小さな小さな 大冒険!146
左にいるナツに抱かれた龍聖に目を向けて話しかけると
「僕ねぇ~新しいお母さんはレイナちゃんとナッちゃんが良いなぁ~♪」
っと純粋な目を龍徳に向ける。
「「「ブッ・・・」」」
龍徳だけではなくレイナとナツまでも吹き出してしまう。
「ば・馬鹿な事を言わないの!」
「エェ~!龍聖君はナッちゃんとレイナちゃんが良いのぉ~!!」
「えっと・・・私は龍聖君のお母さんになってもいいかなぁ~♪ なんて・・・エヘヘヘヘへ♪」
『クッ・・・こいつは・・・チャンスとばかりに・・・』
龍徳としても頭を過ってしまうものの今はそんな事を考えている暇はない。
「わ・わたしは・・・」
『私は・・・どうしたいの・・・って・・・シッカリしなさい・・・私には民を救う使命があるでしょうが!! って・・・何を迷うことがあるのかしら・・・そんな事・・・当然なのに・・・』
龍徳の後ろにいるレイナと龍聖が楽しそうに会話する光景に胸が痛む。
『胸が痛い・・・何なの・・・この痛み・・・』
「こら! 無駄話はそろそろ終わりだ! ここから先は、集中しないとダメだからな!」
「はい・・・申し訳ありません・・・」
「パパに怒られたぁ~・・・」
「お・怒ってないよ? 怒ってないからねぇ~♪」
っとションボリしている龍聖のご機嫌を取ろうとオドオドしている龍徳を見てソーマが突っ込んだ。
「グロロロロ♪ 流石の龍徳も龍聖殿には弱いな♪ この際、2人共妻に娶れば良いではないか!」
「お前は黙っていろ!!」
「グハッ・・・痛いではないか!!」
「煩い!下らない事を言ってないででサッサと行くぞ!」
っと揶揄うソーマのボディーを殴り洞窟の中へと入って行った。
洞窟と言うには余りにも大き過ぎる入り口に圧倒されてしまう。
高さはゆうに30メートルはあるだろうか・・・
入り口が大きいからか暫く進んでも一向に暗闇にはならない。
それなのに先が見渡せないのだから違和感が半端ない。
どこまで続くとも分からない洞窟の中を走り抜ける事1時間。
徐々に天井が低くなったような気がするが、未だ洞窟の中を走り続けていた。
「これは・・・既に試されているのかも知れんな・・・」
っと龍徳が呟いた言葉は隣にいたナツにだけ届いたようだ。
「ええ・・・そうかも知れません。」
違和感に気が付くのも当然だろう。
現在5人の姿は巨人の状態なのだ。
その状態でナツの速度に合わせて身体強化しているのだから、最高速度とはいかないまでも現在時速40㎞程で走り続けているのだから既に40㎞は進んでいてもおかしくない。
以前ナツが話してくれた小人の国の大きさは、縦横16㎞。
小人の大きさで640㎞四方だとは言え、既に40㎞も走っているのに未だ抜け出す気配すらなかった。
北の結界は特殊だとナツから聞かされてはいたが、予想を超える空間が広がっていた。
1年前の戦いの時に小人の国の中から北の結界の出口を探す事が出来なかった龍徳がナツから聞いた事があった。
「質問しても良いかナツ?」
「はい♪ どうされたのですか?」
「南の結界の場所は分かったけど何で北の出口だけは存在しないんだ?」
っとイキナリ話を振られ戸惑うナツが口を開く。
「龍徳様・・・まさか全ての結界の場所を調べられたのですか?」
「ん?・・・そうだけど・・・何かまずかったか?」
「いえ・・・ただ・・・」
何故か言い難そうに言い淀んでしまう。
「ただ?」
「その・・・最後の戦いの前に・・・まさかそんな事をされているとは思わなかったものですから・・・」
「あぁ~・・・そんな事か♪ 念の為にな・・・」
こちらも良ければ読んでくださいね♪
■「そこにいる君に逢いたくて。」を新しくアップ致しましたので、宜しければご一読ください。
毎週水曜日と土曜日の朝7時に更新いたします
https://ncode.syosetu.com/n0341hc/
■「勇者撲滅! 2度目の人生はハッピーエンドで!」もアップしていますので宜しければご一読ください
https://ncode.syosetu.com/n6920gm/
火曜日と金曜日の朝7時に更新します。11月分まで予約してあります。




