小さな小さな 大冒険!145
魔力を高めると無意識に行っていたのだが、これを意識して行えるようになるとさらに威力が増大する。
確かに魔力回路が太くなった方が、一度の放出する魔力量が増えて極大魔法が使用できるが、威力が違う。
さらに!魔力回路を意識して魔法を使い続けているだけで、肉体が活性化して身体能力が上がり続けるのは自分の身をもって体験済みだ。
この作業を無意識で行えるようになれば良いのだが、まだ、そこまでの境地には誰も達していない。
それでも、巨人状態で修行させ続けた事で、細かいコントロールを身に付けたナツとソーマは、見事俺の修行をクリアしたのであった。
富士の樹海に足を踏み入れ10分後。
「この岩がそうだな・・・」
っと魔力があるからこそ一目で分かる。
「間違いありませんわね・・・」
5人の前には高さ8メートル程の大きな岩が2つあった。
岩と岩戸の間が10メートル程放てていて岩の頂上にもアーチを描くように変形した樹木が生えていた。
パッと見ると蔦や苔で埋め尽くされている為、周りの景色に同化していて魔力がなければ気が付く事も出来なかっただろう。
富士山から近い場所のせいか溶岩の起伏が大きいのか高低差が他の場所に比べると何倍もあった為、巨人の状態で身体強化を使用しなければ簡単に辿り着けるような場所ではなかった。
「やはり、この場所の封印は奴らにバレておらんようだな。」
「そうだな・・・封印が解かれた様子はなさそうだ・・・」
「いよいよですね・・・」
ポツリと呟いたレイナの言葉にナツが固唾を飲む。
「ええ・・・正直怖いです・・・」
攻め込まれてから既に11日が経過している。
全てが破壊しつくされているであろう事は想像しているが、それでも自分の目で見てしまえば言葉を失ってしまうだろう。
「大丈夫だ!俺達が付いている!」
ナツの手を取って決意のこもった目を向けると
「はい・・・」
目を閉じて一瞬微笑むとナツが詠唱を始めたのだ。
「我が名はナターシャ・ディナスティー・レインベール!古の契約に基づき!我が前に真実を顕せ!」
パァ~ッと一瞬光に覆われると眼前の景色が変化していった。
「行くぞ!」
っと龍徳が先陣を切って結界の中へと足を踏み入れた。
すると以前とは違う景色へと変わって行く。
「やはりナツが教えてくれた通りのようだな・・・」
以前は周りの景色の様な森が続いていたのだが、龍徳達の目に映るは、そこそこ幅は広いが両脇が底の見えない崖になっている。
目測で1㎞程先に巨大な岩山があり切り立った一本道が、その下にある洞窟へと続いている。
「どうやらあの中に入る事になりそうですね・・・」
「そうだな・・・」
「ウフフ♪ 冒険の匂いがプンプンするねぇ~♪」
っと龍聖だけは目をキラキラさせて興奮している。
「クスクス♪ 龍聖君はいつも変わりませんね♪ 少しホッとします♪」
っとナツが龍徳の頭の上の龍聖の背中を撫でた。
「ナッちゃん抱っこぉ~♪」
「オイ!暴れるな龍聖!!」
ナツの優しい微笑みが気に入ったのか龍徳の上からナツの方へと身体を傾けた。
「クスクス♪ お姉ちゃんが抱っこしてあげるわね♪」
「わ~い♪」
っと両手を伸ばしたナツの方に行ってしまう。
「ごめんナツ・・・戻ってきなさい龍聖!」
「いやぁぁぁ~!!」
「クスクス♪ 大丈夫ですよ龍徳様♪ 私のこの方が安心しますから♪」
「だったら次は私が抱っこしてあげるね龍聖君♪」
っとレイナも龍聖に話しかけると
「わ~い♪ 約束だよぉ~♪」
「はい♪ 約束です♪」
「ウフフ♪ ねぇ~パパ~!」
「悪いな2人共・・・どうした龍聖?」
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