小さな小さな 大冒険!131
ナツも龍徳のパーフェクトヒールによって致命的な攻撃を受けたとしても回復してレイナとの戦闘訓練を続けていたが、ハッキリ言ってレイナとの実力差が大き過ぎた。
理由は簡単で、魔力量は殆ど差が無くなって来たのだが、魔力の圧縮と発動の速度が圧倒的に違うのだ。
先も述べたが、龍聖との差が大きかったレイナ君も今では、龍聖が5発魔法を放つ間に1発は放てるようになっている。
っと言っても龍聖も凄まじい速度で成長しているので、世界中を旅していた途中の龍聖であれば、勝てる程の速度になっているのだ。
その為、魔法戦闘だとどうしてもナツが魔法を使用する前にレイナの魔法が当たってしまうのだ。
同時発動であれば、レイナが20発撃つ間にナツは1発撃てるかどうか程の違いがある。
さらに、以前は使う事が出来なかった魔法発動後の魔法誘導(分かり易くホーミングと呼ぶ事にするが)をある程度使える様になったレイナの魔法はナツが躱したり防ごうと魔法を発動させても様々な角度からナツを苦しめたのだ。
ナツとソーマも全属性防御結界をかなりの密度で発動させる事が出来る様になったので、相当な威力であっても耐える事が出来るが、それを上回る魔法や凄まじい数の魔法を浴び続ければ一溜りもない。
今のレイナは直径2メートル程度のランスなら一度に1000発以上放てるのだ。
流石にその全てが着弾すればダメージは免れない。
「きゃぁぁぁ~!!」
その光景を見つめていた龍徳の目が悲しく閉じて行く。
『このままだと・・・間に合いそうにないな・・・』
その晩・・・
就寝時の結界をローテーションで行う事になった事で、ナツが休憩のタイミングでステージの中から龍徳の元にやってきた。
「どうしたナツ?」
「龍徳様・・・折り入ってご相談があります。」
真剣な表情で龍徳の顔を望む。
「相談とは?」
「龍徳様の事・・・もうお気付きだと思いますが・・・」
「ああ・・・その事か・・・」
「このままだと私は戦力外・・・それは分かっています・・・ですが!」
意志を込めた言葉・・・だが、その目には涙が溢れ出す。
民を残して戻れないだけじゃなく戦力外となれば強制的に待機させられるのだ。
そんな事が出来る様なのであれば悩む事もない。
ナツの顔を見て事情を全て察してしまう龍徳が目を閉じると自分の頭をポリポリと書いて溜息を零した。
「はぁ~・・・やっぱりこうなったか・・・」
「お願いです! 龍徳様なら何か方法を考えておられるのではないですか? 図々しいお願いであるとは分かっています・・・ですが・・・私は諦めたくありません!!」
絶対に引かない・・・言葉からはその意志が強く溢れている。
「何故、方法があると思うんだ?」
「龍徳様が私を見る目を見て確信しました・・・言い出すにも言い出せない・・・私の身を案じて下さっている事が伝わってくるのです!!」
っと龍徳を気が付かない内に目で追ってしまうからこそ龍徳が見つめる視線を強く感じ取っていたのだ。
「そうか・・・だったら正直に言おう・・・方法はある・・・だが・・・それ相応の決意と覚悟が必要だ。・・・それこそ・・・失敗すれば弱体化する程、危険な方法だ・・・それでも良いと言うのであれば教えるよ・・・」
その言葉にナツがゴクリと唾を飲む。
「出来れば、もう少し詳しく教えて頂けないでしょうか・・・」
「良いだろう・・・一つは・・・今までの様な魔力譲渡ではなく、それこそ身体がおかしくなる程の魔力を注いで、崩壊する体をパーフェクトヒールで回復しながら行う・・・正に拷問に感じるが、それに耐える覚悟が必要だ。」
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