小さな小さな 大冒険!141
「エヘヘ♪ 今度は僕から攻撃するね♪」
っと龍聖が呟くとソーマの背中に冷たい汗が流れた。
「化け物め・・・」
っと龍聖を睨み付けた。
そう・・・一瞬たりとも目を離さなかったのだが既に龍聖がソーマの懐にいたのだった。
「なっ・・・ゴハッ・・・」
龍聖王となった状態でのパンチは光の精霊がそうびされている為、凄まじい速度のパンチと熱量が込められている。
吹き飛ばされた瞬間、空間転移で気が付くと巨大な氷の中に閉じ込められていた。
「何がなんだか・・・」
ハッキリ言って戦っているソーマにも現状が把握できない。そう思ってしまうが、何とか氷を打ち破ろうと全身に力を入れて逃げ出そうとした瞬間、巨大な落雷がソーマを襲う。
「ギャァァァァ~!!」
っと凄まじい威力にソーマの結界が破られていくと同時に転移結界が氷に閉じ込められたソーマを飲み込み上空へと強制的に移動させられてしまう。
未だに続く雷の魔法に苦しめられ現状の把握が出来ないソーマの頭上には巨大な積乱雲が口を開けていた。
次の瞬間!凄まじい威力でダウンバーストが起きた。
「グギャァァァ~! 目が回る~」
凄まじい回転で回りながら地面に叩き付けられると地面が陥没し大きなクレータを残していた。
「カハッ・・・」
その一部始終を見ていたレイナは・・・
「アハハ・・・何あの魔法・・・あの馬鹿・・・死んだんじゃない?」
っと考える事を放棄していた。
煙が腫れて地面に半分埋まったソーマがピクピクと失神している姿を見て
「あぁ~・・・辛うじてセーフね♪」
っとまるで心配していなかった。
それからと言うもの龍聖もソーマとの戦闘訓練で龍聖王となって戦うようになったのだった。
「メガヒール!!」
っと傷付いたソーマの回復にレイナが尽力している。
「吾・・・勝てる気がせんのだが・・・どうしたら勝てるのだ・・・」
っとレイナに愚痴をこぼすソーマに
「さあね? それは龍聖君に聞いた方が良いんじゃない?」
そう言われて龍聖を見ると
「はぁ~疲れたぁ~♪」
っといつもは汗一つかかない龍聖が変身を解くと呼吸が荒かったのだった。
「グルル・・・龍聖殿! 吾・・・少しは強くなっておるのか?」
っと素直に龍聖に質問すると
「うん♪ この数日でめちゃくちゃ強くなったよ♪ 僕もウカウカしてらんないね♪」
っとアッサリとソーマの成長を認めたのだった。
「ヌォォォ~!!! 吾・・・嬉しい・・・」
っと一人男泣きをしていた。
『アハハ・・・ドラゴンが歓喜で泣くとか・・・流石、神谷部長のお子様ね♪』
っとレイナが感心していた時だった。
「待たせたな!」
っと龍徳とナツが戻って来た。
「パパ~♪」
トタタタタっと龍徳に駆け寄って抱き付く龍聖を嬉しそうに抱き上げ抱きしめる龍徳の顔は幸せそうな笑顔を浮かべている。
「龍聖逢いたかったよぉ~♪」
「龍聖君ねぇ~パパに言われた通り頑張ったよ~♪」
っと無邪気な笑顔を龍徳に向ける。
「そうかそうか♪ 偉いぞ~流石パパの子だ♪」
「エヘヘ♪ パパもっと褒めて~♪」
「よ~しよし♪ よ~しよし♪」
っとペットを撫でる様に我が子を撫でまわす。
「キャハハハハ♪」
っとこの撫で方が好きな龍聖はご満悦だ。
その姿を見ていたソーマが龍徳に声を掛ける。
「お主の子供はどうなっておるのだ? 強いなんてものではないぞ?」
「そうだろう♪ 龍聖は最強だからな♪」
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