいだけど・・・ここは譲れない!
わいわいと賑やかな話の中、女性陣の殺気に満ちた戦いは水面下で行われていた。
「部長~♪ ビールをどうぞ♪」
神谷部長の右側に座るのは総務部の田中さんだ!
豊満な胸をこれでもかって位部長に見せつけている!許さん!
「部長?お酒の前に少しは胃に食べ物を入れないとダメですよ? 何か取りましょうか?」
「あぁ・・・そうだね♪ 気が利くなレイナ君は♪」
良しっ!先ずは私の勝ちね!
「グヌヌヌヌ!」
チラッと田中さんを見ると悔しそうに下唇を噛みしめていた。
「は~い♪ 部長どうぞ♪」
「サンキュー♪ うん! これは、美味しいな♪」
すると、第二戦が始まるのだった。
「本当~♪ 美味しい~♪ 流石、神谷部長がお店を選んだだけの事がありますね~♪」
しまった!先手を打たれた・・・部長の顔に見入ってしまった。
くっ! 田中みなみ~!
「ん? この店は佐々木係長が予約してくれたんだけど? 佐々木さん! 総務の田中さんが、ここの食事を絶賛しているよ♪」
「そうだろう♪ ここのお店は本当に人気があるんだよ!・・・」
そのまま気を良くした佐々木係長に田中みなみが巻き込まれていった。
良しっ!危なかった~ 助かった・・・。ふっ!戦わずして2勝目!これで、当分は神谷部長を独占だわ♪
そんな事を考えていると頭をポカっと叩かれた。
「こらっ! 折角、美味しい食事なんだから楽しみなさい! しかめっ面バカリしてたらレイナ君の綺麗な顔が台無しだぞ? ほらっ!」
私の事を心配した神谷部長だった。
「そ・そんな・・・綺麗だなんて・・・すいません・・・有難うございます。」
勝負に夢中だった私の事を心配した神谷部長がさり気無く食べ物を私の為に用意してくれていた。」
「はぁぁぁ 本当に・・・美味しい~♪」
本当に美味しかったのだろう・・・恍惚とした表情をした後、笑顔が零れていた。
「クスクスクス♪ だろう? それにしても・・・レイナ君は微笑んでいた方が素敵だぞ♪」
「はぅ! そ・そうですか? あ・有難うございます♪」
う・・・嬉しい♪ 部長が私の事を見てる・・・。
胸が苦しい・・・。初恋でもここまで胸が締め付けられる経験はした事が無い。
「ほら!シッカリ食べろよ♪」
「は・はいっ! 有難うございます♪」
幸せに浸っている間に第三の刺客が忍び寄っていた。
「部長~♪ はいどうぞ♪」
テーブルの端にいた事務の佐竹さんが、一人一人にお酌をしながら部長と私の間に割って入ってきた。
なっ! くっ! これは・・・やられた!
「神谷部長~! 私テーブルの端だったから部長と乾杯できなかったんですけど~」
「ハッハッハ♪ だったら乾杯するか?」
「有難うございます♪ えぇ~っと・・・コップは~・・・レイナさん?そのコップ取って頂いても良いですか?」
ニヤぁ~っと勝ち誇ったかのような嫌らしい笑みを向けてきた。(あくまでもレイナのビジョン)
「コップ?あぁ・・・はいっ!どうぞ♪」
「有難うございます♪」
すると・・・神谷部長が・・・神谷部長が~!!
「ほら!佐竹さん!」
「あっ! 申し訳ありません・・・・。部長にそんな事させられません・・・手酌しますので・・・」
「そんな事を気にするな! よっと♪ ほら!乾杯♪」
「あっ!はい・・・乾杯~♪」
嬉しそうに部長に注がれたビールを飲み干す佐竹カンナ
「良い飲みっぷりだな♪ もう一杯飲んでいくか?」
「はい♪」
2杯目は遠慮なく神谷部長からビールを注いでもらっている。
「部長~♪ もう一回、乾杯しましょう~♪」
「クスクスクス♪ はいはい♪ じゃ~カンナ君の健康に乾杯~♪」
グヌヌヌヌ・・・佐竹カンナめ~!
