小さな小さな 大冒険!150
そして、20分後。
「龍徳様の気配です!」
「そうね!間違いなく龍徳さんの気配だわ♪」
っとナツとレイナが喜びを顔に表すと速度を落とした龍徳が目の前に現れたのだった。
「グルル・・・予想以上に早かったな? 何か分かったのか?」
「ああ♪」
っと龍徳が第一の試練の内容を4人に伝える。
「ほぅ~・・・そう言う試練であったか・・・」
「って事は・・・この状態で私が魔力を高めたら私の姿が離れて行くって事ですか?」
「原理としてはそうなるな・・・面白そうだ♪ レイナ君試してみれば良いじゃないか?」
っと龍徳に言われ立ち止まる4人の前でレイナが魔力を高め始めると
「龍徳様に教えていただいたから分かってはいるのですが・・・不思議です・・・」
「グルル・・・これは面白い原理だ・・・なるほど・・・あのまま走り続けていたら何日掛かったか分からんな・・・」
「ほぇ~♪ レイナちゃん立ったままいなくなっちゃった・・・うぅ~♪」
キラキラした目を龍徳に向けて
「どうした龍聖?」
「次、僕の番で良いでしょうパパ~!!」
どうやら遊べると思ってやりたくなったようだ。
「はいはい♪ でも!余り離れたらダメだからな!」
「は~い♪ じゃ~行ってきま~す♪」
っと爆発的な魔力を噴き出し一瞬で消えていった。
「グルル・・・相変わらず出鱈目な魔力だ・・・」
「アハハ・・・流石は龍聖君ですね♪」
「って!俺達も後を追うぞ!」
っとナツとソーマには身体強化で走りながら魔力を増大させながら2人の後を追った。
その頃、レイナも魔力によって進んでいる事を魔力探知によって実感していると
「レイナちゃ~ん~・・・・・」
っと龍聖が近づいてきて一瞬で消えていった。
「へっ?今の・・・龍聖君?」
っと余りにも一瞬の出来事に後を追うか迷っていると龍徳達の気配が近づいて来ることが分かり3人の速度に合わせてレイナも走り出し合流したのだった。
「レイナ君!龍聖は?」
「凄まじい速さで消えていきました・・・」
「ったく・・・兎に角、急いで龍聖と合流するぞ!」
っと流石に洞窟を抜けるまでは無事だと思うが、我が子を一人にしてしまえば慌てない親はいないだろう。
30分後。やっと龍聖を捕まえ龍徳から叱られた龍聖がレイナの胸の中で泣きじゃくっていた。
「ウェ~ン・・・ゴメンなさ~い・・・グス・・・」
「龍徳さん・・・龍聖君も反省した事ですし・・・」
っと龍聖の援護をするレイナだったが・・・
「龍聖!次にパパとの約束が守れないなら、今からでもお爺ちゃんのところに連れて行くからな!」
「いやぁぁぁ~!!ウェ~ン・・・パパァ~もうしないからぁ~ウェ~ン・・・」
「龍聖君? パパは龍聖君の事が本当に心配なの・・・だから、もう約束は破ったらダメだよ?」
っとナツの言葉に涙を流しながら頭をコクコク振っている。
「やぐぞぐずる~・・・パパと一緒がいい~ウェ~ン・・・」
「こう言っていますし・・・龍徳様も、そろそろ許してあげて頂けませんか?
「おいで!」
っとレイナの胸で泣いている龍聖に手を向けると一瞬で龍聖の上の中へ飛び込んだ。
「パパァ~」
「もう勝手な事をしたらダメだからな!」
「ゴメンなさ~い・・・グスン・・・嫌いにならないでぇ~」
「ん? パパが龍聖君を嫌いになる事はないからね?」
「グス・・・ほんとう~?」
「ああ♪ でも!今回は本当に危険な旅なんだから・・・これからは絶対に調子に乗らない事!!」
「うん! 龍聖君、約束する!!」
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