小さな小さな 大冒険!137
「・・様、・・・徳様、・・・龍徳様?」
自分を呼ぶ声に目を覚ますと服を着替え終わったナツが龍徳を心配そうにのぞき込んでいた。
「あっ・・・俺寝ていたか?」
「ええ♪ 私のせいでお疲れだったのでしょう・・・本当に申し訳ありません。」
「いや・・・そうか・・・俺は寝ていたか・・・」
周りに人がいるから眠れない等、言うつもりはないが、その為にはスイッチを切り替える必要があった。
なので、仕事と同じで気が抜けない状況の中で、気が抜けるような経験は、妻であったナツミの前以外では初めての事だった。
「私がシャワーを浴びてからでしょうから、寝たと言っても30分程度だと思いますが・・・」
「そうか・・・おっと!そう言えば精霊の話だったな・・・」
それを聞いてナツの顔が引き締まる。
「今の私なら・・・龍徳様の仰っていた事が出来る様になった・・・そう考えて宜しいのですね?」
「そうだな・・・その前に・・・試したい事があるから一旦外に出ようか?」
「外ですか? 分かりました」
そして、コテージから出ると小人化して精霊を使わずにナツに全力の魔法を使わせた。
「こ・これを私が・・・」
「ふむ・・・これは予想外だったな・・・」
そして、ナツの精霊を呼び出し、話を進めて行ったのだった。
9日目。
その頃、砂浜で修行を続けていた龍聖達は、より実践的な戦闘訓練を行っていたのだった。
正確に言えば龍聖だけは遊びの延長なのだが、驚いた事に龍聖がソーマとの戦いで四属性の精霊をその身に宿していたのだった。
「グルル・・・ったく・・・信じられねぇ~強さだ!」
「本当に龍聖君は凄いねぇ~♪」
「ウフフ♪ レイナちゃんに褒められたぁ~♪」
少し前の事
「グルル・・・段々魔力の使い方が分かってきたな・・・」
今までの様な大技だけではなく様々な方法を使って龍聖と戦えるようになったソーマが、龍人化とは言え5分も龍聖と戦えるまでに成長していた。
「ソーマ君強くなってきたねぇ~♪」
「クッ・・・悔しいが言い返せんな・・・だが!そろそろ勝たせてもらうぞ!!」
そして、龍聖が放った攻撃を躱すと接近して自分の両指に魔力を集中させると吹き出す魔力が爪の形となって龍聖を切り裂いた。
「ざんねんでしたぁ~♪」
っと龍聖の言葉が背後から聞え切り裂かれた龍聖の姿が光の粒子と共に消えていく。
「この魔法・・・全く見分けがつかんな・・・」
「フフ♪ 忍法!光陰分身の術!!」
龍徳も以前何度も見せられた事がある龍聖の幻影魔法だ。
理屈だと光魔法と闇魔法の複合魔法らしいが、龍徳には使えない。
この魔法のフザケタところは・・・
「そっちか!! グッ・・・こんな魔法・・・喰らえ!!」
龍聖の声が聞こえる方に振り向き攻撃を仕掛けようとしたら一瞬で氷の矢が数十発ソーマを直撃したが、全属性防御結界によって防ぎ切ったソーマはそのまま龍聖を切り付けた。
「キャハハハァ~♪ またまた残念でしたぁ~♪」
っと切り付けた龍聖が光の粒子となって消えていく。
「クソ!分身が攻撃してくるとは・・・何てフザケタ魔法だ!!」
お分かりだと思うが、この龍聖の光陰分身の術は、少しの間だが、本人同様に魔法攻撃をするのだ。
その為、一瞬の攻防では見抜く事が困難であった。
そして、当の本人は転移ゲートを潜って一瞬で場所を移動しているのだからソーマとしては、勘弁してくれっと正直思っていた。
だが、ソーマもこの世界の最強種族。
龍聖と戦う程に強くなっていた。
「だったら!ドラゴンノバァ!!」
っと自分を中心に広範囲の爆発魔法を放ったのだった。
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