その時、私の左隣にいた営業の本田さんが話しかけてきた。
「鈴木さん!今日は一段と綺麗だね♪ どうしたの?」
「え?えぇ~っと・・・今日は他の予定があったんだけど・・・キャンセルされちゃって・・・」
「そうなんだ~ もしかして・・・デートだったとか?」
はいはい・・・野暮な質問。
「フフフ♪ ご想像にお任せします♪」
「えぇ~!そうなの?」
「さぁ~どうでしょうね♪」
はぁ~つまらない・・・さっきまでの幸せな時間が・・・部長も部長よ!佐竹さんはお酌をして回っているんだからね! 他の人にも回るんだから呼び止めたらダメじゃないの!」
すると私の思いが伝わったのか
「おっと!これ以上カンナ君を呼び止めたら他の社員に悪いな♪ 俺の事はもう良いから他の社員にもお酌してあげて貰えるかな?」
「そんな~私・・・部長ともう少しお話ししたかったのに・・・」
「そうか? それは、嬉しいな♪ だけど・・・誰にも言われないで、お酌が出来るのは、気が利く人なんだぞ? そんなカンナ君の優しさが見れて嬉しかったんだが・・・」
「そ・そうなんですか?」
「ん?お酌の事か? そうだな・・・俺が社会人になったばかりの頃は、上司に教えて貰はないとお酌なんか出来なかったからな・・・誰にも言われないで、出来るカンナ君の良いところだと思うぞ?」
「へぇ~♪ 部長ってそんな事まで見て下さっているんですね♪」
「そんな大した事じゃないぞ? だから、大変だろうけどカンナ君の気遣いで皆を楽しませてあげて貰えると俺も嬉しいな♪」
「はい♪ 分かりました。 でも、今度はお話させて下さいね♪」
そして、佐竹さんは隣へと移っていった。
はぁ~・・・助かった。
すると!コツンと頭をたたかれた。
「こら! レイナも俺の右腕ならお酌位言われなくてもするものだぞ!」
「・・・嫌です!」
「なに? そんなに嫌なのか?」
「はい! 部長なら喜んでお酌しますけど・・・」
と話しながらも少なくなった神谷部長のコップにビールを注いだ。
「頑固と言われようが、どうしても私が認めた方以外の人にお酌したくありません・・・。」
嫌われただろうか・・・だけど・・・何か媚びへつらっている様なイメージがどうしても拭えない。
すると神谷部長が笑い出した。
「プッ♪クックック♪アッハッハッハッハ~♪ お前は本当に俺に似ているんだな♪ いや~スマンな♪」
そう言いながら私の頭をクシャクシャっと撫でてくれた。
私は意味も分からずキョトンとしていたら
「ハハハ♪ 意味が分からないって顔をしているな♪ いや~さっきはカンナ君にあ~言ったけど・・・本当は、俺もお酌して回るのが嫌いなんだよな♪ 内緒だぞ♪」
そう言いながらニィ~っと悪戯っ子の様な顔で笑う神谷部長にスギュ~ン!と一発で私のハートは射止められてしまった。
「そ・そうなんですか? だけど・・・さっきは・・・」
「ハハハ♪ そうだな・・・レイナには教えるけど、俺の若い頃は部長以上がお酌に回っていても全社員がお酌に回っていても一回も動いた事が無かったな・・・。」
「本当ですか? さすがに私でもそこまでされたら回りますよ?」
「そうなのか? だったらレイナは俺より優れているんだね♪ 楽しむ為にお酒を飲んでいるのにお酌して回っていたらつまらないだろう? だから、若い頃は、本当に言われてもやらなかったな♪」
「はぁぁぁ・・・」
「クックック♪ そう言う人間ぽい表情の方が好感が持てるぞ♪」
「へっ! し・失礼しました。」
「なんだ・・・もう元に戻しちゃったのか? だけど・・・今はお酌の大事さが分かったから俺もやれるようになったけどね♪」
「そうなんですか? お酌の大事さ・・・ですか?」
「そう・・・ガキだった頃は気が付きもしなかったんだけどな・・・一定の役職以上の者がお酌して回る事には、意味があるんだよ・・・。」
やっぱり・・・部長の話は、面白い♪ グングンと引き込まれていく。
こちらも良ければ呼んでくださいね♪
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